どの程度広く使われているのかはいまひとつ把握していないのですが、
会社員であれば、「エンピツなめなめ」という表現を耳にしたことはあるでしょう。
提案書だったり、事業計画書だったり、稟議書だったりを作る際に、
ある程度信頼のおけるデータや事実を元にその内容を構築するのではなく、
個人や特定のグループの主観や思いや推定などをベースにしていて、そうであっても、
完成物の信頼性を保ちたいような場合に、「今後三年間の売り上げ予想の部分は、
エンピツなめなめ作るしかないな」などと使うことが多いようです。
今時、そういったものを作るときにエンピツを使う人もいないでしょう。
ほとんどはワープロ、プレゼン、表計算などのアプリケーションを使って作ると思われます。
最近、私の周囲ではアイディア・プロセッサーとかマインド・マッピングが流行してます。
これらを使うのもなかなか面白いですね。ですから、エンピツはおろか、ボールペンすら使いません。
でも、仮にエンピツを使うとしても、本当にエンピツをなめなめするわけではないことは、
言うまでもありません。
「エンピツなめなめ」というのは比喩的表現なのですが、現在においても過去においても、
エンピツをなめなめするという行為は、比喩的表現に用いられるほどに一般的だったのかというと、
かなり疑問に思います。
おそらくは、色々と苦心して書き物をしている様を指しているのでしょう。
でも、そういった場面であろうと、実際にエンピツをなめなめした人というのは、
皆無とは申しませんが、非常に少なかったのではないかと思います。
また、苦心している様とエンピツをなめなめしている様子が、
印象としてピタリと当てはまるものでもないと思います。
私よりも上の世代だと、感じ方は違うかもしれませんが、私の世代以下では、
「エンピツなめなめ」という比喩表現に納得出来る人はほとんどいないのではないかと思われます。
しかしながら、少なくとも会社社会においては、「エンピツなめなめ」は言葉として生き残っています。
大体において、「エンピツなめなめ」なんて言う奴はオヤジ臭いですね。
本当のオヤジのこともありますし、若くしてオヤジに染まってしまった奴もいます。
先輩や上司が使っているから、それがうつってしまったのでしょうが、
何も好きこのんで使わずともよいわけです。私は使いません。なんか恥ずかしいですから。
ちなみに、「エンピツなめなめ」は「えいやっ」や「ざっくりと」と同時に用いられることが多いです。
「ざっくりとした数字でいいから、エンピツなめなめえいやっで出しておかないと、
部長にそこを突っ込まれるから」などと使うのです。
こういうのって、会社員用語なんでしょうかねぇ?
「エンピツなめなめ」「えいやっ」「ざっくりと」なんていう単語が飛び交っている状況というのは、
一般的にいって、あまり好ましい状況ではございません。「そのへんはてきとーでいいから」
的な状況であることが多いのです。
新入社員の諸君、おじさん達が「エンピツなめなめ」「えいやっ」「ざっくりと」なんて言っている時は、
偉そうにしていても、実際はかなり困っているのだよ。