1998年4月6日

交通安全週間だぁ?


今日から交通安全週間なるものが始まるらしい。昨日のニュースでは 原宿をパレードする SPEED のお嬢さんたちが紹介されていた。 SPEED をイメージ・キャラに採用して「スピードは控え目に」なんて ことだろう。まあ、そのセンスの良し悪しは別にして、交通安全週間 つうのは、はたして世の中の役に立っているのだろうか?

つまり、これによって交通事故が減ったりしてるのだろうか? ということだ。

どのような活動をして、どうような効果があったかを分析して、効果のないこと は改める、効果的な活動とはどうあるべきかを考える、という当たり前のことが なされていないように思うのは、私だけだろうか?

SPEED のギャラだって、パレードの費用だって、税金や交通安全協会に払う お金から出ているんだから、その位のことはする義務があると思う。ま、 私は交通安全協会なんていう、いかがわしい団体には一銭も払っていませんが。

交通安全週間というと、街角に町内会のテントを張って、中ではじいさま達が お茶している、というイメージがある。そのじいさまたちや、おかあさんたちは 時には、横断歩道で黄色い旗を振ったりしているが、あれは交通事故を減らす ために、効果的なのだろうか? ほとんど自己満足の域を出ていないと思う。 交通安全週間とそれ以外の時期の、事故発生件数を分析すれば、その効果のほど は明らかになるはずだが、そういうデータって見たことない。

日本の交通安全行政ってのは、交通安全週間以外にも不可解なことが多い。

例えば、交通安全の標語。「ゆっくり走ろう○○を」とか「交通安全宣言都市、 ○○」なんて標語の看板や横断幕を掲げて、効果があると本気で考えているとしたら、 そいつは本当におめでたい奴に違いない。

幼稚園や小学校での交通安全教育の一部に、標語を取り入れることは、 それなりに効果があるかも知れないが、それは教育現場での話であって、 街角の看板とは別の話である。

標語の看板だってお金がかかっているのである。各地の警察や交通安全協会と 看板業者との癒着があるのでは、などと疑いたくもなる。それがないと言い切れる なら、もっと有効なお金の使い方をしたらどうだろうか。

看板といえば、「急カーブ、スピード落とせ!」なんてのも問題だ。全然 急カーブでもなんでもないところにも、この種の看板を乱発しているものだから、 狼少年みたいなもので、本当に危険な場所かどうかの判断がつかなくなっている。 また、本当に危険な箇所なら、「スピード落とせ!」と言う前に、スピードが出せない ような道路の構造を工夫すべきだ。

お役所なんてのは、つぶれる心配がないだけに、仕事の質に関しては極めて いいかげんに考えている。税金を使っているにも関わらず、その使い方の 良し悪しはほとんど問題にされないことが多い。

例えば、交通事故対策の策定を民間の複数の業者に委託して、効果の出ない業者は どんどん切り捨てていく、としたら、もっと実態に即した対策が打てるに 違いない。もちろん、警察が抱えて絶対に外に出そうとはしない、交通事故の 実態のデータの公開が必要なのは言うまでもない。もし、公開を原則としたら、 「スピードの出しすぎ」とか「ハンドル操作の誤り」とかいう、当たり前過ぎる 事故原因ではなく、「道路構造の○○に問題があり、スピードが出過ぎた」と いった、より本質的な事故原因が究明されるだろう。いや、交通事故原因の調査・ 分析も民間委託しても良いくらいだ。せめて、自動車メーカーなども入れた 第三セクター方式の団体でも作れないものだろうか。

また、事故そのものの原因究明も大切だが、事故の結果、重症者や死亡者が 出た場合、その原因究明も大切だろう。例えば、ダイアナさんの事故の 場合、彼女が仮にシートベルトをしていたら、かなりの確率で助かったのでは ないかと、個人的には考えているのだが、そういった議論はほとんど見られない。 その結果、後席におけるシートベルト着用の重要性は、未だに充分には認識 されていない。タクシーに乗ると後席のシートベルトのバックルは隠されているし、 テレビドラマや車の CM でさえ、後席でシートベルトをしていない光景を放送して 平気な顔をしている。政治家のセンセたちで、黒塗りの車の後席でシートベルトを している姿は見たことない。

さらに、車の構造上の問題で重症に至ったり、死亡したりということもあるはず だが、それも全然明らかにされない。最近は各社とも衝突安全ボディを売り物 にしているが、ちゃんちゃら可笑しいのが少なくない。某社のディーラーでは、 「この XXXXX は、衝突したときの A ピラーの変形はメルセデスの C クラス よりも少ない」と自慢していたが、XXXXX という車はまともに座ろうとすると、 頭が A ピラーに極めて近づいてしまうので、ちょっとした変形でも頭部への ダメージは避けられないのだ。つまり、A ピラーの変形量自体はメルセデスの C クラスよりも優れているのかもしれないが、乗員の受けるダメージはそうとは 限らないということだ。こんな初歩的なことを解決せずに、衝突安全ボディ とは笑わせる。そして、この手の話はまだまだ色々とあるのだ。

なんだか話が様々に飛んでしまったが、要するに、このような状況を放置しておいて、 交通安全週間などという、効果のほどが明らかでないものにお金を使うのは、 やっぱりどこかおかしいと思うのである。






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