1998年3月16日

チェーン規制反対


今日はちょっと固い話を。

昨日、関越高速道を走った。新潟方面から山越えをして東京方面に向かったのである。 この時期の関越道なら珍しいことではないのだが、雪のため「チェーン規制」となって いた。ご存じない方のために説明すると、「チェーン規制」というのはスタッドレス・ タイヤを履いていない車は、チェーンを装着しないと走ってはいけません、という 規制である。もちろん、スタッドレスを履いていれば問題ない。

この「チェーン規制」だが、私はやめるべきだと思っている。

もちろん、雪道をノーマル・タイヤのまま走るのは危険極まり無いので、何も規制 する必要がないと思っているわけではない。「チェーン規制」ではなく、 「スタッドレス・タイヤ規制」にすべきであると考えているのである。つまり、 スタッドレス・タイヤを履いていない車は、雪の高速道は走ってはならない、 という規制である。

理由はいくつかある。総合的な雪道性能では、スタッドレスがチェーンを 上回ること。チェーン装着、およびそのチェックのため PA が混雑し、場合に よっては渋滞となること。チェーン装着車はスピードが出せないため、特に 雪のない路面では、スタッドレス装着車とのスピード差が大きく危険であり、 かつ渋滞をまねくこと。チェーン切れによる事故が懸念されること。路肩で チェーンの着脱をするドライバーが多数いて、非常に危険であること。チェーン による道路の痛みが激しいが、その補修経費は全ての高速道利用者に均等に かかってくること。等々。

そもそも、冬用のタイヤが普及していない昔ならいざしらず、これだけスタッドレスが 普及している現在では、チェーンを「雪道走行用の装備」と考えるのは、間違いで ある。チェーンは、坂道や山道などの除雪状況の悪いところでスタックしたときの、 「脱出用の装備」と捉えるべきで、スタッドレスこそが「雪道走行用の装備」である。

俺はチェーンで大丈夫、と自信を持っているかたもいるかもしれない。でも、 そういう方の 90% 以上は自分の腕や判断力を過信しているか、雪道の恐さを 過小評価しています。また、残りの 10%の方でも、上にあげたチェーンの欠点を 全て否定することは出来ないはずです。

スタッドレスがいいのは分かっているんだけど、お金がかかるし、タイヤの保管 場所もないし、雪道を走ることなんて年に何回もないし、というのはもっともらしく 聞こえる。しかし、雪道を走る以上、それも突然の異常気象ではなく、雪道走行が かなりの確率で予想される、冬の関越道や東北道を走る以上、その程度の経費は 支払ってしかるべきであると思う。渋滞で無駄に使われるガソリンと時間、道路の 痛み、チェーンが直接間接の原因となっての事故など、チェーン走行を認める ことによる社会的損失のほうが、はるかに大きくて深刻ではないだろうか?

スタッドレスを買うことが出来ない、あるいは買う気がない人は、冬の関越道や 東北道を走ってはならない。逆に、どうしても走らなければならない人は、 スタッドレスを履く。こういうことにすれば、チェーンの着脱のための 渋滞は避けられるし、路面に雪がないとき(チェーン規制区間でもそういう ところは多い)でもスムースに安全に走ることが出来るし、路肩に車を止めて チェーンを着脱する人もいなくなり、良いことばかりだと思う。

昨日の経験では、チェーン装着車は全体の 20% 位に思える。すなわち、20% の 人が、残りの 80% の人に色々な迷惑を掛けている、ということになる。多数決 が絶対とは思わないが、この割合であれば、総合的に判断して、「チェーン規制」 はやめて「スタッドレス・タイヤ規制」にするだけの、社会的な素地は出来ている と判断して差し支えないのではなかろうか?

スキーに出掛ける人でも、スタッドレスではなくチェーンという人がいる。 これまで述べたような固いことを言わなくても、私なら絶対スタッドレスに する。彼女を乗せての楽しいスキーならなおさらだ。苦労してチェーンをつけて いる人を尻目に、「俺はスタッドレスだから大丈夫」とスイスイ走って株を 上げられるからだ。雪まみれ、泥まみれで悪戦苦闘、彼女は助手席でドッチラケ、 なんてのは得策ではないと思うのだが・・・

もちろん、スタッドレスでも過信はいけない。スイスイ走ってというのは、 チェーンと比較しての話であって、雪のない道のつもりでスイスイという わけにはいかないのは言うまでもない。

ついでに言うと、四駆も過信してはならない。「俺の車は四駆だからスタッドレスは いらない」なんてのは大間違いであることはもちろん、スタッドレスを履いた からといって、FF や FR と比べて安全性が格段に高くなるわけではない。 四駆は駆動力を得ることに関しては抜群の性能を持つが、雪道の本当の恐さは、 駆動力を得られないことではなく、曲がれない、止らないということだからだ。 雪道での曲がり止る性能はタイヤに大きく依存していて、駆動方式にはほとんど 無関係である(少なくとも一般的なドライバーのレベルでは)。そこを勘違いして、 四駆でスピードを出しすぎると、悲劇が待っている。スキー場への登りの山道で クラッシュしている車には、意外なほど四駆が多いものである。

話がちょっと脱線してしまったが、要するにチェーン規制というのは、裏返せば チェーンを認めるということであり、その言葉自体がチェーンの問題点や危険性を 隠していると思う。せめて、冬の高速道の一部区間だけでも「スタッドレス・ タイヤ規制」とならないものであろうか。





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