2003年5月22日


「止まれ」で止まらない


実際は昔からあまり変わっていないのかもしれませんが、個人的な感覚としてはここ数年、 「止まれ」標識のある交差点で止まらない人が増えているような気がします。 それがクルマであれ、自転車であれ。

もちろん、大通りと狭い道の交差点なんかでは止まるのですが、住宅街などで、 ほぼ同じ程度の幅の道が交差しているところなんかでは、 「止まれ」でも止まらない人がいます。

クルマの場合、「止まれ」側が、スピードを緩めることなく交差点を突っ切る、 といったことはほとんどないでしょうが、スピードは落ちていても、停止することなく、 そのまま交差点に進入していきます。

交通法規を守りましょうとか、完全に停止しなければならないとか、そういう主張ではありません。 よくもまあ、そんな命知らずなことが出来ますね、ということです。完全に停止しなくても、 充分に安全確認出来るのであれば、法規上はダメですが、あまり問題があるとも思えません。

止まらない連中の走り方を見ていると、 あるタイミングで交差する道路から交差点に進入してくる車があったとしたら、 それは絶対に避けられない、というそういう走り方なんですよ。運を天に任せたのでしょう。 私には怖くて出来ません。自分の運だけを天に任せるなら文句は言いませんけど、 他人をまきこむのは遠慮願いたいものです。

自宅近くにも、ほぼ同じ道幅の交差点が何箇所かありまして、そこでは「止まらない連中」 をしばしば見かけるのですが、そこは事故が多発しています。当然ですね。 彼ら、スピードはかなり落としてますから、「止まれ」であることは認識しているんですよ。 でも、止まらないし、安全確認もしない。だから事故。

「どうせ、クルマの通りの少ない道だから・・・」なんて思っているんでしょうか。 それとも、自分のクルマの動きから、「もし、誰かがこのタイミングでこう来たら、 事故は避けられない」というシミュレーションをすることが出来ないんでしょうか?  まったく理解に苦しむのです。首都高バトルしている連中のほうが、 何を考えているかは理解出来ます。

自転車の場合はさらにひどいですね。細い道路から広い道路に左折で出るときには、 「止まれ」は必要ないと思っているようです。まあ、きちんとキープレフトしていれば、 さほど危険がないこともありますよ。それは認めますけど、 実際はちっともキープレフトじゃないですからね。「アウト・イン・アウトするんじゃねぇ!」 って感じです。

もっとひどい自転車乗りになると、細い道路が広い道路と交差しているようなところで (もちろん「止まれ」です)、スピードを緩めることすらしないで突撃してますね。 見通しが良く、「止まらなくても安全だ」と確認できているならともかく、 見通しなんて無いに等しいような交差点でも、平気で突撃します。

そんな自転車をはねてしまったドライバーは可哀想ですね。

実は他人事ではありません。随分前のことですが、かなりヒヤリとした出来事がありました。

私は住宅地を走っていました。その道と交差する道路は何本もあり、それぞれこちらが優先です。 でも、見通しの悪い交差点が多く、もちろん自転車の突撃行為は念頭にありましたから、 私はスピードを抑え、交差点の前では細心の注意を払って、極めて集中して運転していました。

ところが、ある交差点で自転車に乗った女子高生が、 信じられないようなスピードで飛び出して来たのです。もちろん、彼女は「止まれ」ですよ。

一瞬、心臓が喉まで上がって来ました。が、幸いなことにパニックになることもなく、 フルブレーキングしながら、小さなステアリング操作も併用して、 彼女をよけようと最大限の努力をしました。「はねてしまう!」 という恐怖と絶望の瞬間がありました。でも、 そう思いながらも体は最後まで彼女をよける努力を続けていてくれたようです。

結果、私のクルマと彼女の自転車は接触しました。が、 クルマの側面に自転車のタイヤがかすっただけで済みました。 つまり、クルマが彼女の前を通過し、その瞬間に自転車がクルマの側面に突っ込んだ形です。 突っ込んだといっても、実際はかすかに触れた程度ですけど。

バックミラーで彼女が自転車に跨ったまま無事でいるのを確認した時は、本当にほっとしたものです。 運転技術のトレーニングをしていて良かったと心の底から思いました。自己採点ですが、 あの時の回避行動は、タイミングといいブレーキとステアリングのバランスといい、 100点を上げても良いようなものでした。

考えるよりも先に体が勝手に動いたような印象でした。 あるいは、恐怖に縮こまっている自分とは別に、 冷静にクルマを操っていたもう一人の自分がいたような感覚です。

クルマが自転車の前を通過したときは、まだまだスピードが落ちきっていませんでしたから、 もし、自転車の前輪をひっかけていたら、彼女は地面に叩きつけられていたと思われます。 打ち所が悪ければ、最悪のことも考えられます。まさに危機一髪でした。

実際は幸いなことに、自転車のタイヤがほんの少し触れただけで、彼女はコケてもいませんから、 大事ではないのですが、それでも怪我や自転車の損害がないか確認しなければなりませんから、 私はクルマを止めて、彼女の方に向かいました。

でも、彼女は既に消えてました。殴られると思って逃げたのかもしれません。 自分が悪いことは彼女も分かっていたんでしょうからね。彼女にとっては、 私以上に恐怖の瞬間だったことでしょう。これを期に、 彼女が無茶なことをしないようになってくれれば良いなあ、なんて思っていました。




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