ここ最近、よく見聞きする単語に「拙速」があります。
もちろん、皇室典範の改正問題に関係した報道などで使われているんですけど、
どうも、「拙速」の使われ方がイヤな感じの報道が目立つように思います。
例えば、「有識者会議の議論は拙速である。もっと時間をかけて、様々な角度から議論すべきである」
というのは○です。言うまでもありませんが、「拙速」という単語の使い方として○、
という意味であって、その主張の内容については何も言ってませんよ。
例えば、「拙速な皇室典範改正はいかがなものか?」ってのはどうもいただけません。
一連の改正の動きが「拙速」かどうかは、議論のポイントであって、
共通認識でも既成事実でも何でもないんですが、「拙速な改正」とか「拙速な議論」とか、
「赤いリンゴ」みたいな感じで使われているのが目に付きます。
拙速であると主張するのは良いのです。ですから、「拙速な皇室典範改正はいかがなものか?」
という文であっても、前後の文脈によっては○です。でも、拙速であると主張しているわけではなく、
あたかも当たり前に共通認識があるかのように、「拙速」
を形容詞として付加するパターンが目立つんですよね。
まあ、明らかになっていないことや見解が分かれていることについて、
あたかも当たり前であるかのように形容詞をつけるのは、大新聞であろうと、
大衆娯楽週刊誌であろうと、マスメディアの文章では共通によくあることで、
多くの場合、その稚拙な読者誘導のテクニックに苦笑を禁じえないのですが、
今回の「拙速」については、そういう部分もあるのかもしれませんが、
もしかしたら、単語としての意味を正しく理解していないんじゃないか、とも思えます。
もし、改正に関わるあれこれが「拙速」であるならば、ほとんど議論の余地なく、
改正はダメってことですよ。「拙速」であることが前提で、それでも改正しましょうなのか、
いやいやもっと慎重に、なのかが争点ではないのですよ。
「拙速」を単に「素早い」とか「時間をかけない」とかいう意味だと、
誤解している報道があるように感じるんですが、そうは思いませんか?
「拙速な改正」という表現は「時間をかけない改正」という意味で使っていて、
「それでいいのか?」と言っているような、そういう報道です。報道だけじゃなくて、
個人のブログなんかでも見かけますけが、報道に影響されているのかもしれませんね。
因みに、「拙速=出来は悪いが仕上がりは速いこと」だそうで。
皇室典範改正案に関して、「仕上がりは速い」については、万人がとは言わないまでも、
多数の人が同意するでしょうが、「出来は悪い」に関しては、まさにそこがポイントであって、
報道として、当たり前のように「拙速」を形容詞化してはならないと思うわけです。
念のため申し上げますが、皇室典範の改正そのものについては、
私はここで何の主張もしておりませんよ。「拙速」の使われ方がヘンだ、と言っているだけです。
読解力皆無な奴らは、上の文章から、私が女系天皇支持だと解釈するんですよねぇ。
「拙速」をヘンに使う奴らよりも困った奴らです。
と書くと、読解力皆無な奴らは、私が女系天皇反対だと解釈するんですよねぇ。
ほんとに困った奴らです。
と書くと、自分の立場をはっきりさせろ、なんて言う奴もいるんですよねぇ。
余計なお世話です。