1998年4月14日

絶対に勝てないケンカ


昨日の件はちょっと恥かしいことになりましたが、これ以上深入りしませんです。

でも、その話にはちょっとしたオチがあります。

Re: に関して、メールで教えて下さった方がいらっしゃるのですが、その方に お礼のメールを出そうと思い、つらつらと礼状をしたためて「送信」ボタンを 押しました。

フリーズしてしまいました。

因みに、Windows95 で Netscape Messenger 4.05 を使ってます。Messenger を 殺して再起動して、再度メールを書いて送信しても、またフリーズ。Windows を 再起動してもダメ。他のメールは送信できるのに、お礼のメールだけは、送信しよう とするとフリーズしてしまいます。

ほとほと困り果ててしまいましたが、そこであることに気が付きました。その方 からのメールの件名は「re は re なんですけど」でしたので、私のお礼のメールの 件名は「Re: re は re なんですけど」になってます。これはクサイ。なにがクサイか というと、「Re: re」と続いていることです。Re でも re でも、メールを扱う プログラムにとっては特別の意味を持つ文字列です。それが続くことで、動作が おかしくなるのかも、と思ったわけです。

そこで、お礼のメールの件名を変えて送信してみました。

送信出来ました。

まあ、きちんと調べたわけじゃないので、「Re: re」のせいでフリーズしたか どうかは断言出来ないのですが、件名を変えたとたんに送信出来るようになったことは 事実です。

というわけで、いいかげんな事を言った罰として、高樹には「Re: の呪い」 がかかっていた、というお話でした。


さて、本題。懲りもせず、また電車ネタです。このホームページを始めてから、 電車の中で、ネタになるような出来事に遭遇することが多くなったような 気がします。日常生活の中で、ネタを無意識のうちに探しているから かもしれませんね。

さてさて、数日前、私は仕事を終えて家路を急いでいました。時計は 22 時を まわっています。私は電車に乗り込み、混雑を避けるために入り口付近に 立ち止まらず、奥に入って吊革につかまりました。

その駅は始発駅でしたので、発車までは少し時間がありました。何をするでもなく、 スケベなことを考えてニヤニヤしていた(←この部分フィクションです) 私の耳に、

ドーーーン!!

という大きな音が聞こえて来ました。音は車内から聞こえているようでした。 何か重い物を床に落としたか、壁に固い物を打ち付けているような音です。

何だろうと思い、辺りを見渡しましたが、その音の正体はわかりません。何か のアクシデントなら、車内がざわついた雰囲気になると思うのですが、平静な ままです。

すると、さらに、

ドン! ドン! ドン!

という音が。そして、その直後には、

「ってやんでぇ、バカヤロー!」

というような声も聞こえてきました。このセリフは実はよく聞き取れなかった のですが、まあ、そういったことを叫んでいるようでした。

「お、ケンカか?」と思いましたが、どうも違います。騒がしさがないのです。

その後しばらくは、何の音もしません。私は音のした方向を注目して、次の展開を 待ちました。

すると、またしても、

「ンガロー、ビャ!!」

というような、聞き取り不能な声とともに、

ドーーーン!!

という音がしたのです。今度ははっきりと分かりました。電車の入り口のドアの 反対側のドアと座席で囲まれた一角(そこを好む人っていますよね)に立っている、 サラリーマン風の男が、意味不明の叫び声を上げながら、ドアのガラス窓を殴り つけていたのでした。

その殴り方はハンパな強さではなく、あの丈夫なガラスが割れても不思議はない くらいです。拳を怪我するんじゃないかと思いました。

その彼(30 才位に見えました)が何故、怒鳴ってガラスを殴っているか、という ことが問題ですが、私が見たところ、それはどう見ても、

窓ガラスに映る自分とケンカしている

ようにしか見えないのです。彼は窓ガラスの中の自分にインネンをつけて、殴って いるのです。

言うまでもなく、変なヤツです。お前は か? と言いたくなりましたが、言いたくなっただけです。

彼の向いに立っているサラリーマン風のおにいさんは、非常に冷静な表情で 彼を観察しています。「今度はどんな面白いことをしてくれんだろう」と 思っているかのようです。

そうこうしているうちに、電車が発車しました。しかし、彼は相変わらず、 時々意味不明な罵倒とともに、窓ガラスの中の自分への攻撃を続けています。

しかし、その攻撃に変化が表われました。殴ることをやめて、蹴り主体の攻撃に なったのです。きっと拳を痛めたに違いありません。蹴りの場合、さすがにガラス窓 までは届かないようで、爪先で仮想向う脛を蹴ったり、膝で仮想金的を蹴ったり、 といったバリエーションです。つまり、ドアの金属部分への攻撃です。それも かなり強い攻撃で、やはり爪先や膝を痛めても不思議ありません。

彼が何に怒っているのか、なぜドア(仮想自分)に攻撃を加えるのか、誰も 知るよしもありません。

多少うるさくはありますが、周りの人にからむわけでもなく、紳士的と言えなくも ない態度です。おそらく酔っているのだと思われますが、ほとんどフラフラして いません。ドアに蹴りを入れても、よろめいたりはしないのです。

電車は次の駅に着きました。彼はここで降りようとしましたが、自分とのケンカに 夢中になっていて、降りるタイミングが遅れました。つまり、降りる人が全て 降りて、ホームで待っていた人達が乗り込んでくる時に、出口に向ってあわてて ダッシュしたのです。

当然のように、乗り込んで来た人達とぶつかります。その中で、かなり体格のよい 体育会系のおにいさんには、モロに正面からぶつかってしまいました。おにいさんは、 ムッとした顔で彼を睨みます。

さあ、今度は本物のケンカになるか、と思いきや、彼はそれまでの意味不明の 罵詈雑言とはうって変わって、明瞭で丁寧な言葉使いで、

「あ、どうもすみません!」

と謝ったのです。やはり、さほど酔っていたわけではなさそうです。体育会系の おにいさんも、下手に出て謝っている彼をそれ以上どうこうすることもなく、 彼は無事ホームに降り立つことが出来ました。

彼にとっては、勝てないケンカはしない、ということなのかもしれませんが、 それなら、窓ガラスに映った自分とのケンカはなんなんだ? 体育会系のおにいさん に勝てない以上に、仮想自分には勝てるわけがないのに・・・

ホームには、ドアへの攻撃で痛めた足を引き摺りながら歩く、彼の姿が ありました。






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