2005年6月1日


○○○○が面白いほどわかる本 


新聞の書籍広告を見ていたり、書店をうろうろしていると、「○○○○が面白いほどわかる本」 といったタイトルの本を見かけます。

試しに Google で「面白いほどわかる本」を検索してみたら、あるはあるは、 何でもかんでも「面白いほどわかる本」です。こんなにあるとは思いませんでした。 色々な出版社から出ています。ということは「面白いほどわかる本」は商標登録されてないんですね。

それにしても、これだけ「○○○○が面白いほどわかる本」が氾濫しているのに、 それでもなお、新しい企画で「○○○○が面白いほどわかる本」というタイトルをつけてしまうのは、 「○○○○が面白いほどわかる本」というタイトルの本は売れる、 という統計データでもあるんでしょうか?

もし私が何かの解説書を書いたとして、出版社の担当が「タイトルは 『○○○○が面白いほどわかる本』にしましょう」なんて言ってきたら、 「お願いだから、それだけはやめてくれ。もちろん、『サルでもわかる○○○○』もダメだよ」 と言うに違いありません。

新聞記事で犬や猫の話題になると、「ワン」とか「ニャン」 を入れたダジャレを使わなければならないような、そういう恥ずかしさが 「○○○○が面白いほどわかる本」にはありますね。

そもそも、「面白いほどわかる」ってのが気に入りません。だいたいのことは、わかれば面白いし、 わからなかったら面白くないのですよ。わかったとしてもつまんない、ということが当たり前なら、 「面白いほどわかる」に価値はありますが、普通は、わかればそれなりに面白いのですから、 「面白いほどわかる」はヘンだし、それを売りにするのもヘンなのです。

「面白いほどわかる」というキャッチは、どことなく読者をバカにしている風情です。まあ、 言いたいことがわからないわけじゃありませんから、最初に「○○○○が面白いほどわかる本」 というタイトルを考えた人には、それなりに敬意を払うにやぶさかではありませんが、 これだけ氾濫していると、「何も考えず、『面白いほどわかる』のヘンさに気付きもせずに、 タイトル付けただろ?」と言いたくもなります。

私は天邪鬼ですから、「○○○○が面白いほどわかる本」と言われても、 タイトルだけに惹かれて買うことなどありえないのですが、「○○○○が面白いほどわかる本」 というタイトルで、何やら購買意欲を掻き立てられる人はそれなりにいるんでしょうね。 確かに、「詳細解説:○○○○」と「○○○○が面白いほどわかる本」では、 後者の方がとっつきやすいイメージではあります。実際にどちらがわかりやすいかは、 もちろんタイトルとは関係ないです。

グルメ番組などで「食材にこだわってます」なんていう、そういう「こだわる」 の使い方は大嫌いなのですが、「○○○○が面白いほどわかる本」も「こだわる」に似た感じがします。

両方とも広い意味では流行語なんでしょうね。そもそもはヘンな使い方ですが、 そのヘンさを理解した上で、あえてそういう使い方を最初にした人がいて、 それはそれでオリジナリティがあって良かったとしても、誰も彼もが使い始めて、 そういう人はヘンさを何も認識してなくて、というパターンが共通しているように思います。

つまりは、知性が感じられないというか、バカっぽいというか、そういうことです。




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