| ナースさおりの「センセ、お注射してして!」 |
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高樹センセったらまた遅刻? 診療時間まであと 5 分よ。まったくもう、 朝起こしてくれる人がいないと起きれないのかしら。 今度、私が起しに行っちゃおうかしら。あ、でも私も寝坊しちゃうといけないから、 前の晩から泊りこまなきゃ。いやんいやん。 ああ、私は さおり、高樹小児科医院のナースよ。ときどきは「てんし」なんて 名前も使うわ。なにせ殿方あこがれの「白衣の天使」ですからね。おほほ・・・ でも、ここは小児科、いいオトコとの巡り会いはないのよね。 あ、センセが来た。 「センセ、おはようございます」 「あ、ああ、おはよう、早いね」 「私が早いんじゃなくて、センセが遅いんです!」 「ふむ、そうか・・・・、そうだな、うん」 センセはまだ寝惚け顔。ノロノロと椅子に腰掛けて、さっき私が出しておいた カルテに目を通してる。 でも、私は見逃さなかったわ、いや、聞き逃さなかったわ。センセが座る瞬間、 「ブッ!」という音がしたのを。 センセは何食わぬ顔をしてるけど、絶対にあれはオナラね。もしかしたらセンセ、 わざとやってるのかしら、この前もしていたわ。 私のモトカレがそうだったのよね。いつも私の前でオナラして、私の愛情を試して いるみたいだったわ。ええ、私は平気よ。好きな人ならね。気を使わないでやって くれたほうが好き。 それでね、モトカレの与える試練はオナラだけじゃないの。わざと大きな音でハナを かんだり、私の見ている前でハナクソほじったり、鼻毛抜いたり、耳を小指で ホジホジして、フッと吹いたり。 もちろん私は平気よ。愛情があれば。耳垢なんかは大好き。あ、違う違う、耳垢が 大好きじゃなくて、耳掃除してあげるのが大好き。もちろん、膝枕でね。うふっ。 それでカーカー寝ちゃったりしたら、ほんとカワイーって感じ。チョー幸せな 気分になるわ。 ああ、懐かしい。彼は今どうしてるかしら。一番大好きな人だったわ。 いつかセンセの耳も掃除してあげたいな。でも、私、湿った耳垢は嫌い。センセの 耳垢が湿ってたらちょっとブルー。 あ、いけない。患者さん呼ばなきゃ。 「○○さん、お入りくださーい」 若くて綺麗なおかあさんに連れられた、こうたくんが入ってきました。 「こうたくん、今日はどうしたのかな?」 なんて言ってるけど、センセったら、こうたくんじゃなくておかあさんのほうに 興味があるみたい。まあ、いつもの事だけど。 「ゆうべから風邪をひいたみたいで、熱も少しあるようです」 「さあ、こうたくん、ぽんぽん出してセンセに見てもらいましょうね」 「いやじゃ、しゃおりせんせいに見てもらうんじゃ!」 こうたくんはいつのまにか、私の名前を覚えている。 「私は先生じゃないのよ、高樹センセに見てもらいましょうね」 「いやじゃ、しゃおりせんせいがええ」 まあ、おませさんだこと。 「いいこだから、私の言うこと聞いてね」 と言って私がこうたくんの前にしゃがみこんだその瞬間、 「ヘプシュ!!」 こうたくんのハナミズが私を直撃。 でも、もちろん私は平気よ。愛情があるから。(泣)
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