1998年9月16日

怪奇! サタンの足の爪


先日の夜、渋谷のセンター街をブラブラと歩いていたときのことです。

私の前をトボトボと歩くおにいさんが一人。道の左端を歩いています。

身長 165cm 位、黒っぽいタンクトップに短パン、ガッチリした体格です。 どことなく薄汚れていて、腰フラおじさんを 連想させるものがあります。住所不定、無職の方かもしれません。

で、そのおにいさん、歩みがのろいのです。足を怪我でもしているかのように、 そろそろと歩いています。どちらかの足を引き摺っているのではなく、 一歩一歩が苦痛をもたらすかのように、慎重にゆっくりと足を運んでいるのです。

当然、普通の人の流れからはとりのこされてます。センター街は人通りの激しい ところなので、はっきり言って邪魔です。とはいえ、もし足を怪我でもしているのなら、 そうそう文句も言えないところではあります。

私は彼の後ろを歩きながら、向こう側から歩いて来る人達の流れがとぎれるの を待っていました。もちろん、彼を追い越して行くためです。

その時、私の目に何やら異様なモノが飛び込んで来ました。

彼はサンダル履きだったのですが、その彼の足元が普通の状態ではなかったのです。 包帯でグルグル巻きになっていたのではありません。

私は一瞬、彼の足、正確に言えば彼の足の指から、木の小枝が生えているのでは ないかと感じました。両足ともです。

よくよく見ると、足の指から小枝が生えているわけもなく、それはなんと 足の指の爪だったのです。

長いです。指先から最低でも 5cm は伸びています。両足の十指全てがそういう 状況です。さらに、各爪の先端は反り返ったり、ささくれだったりしています。 さらにさらに、それだけ長い爪をどこかにひっかけたり、ぶつけたりするので しょう、指から血がにじんでいるところもあります。

それらの爪の指先に出ている部分は、妙に明るい茶色で、それが木の小枝の ように見えたのでした。

以前書いた「爪を伸ばす男」は、手の爪の ことでしたが、足の爪、それも十指全部を伸ばしている男も実在したのです。

いやあ、気色悪いです。「ビックリ人間大集合」なんていう番組に、時々 手の爪を伸ばしている人が出てきたりしますが、それ以上に気色悪いです。

きちんと手入れしてあればまだしも、反り返ったりささくれだったりしていて 醜悪です。ふと、「サタンの足の爪」という言葉を思い出してしまいました。 それほど禍々しい状態だったのです。いや、 けっこう仮面に出てきた「サタンの足の爪」は禍々しくはなかったですけどね。

それはともかく、あの状態では、靴下も靴も履けません。裸足でサンダルや草履を 履くしか選択の余地はありません。それでも、どこかに爪をひっかけたりしない ように、そろそろと歩かなくてはならないのです。

彼は何故そんな不便な思いをしてまで、足の爪を伸ばしているのでしょうか。 全くの謎であります。自分の足の爪に愛着を持って、きれいに伸びるように 手入れをしている訳でもなく、伸ばしっぱなしです。本当に謎です。

私は道の左の端を歩く彼を追い越して、さっさとその場を立ち去りました。

そうそうこの話、一応オチがあるんですが・・・・

分かりました?

彼は道の左の端を歩いていたので、「左端(サタン)の足の爪」ということで。

失礼しました・・・






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