先日、ある女性からメールが届きました。会社でのことです。つまり、
その女性はうちの会社の社員で、そのメールは仕事に関連したものです。
簡単に言うと、その彼女、山本(仮名)さんは私に、私の部下である北沢(仮名)
君をどうにかしてくれ、と言っているんですね。
山本さんが北沢君に「○○の件の引継ぎに関して打ち合わせたいので、
都合を知らせて下さい」というメールを書いていて、それに対して北沢君が
「何の話でしょうか? メールの宛先を間違ってませんか?」と返事を書いてました。
そのメールが添付されて、山本さんから私宛にメールが来たのです。
山本さんから私宛のメールでは、北沢君が○○の件を引き継ぐ、
ということの正当性があれこれと書かれていて、そのような事情なのだから、
北沢君には○○の件をきちんと引き継いでもらわないと困ります、
と上司である私に抗議しています。
どうも私は理由がよく分からないのですが、山本さんは、北沢君が引継ぎを拒否した、
と思い込んでいるようなんですね。私がメールを読む限りでは、北沢君は
「何の話でしょうか? メールの宛先を間違ってませんか?」と書いているだけで、
引継ぎを拒否しているのではなく、状況が掴めていないとしか思えません。
因みに、北沢君が○○の件を引き継ぐことに関しては、私は初耳でしたが、
状況からして適切な判断だとは思います。
私は山本さんに電話してみました。メールだと時間ばかり掛かって、
なかなか進展しないどころか、話がこじれるかもしれないので。
「北沢君は引継ぎを拒否してると思ってるんですか?」
「え? 違うんですか?」
「どこにもそんなこと書いてないでしょ? 事情が分からないだけとしか読み取れませんけど」
「でもね、・・・(と引継ぎの正当性について語り始める)」
「○○の件の引継ぎについて話し合われたのはいつですか?」
「北沢さんが前の部署にいた、半年前位です」
「その話し合いには北沢君が出てましたか?」
「いいえ、高橋さん(当時の北沢君の上司)と私で話しました」
(注:山本さんも高橋さんの部下だったので、当時は山本、北沢は同じ部署)
「その後、北沢君と引継ぎに関して何か話しましたか?」
「いいえ」
「高橋さんか他の誰かが、そのことを北沢君に伝えましたか?」
「いいえ、それもないと思います」
「ということは、山本さんのメールで初めて、北沢君は自分が引き継ぎの当事者であること知った、
あるいは、引継ぎという問題があることを知った、ということになりますね」
「ええ・・・・、そうなりますね」
「だとしたら、引継ぎは決定事項、了解事項であるかのように書かれていて、
そのための打ち合わせしたいので都合を知らせて下さい、と書いてあるメールに対して、
何のことか分からないってのは普通でしょ?
メールの宛先間違いと思ったって不思議はないと思いますよ。私だって、
あのメールが来て、他に電話などで何も追加情報がなければ、北沢君と同じように感じると思います」
「はあ・・・」
「どうして、メールを文字通り読まずに、北沢君が引継ぎを拒否してるなんて解釈をするんですか?
もし彼に引継ぎを拒否する意思があるなら、理由を述べて『それは私の仕事ではありません』
とはっきり主張するはずです。『何の話でしょう?』なんてとぼけることはありません。
彼はそんないい加減なことはしませんよ」
「・・・・・」
「とにかく、北沢君にきちんと事情を説明して下さい。その上で、
引き継ぐ引き継がないの話になるのなら、私が調整します」
とまあ、こんな調子でした。
女性の一部に特有の、と言ったら怒られるのかもしれませんが、
感情先行型の深読みというか裏読みというかで、そしてそれが恐ろしくハズレであるという典型です。
仕事のメールで「何のことでしょう?」と書かれたものを、特に理由もなく「とぼけている、
拒否している」などと解釈してしまうのは何故でしょう? 私の経験上、
男でこの種の裏読みをするのは、極めて珍しいんですよね。女性には時々見られますけど。
おそらく、北沢君と山本さんは、過去において色々と不協和音があったんだとは思います。
きちんと引き継いでもらえるのかしら、という疑念もあったんでしょう。
だからといって、過剰な裏読みが正当だとは思えません。
まして、その思い込みのまま、上司の私に抗議のメールを送りつけるわけですから、
思い込みだなんてことは全然思ってなくて、正しい判断だと自信を持っているわけですね。
もちろん、北沢君は引継ぎ拒否などしていたわけではなく、
単に事情が分からなかっただけで、事情をきちんと説明された後は、喜んでではないにしろ、
引き継ぐことに同意しました。
この件を収めるのに、時間としては 10 分位しかかかってませんけど、
精神的にはどっと疲れてしまいましたよ。
山本さん、私より年上なんですけどね・・・