2006年7月4日


「アイドリングは短めに」 


先日、とあるファミリーレストランに行きました。クルマを駐車場に止めてふと見ると、 看板が出ていて、駐車場を利用する上でのいくつかの注意事項が書いてありました。 まあ、どこにでもあるような看板です。

そんな中で気になったのは、「アイドリングは短めに」というフレーズです。

きっとこのフレーズを考えた人は、アイドリングに関する正しい知識に欠けているんでしょう。 むしろ、間違った知識を正しいと思っているじゃないでしょうか。モラルという面では、 おそらく全然問題ないというか、高いモラルを持った人なのかもしれませんが、 いかんせん、ベースの知識が間違っていると、「アイドリングは短めに」 という珍妙なフレーズになってしまうわけです。

「アイドリングは短めに」というのは、食事を終えて帰る時、クルマのエンジンをかけてから、 しばらくアイドリングしてエンジンを暖めるにあたっては、その時間は短めでお願いします、 という意味でしょう。

因みに、私が(ドライバー)クルマに乗り込んでから発進するまでは、以下のような手順です。

まず、ドアを開けて、シートに座り、ドアを閉めます。そして、キーを挿します。 この時点ではまだエンジンをかけません。次に、シートに正しく腰掛けます。 具体的にはお尻をシートにねじ込むようにして、きっちりと深く腰掛けます。 もし、必要なら、この時点でシートポジションやステアリング、ミラーの調整をします。 そして、シートベルトをします。これらが終わってはじめて、エンジンを始動します。 エンジンがかかったら、即座に発進します(もちろん、安全確認やウィンカーを出すことは当然です)。

エンジンがかかってから、クルマが動き出すまでは、おそらく 2 秒とか 3 秒です。安全確認、 ウィンカー、サイドブレーキ解除、そして、ギアをドライブに入れてフットブレーキを緩める、 といったことに要する最小限の時間が 2 - 3 秒、ということです。

これは厳密に言うなら、3 秒間のアイドリングなのかもしれませんが、 実質的にはアイドリング時間がゼロだと思ってます。この作法は、 余程の事情がない限りは変わりません。それは例えば、マイナス 20 度の中に丸一日駐車しておいた、 といった事情です。

「アイドリングは短めに」というフレーズの裏には、「エンジンをかけてから走り出すまでに、 本来ならば充分にエンジンを暖めなければならない」という間違った知識があるように思えます。 「エンジンのためにはきちんとアイドリングをしたほうが良いのですが、 周辺住民への騒音や排気ガスの影響がありますので、アイドリング時間は短めでお願いします」 という感じでしょう。メカのための行動と、環境を配慮した行動は両立しないので、 そこそこで、というお願いですね。もちろん間違いです。

控え目に言っても、ここ十数年位のクルマならば、「エンジン始動後はすぐに走り始めるべき」 が正しいことです。実際、私のクルマのマニュアルには、「エンジン始動後はすぐに発進してください」 という趣旨のことが明記してあります。メカのための行動と、環境を配慮した行動、 ついでに財布にやさしい行動は、全部同時に成立するのです。

もちろん、エンジンが暖まってない時は、回転数をイエローゾーン近くまで上げたり、 アクセル全開にしたり、などなどは慎まなければなりませんが、発進してはならない、 なんてことは全然ありません。

ちょっと前に書いた、「夕方、薄明るい時にはスモール、暗くなったらヘッドライト」 という間違った常識と、同じくらい広まっているのが、「エンジンを暖めてから発進すべき」 という間違った常識です。

どうして一向に是正されないのか、摩訶不思議でございます。




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