2004年2月10日


長い鼻毛に愕然とする 


自分の顔を鏡で見ていると時々、鼻毛がちらちらと出ているのを発見することがあります。

そういう時はもちろん、切るなり抜くなりするわけですが、抜いた時には、 鼻毛のあまりの長さに愕然とすることもあります。

抜いた場合、鼻毛の毛根の位置に痛みが残りますから、 その鼻毛がどこに生えていたのかを知ることが出来ます。 鼻毛の生えていた位置と鼻毛の長さから推定すると、その鼻毛はかなり以前から (つまり、もっともっと短い時から)、はみ出しうる状態になっていたと思われるのです。 上に「愕然とする」と書いたのは、鼻毛の長さそのものに愕然とするのではなく、 はみ出しうる状態にあった時間の長さに愕然とする、ということなのです。

それだけの長い期間に渡って、その鼻毛の存在に気付かずに人生を謳歌していた、 能天気な自分に気付いてしまうのです。

鼻毛がはみ出しうる状態にあったということは、実際にはみ出していたことが何回かある、 と考えるのが自然でありましょう。ああ、やってもーた、という感じですね。 ズボンのファスナー全開に気付いた時のような気分です。

鼻毛の生態に関しては、数多くの研究にも係わらず、まだその多くが謎のベールに包まれています。 夜行性なのか昼行性なのかも不明です。ある特定の鼻毛に注目した時に、ある日の朝、 その鼻毛は鼻の穴からこんにちはしているのですが、前の日の朝はその気配さえ感じさせてなかった、 なんてこともあります。きまぐれなのです。

鼻毛が出る出ないを決定する要素は、鼻の穴の物理的形状、毛根の位置、鼻毛の長さ、 鼻毛の伸びていく方向(鼻毛ベクトル)、鼻毛ベクトルのローテーション、 鼻毛のヤング率、鼻毛の弾性変形常数、鼻腔内分泌物の分布状態、その湿度や粘性抵抗、 などなどが考えられますが、それらの変数の間にある関係については、 定式化されていないのが現状です。つまり、出る出ないを科学的に予測することは不可能なのです。

ヒトの DNA 解析が進み、ニュートリノに質量が観測された現代科学を駆使しても、 鼻毛には手も足も出ないのです。

だから、私が長い鼻毛を見逃していたとしても、それはやむを得ないことなのです。

それにしても、この長い鼻毛、今まで何回くらい「こんにちは」をしたのか、 などとしみじみと考えてしまうのであります。

しみじみ考えるのが正しい姿とは思いませんが、 世の中には自分の鼻毛になーんも気を遣っていない人もいるわけでして、 そういった人々よりはよろしいかと。




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