2004年4月14日


似非カリカリベーコンを斬る 


レストランや飲み屋さんのメニューに「カリカリベーコンとほうれん草のサラダ」 なんていうメニューがあったとしましょう。まあ、どこにでもありそうなメニューです。

で、それを注文する時には当然のことですが、「カリカリベーコン」を期待しているわけです。 単なるベーコンではなく「カリカリベーコン」です。

「カリカリベーコン」とは何ぞや、ということが法律や条令で定められているとは思えませんが、 一般人の感覚にあるカリカリベーコンに大きな差はないと思われます。 カリカリ度には好みはあるかと思いますが、フライパンでさっと火を通しただけのベーコンを 「カリカリベーコン」とは呼びません。

ところがです。みなさんも経験があると思いますが、「カリカリベーコンとほうれん草のサラダ」 を注文したにもかかわらず、出てきたものを見ると「これのどこがカリカリやねん!」 と関西方面の言葉で罵りたくなることが少なくないのです。

私のカリカリ度の好みが人並み外れていて、世間一般ではカリカリベーコン と認知されるであろうものを、私はカリカリベーコンとは認めない、 などという事情ではないはずです。

焦げ目すらほとんどついていないし、カリカリとした歯ごたえも全くない、 脂身が白く見える、ちょっと火を通しただけのベーコンをカリカリベーコンと言い張っているのです。 いったいどういう了見なのでしょうか?

カリカリベーコンをきれいに作るにはそれなりの手間がかかります。私の得意料理の一つに、 「カリカリベーコン、アンチョビ、大葉のペペロンチーノ風スパゲッティ」(長ったらしい名前だ) がありますが、私はそれを作るとき、ベーコンをカリカリにすることに命をかけております。 過度に焦げないように、それでいて全体的にくまなくカリカリになるように、 弱火のフライパンの前につきっきりの数分間なのです。

カリカリベーコンに対する愛があれば、そうなるはずなのです、きっと。

店側の事情も分からなくはありません。本当のカリカリベーコンを作るとしたら、 調理のための時間がとられますからね。つまり、人件費のコストがかかるということです。 だとしても、出来合いのカリカリベーコンに軽く火を通して使うか、 あるいは「カリカリベーコンとほうれん草のサラダ」などと呼ばずに、 「ベーコンとほうれん草のサラダ」とメニューに書いてくれれば、 カリカリベーコンに対する期待が裏切られることもありません。

先日行った某和風居酒屋さんでは、「ベーコンとほうれん草のサラダ」というメニューでしたが、 しっかりとカリカリベーコンでした。出来合いのものではなく、 調理によってきれいにカリカリにしていました。それでいて、特に他店に比べて高いとも思えません。 ほうれん草もドレッシングも美味しくて、この種のサラダとしては出色の出来だと思いました。

このような良心的な店もある一方で、 さっと火を通しただけのベーコンをカリカリベーコンと言い張る店もあるのです。

私はカリカリベーコンが大好きですから、このような欺瞞は許しがたいのであります。 似非カリカリベーコンの店を糾弾するサイトでも立ち上げてくれようか。

タイ産の輸入鶏肉を比内地鶏などと言って売るのもいけませんが、 カリカリじゃないベーコンをカリカリベーコンと言うのはもっといけないように思います。 カリカリベーコン様に失礼なのです。




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