2005年4月1日


キャバ嬢さんとトモダチ付き合い 


もう随分と前の話なのですが、都内某所のキャバクラで、私は美緒(仮名)ちゃんと出会いました。

美緒(仮名)ちゃんは当時 22 歳。かなり美人です。スタイルも素晴らしいです。 話のノリも良いです。当然、気に入りました。

おそらく、初めて会った次の週にもその店に行って、美緒(仮名) ちゃんを指名したんじゃないかと思います。「はまった」という表現は正しくないですが、 お気に入り度はかなり高かったですね。

で、二回目に会った時、私の会話には口説き風味がかなり入っていたはずです。 具体的なセリフは覚えてませんし、覚えていたとしてもここには書きませんが、 彼女のノリが良いことも手伝って、口説きと解釈されるであろうことは言ったはずです。 その証拠に、彼女も「今度デートしようね」なんてことを言ってました。

ここまではどこにでもある話ですね。でも、ここから先は、なかなか珍しい展開なのです。

私の口説き風味に対して、Yes にかなり近い答えをしていた美緒(仮名)ちゃんですが、 私だってバカじゃありませんから、それがお愛想とか色恋営業とか、そういう可能性は考えます。 てゆーか、大体はそういうものです。

で、二回目に会った後すぐに、「こないだ美緒(仮名)は、デートしようね、なんて言ってたけど、 本気? 色恋営業は嫌いだからね」なんていうメールを出したのですよ。もし色恋営業だとしたら、 トボケルに決まっているんですけどね。

ところがです。彼女からの返事に、私はかなり驚きました。

「ごめんなさい。あれは色恋でした。前に色恋したことがあって、それで自分も傷ついたから、 もう色恋はしないって思ってたんだけど、ついついしてしまいました。本当にごめんなさい」

こんな感じのメールだったのです。こういうキャバ嬢さんは見たことありません。 色恋営業をしない人はいくらでもいますが、色恋営業を認めて謝る人は見たことありません。 最後まで認めない人、誤魔化しきれなくなってから、色恋を認めて居直る人はいましたが、 ほんのとっかかりで認めて、ましてや謝るなんて、かなり貴重な経験です。

とても新鮮でしたね。「正直に言ってくれてありがとう」 というようなメールを返したと記憶しています。まあ、私の口説き風味にノリノリだったのは、 本気でもなんでもなく、営業政策だったというわけですが、正直になって謝罪したことは、 ポイント高いですね。

ということで、その後、何回かは美緒(仮名)ちゃんの店に行って、 彼女とお話してたりしました。さすがにもう、口説き風味の会話には、 はっきりと No と言うようになりましたね。

何ヶ月か後、ちょっとした事情があり、私は美緒(仮名) ちゃんの店にもう行かないという宣言をしたのです。彼女と喧嘩したわけじゃありません。 彼女が嫌いになったわけでもありません。彼女に会いたくないわけでもありません。 その事情は、彼女も理解してくれました。

理解してくれたはずなんですが、しばらくしたら、「あした、一緒に夕ご飯食べない?」 なんていうメールが届いたのです。私は「前も言ったけど、もう店には行かないから、 同伴はしないよ」と返しました。キャバ嬢さんが「ご飯食べない」と誘うのは、 「同伴して下さい」というのとほぼ同義です。

美緒(仮名)ちゃんからの返事は、「うん、わかってる。同伴しなくてもいいから、 一緒にごはん食べよ」でした。これで私は訳が分からなくなってしまいました。 同伴に誘うのは、通常の営業行為として分かりますが、私は店に行かないということは知ってるし、 同伴しなくてもいいから、とも言ってます。同伴しなくて良いのなら、 食事はプライベートな時間ということですが、彼女は口説きに No と言い続けてました。

はてさて、キャバ嬢とお客との関係で同伴ということでもなく、 男と女のデートというわけでもないなら、彼女がわざわざ食事に誘うのは何なんでしょう?

私はそのままストレートに尋ねました。彼女からの返事はあれこれ書いてあったのですが (同伴なしで食事してもいいでしょ? とか)、要領を得ず、よく分かりません。 でもどうやら、私とトモダチになりたいような印象を受けたので、これまたストレートに、 「要するに、高樹とトモダチになりたいってこと?」とメールしました。彼女からの返事は 「そう、トモダチとして付き合いたいの」

私の頭の中には、私と美緒(仮名)ちゃんとの関係は、キャバ嬢とお客との関係か、 男と女の関係か、二種類しかなかったので、「トモダチになりたい」には、 大層驚かされました。

ということで、晴れて私と美緒(仮名)ちゃんはトモダチになったわけです。 時々会って食事して、「こないだスノボに行ってきた」とか「スタッドレス・ タイヤを買いたいんだけど、何がいい?」とか「カレシはいないけど、 今はカレシはいらないの」とか、そんな会話をしてます。 トモダチですから、手も握ってません。

私としてはトモダチの座に安住することに満足しているわけじゃありませんが、 美緒(仮名)ちゃんはトモダチで満足のようです。

美女と食事するのは悪い気分じゃありませんが、男として堕落しているというか、 丸くなったというか、ビミョーな気分です。それにしても美緒(仮名)ちゃんは、 高樹の何にトモダチとしての価値を見出しているのか、そこんとこは依然として不明なのでした。




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