2004年4月9日


「社交辞令の口説き」は存在しない 


会社のとある女性と話していました。

その方、私からみるとかなりモテモテなのです。モテモテ話のいくつかは知っています。 彼女から聞かされたのですけどね。ただ、問題もありまして、私から見たらモテモテではあるのですが、 彼女が望むような相手やモテ方ではないのです。さえないオヤジからの不倫の誘いとか、 年下の頼りない男からとか。

で、彼女には「自分では望まないモテ方かもしれないけど、モテモテであることは事実だよ。 それすらない人だっているわけだし」なんて言ったのです。

すると彼女、「でも、男の人って社交辞令で口説いたりするでしょ?」 などとおっしゃいます。つまり、社交辞令の口説きだから、表面上はモテているように見えても、 実際はそんなことはない、と言いたいのです。

私は即座に否定しました。「社交辞令の口説きなんて、ほとんどありえないないよ。 そんな暇なこと、誰がするんだか」と。すると、彼女はむちゃくちゃ意外な顔をしていました。

社交辞令の口説きというものが、世の中に全然ないとは申しません。でも、 普通の方が普通に経験する範囲では、ほぼないと思って間違いないと思われます。

ところが、「社交辞令で口説く」といった表現は比較的よく使われます。

男が女性を口説くとき、本当の意味で「社交辞令で口説く」ということはほとんどありません。 ただし、社交辞令風の衣をまとって口説くことがあるのです。

それは、失敗した時の自分の逃げ道だったり、女性に過度にストレスを与えないような配慮だったり、 口説きにあたっての照れであったり、「単にやりたいだけ」をくるむオブラートだったり、 色々なのですが、あくまでも「社交辞令風」なのです。

そんな気がないのに口説いているわけじゃありません。最低でも「あわよくば」 程度の気持ちはあるのです。でも、そういう場合は、 男性には本質的な熱意に欠ける傾向がありますから、女性側の極めて軽い拒絶や、 拒絶とも言えない程度の前向きではない発言(例えば、「みんなにそんなこと言っているんでしょ?」 とか「お口がお上手ですね」とか)で、すぐに口説きの矛を収めてしまいます。

そうすると、女性としては「ああ、やっぱり社交辞令だったのね」と納得してしまうかもしれませんが、 それは大いなる誤解なのです。もし女性側が乗り気な態度を見せたら、絶対に食いついてきます。

社交辞令の口説きなど、基本的には存在しないのです。 ホストの世界になら、もしかしたら社交辞令の口説きがあるかもしれませんが (事情はよくわかりませんけど)、そういった特別な状況を除くと、皆無に近いと思います。

どうも、「社交辞令で口説く」という言葉が独り歩きしているように感じます。 男も女も、その言葉を利用している部分もあり、その言葉によって本質を見逃している部分もあり、 だと思います。

ちょっと前に「(やりてー)の法則」について書きましたが、 この法則が正しいとすれば、そこからの演繹によって、「社交辞令の口説きは存在しない」 という命題が証明されることは自明です。

女性の皆様、男の(やりてー)を甘く見てはいけません。

因みに彼女、最終的には「社交辞令の口説きは存在しない」に深く納得しまして、 手帳にメモでもしかねない勢いでしたとさ。




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