1998年9月5日

350cc 缶の謎


青酸入りのウーロン茶の話ではありません。

新幹線を利用して出張するときなど、発車前に雑誌とかおやつとか飲み物を 買ったりしますよね。別に出張でなくてもいいですし、新幹線でなくても いいんですが。

私はいつも思うのですが、JR 駅構内の自動販売機には、何故 350cc の 缶飲料がないのでしょうか?

あるのは 250cc の缶か、200cc 位の缶コーヒーだけ。KIOSK でも、500cc の ペットボトルはあるけど、350cc はありません。

喉が渇いているときは、250cc では足りませんし、かといって 500cc のペット ボトルでは、ややもてあましそうだし、高いし、品数も限られているし、なんて いう状況は珍しいことじゃないですよね?

これ、東京圏だけでしょうか? 少なくとも東京圏の JR 駅では、私は 350cc 缶を見たことがありません。

いうまでもなく、我々が町中でよく目にする自販機では 350cc 缶が主流です。 250cc 缶なんて見ることはほとんどありません。250cc 缶を目にするのは、 JR 駅の他は、ホテルのミニ・バーとか、観光地とかです。

それらの場所に共通しているのは、「他に選択の余地がない」ということですね。

町中では、すぐ近くに他社の、あるいは他店の自販機があって、そこに 350cc 缶 があれば、ユーザはそちらを買うでしょうから、必然的に 350cc 缶を入れざるを 得ないのでしょう。普通に競争原理が働けば、そうなります。

ところが、駅構内では誰でも勝手に缶飲料の販売が出来るわけではありませんから、 競争原理は働かず、ユーザの要求よりも、売り手(メーカーと自販機設置場所の 管理者)側の論理が優先されてしまうのではないかと思います。

おまけに、JR では「大清水」なんていう缶飲料を販売しています。ミネラル・ ウォーター、コーヒー他、何種類かあります。で、その「大清水」もまた、 当然ですが、250cc 缶しかありません。

250cc も 350cc も同じ価格で売っていますから、常識的に考えて 250cc 缶の ほうが儲かるはずです。原材料費も流通コストも安く上がりますからね。

つまり、JR は 250cc の「大清水」で儲けたいがために、他のメーカーの 350cc 缶を閉め出している、と想像出来ます。もしかしたら、他のメーカーに とっても、250cc のほうが利益率が高く、それを歓迎しているのかもしれませんが、 仮にそのメーカーが「ユーザは 350cc を望んでいるので、350cc を置きたい」 と言っても、JR は「それはまかりならん」ということでしょう。

缶ビールの場合は、JR で競合製品を作っていないので、我々が普通に目にする 350cc 缶と 500cc 缶を置いてありますから、やはり、清涼飲料に関しては JR のなんらかの意志があると考えてよろしいでしょう。少なくとも、勘繰られる だけのことはあります。万人が納得出来るような理由があれば、是非とも 聞かせて頂きたいものです。

全くもってけしからん話です。クローズな、競争原理が働かない環境を作って、 そこでユーザの嗜好を無視した商売をする。当然、それはより大きな利益を 生むわけです。

日本人はなんでこういうクローズなことが好きなんでしょうね。缶飲料と 似た話では、高速道路のサービスエリアのレストランがありますし、 ゼネコンの談合も、ハイカの話も、大手銀行に一律 1000 億円という話もみんな、 競争原理を排除したクローズな環境で、自分達だけ甘い汁を吸おうとしている、 という点では一緒です。

この、日本人の「クローズ好き」が、今の経済破綻の根底にあるような気が します。お役所が情報公開に後ろ向きなのも、日本人の価値観の 底に、「クローズ=つつしみ深い=善、オープン=はしたない=悪」という 考え方があるからでしょう。

そんな価値観は、国際舞台では通用しないことは議論の余地はないのですが、 この当たり前のことでも、いざ自分が当事者となると、結局はクローズ路線 を取ってしまうのですね。

なんともはや・・・・






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