国旗と国歌の法制化が検討されています。
国旗と国歌を法律できちんと定めておこう、ということ自体は、大変結構な
ことだと思います。
今まで、そういう法律がなかったことが、ある意味ではおかしなことです。
そして、法的な根拠もないことを卒業式で強制するのは、もっとおかしなこと
だと思います。
さて、国旗と国歌の法制化自体は良いことだとは思いますが、日の丸が国旗か、
君が代が国歌か、という問題、そしてその法律で何を定めるのか、ということは、
もちろん別の問題です。
私は、日の丸を国旗とすることには賛成です。かつて日の丸のもとに侵略戦争が
行われたことを理由に、新しい国旗を作るべき、という主張をする人もいますが、
そういうネガティブな部分もひっくるめて、日の丸を国旗と認めるべきだと
思います。
ネガティブな部分から目をそらして、表向きだけきれいに飾るようなまねをしても、
侵略戦争(異論はあるかもしれませんが、そういう主張をする人は侵略戦争と
みなしています)の事実が消えるわけでもないし、侵略戦争にたいする反省の意を
示していることにもならないと思います。
それに、日の丸はシンプルで美しいデザインだし、「日本」という国名を
非常によく表しています。あれ以上のデザインはちょっと出てこないのでは
ないかと思います。
一方、君が代ですが、君が代の一番の問題点は歌詞ですね。あの歌詞はどこをどう
解釈しても、日本国憲法の定める主権在民とか象徴天皇に反しているような気がします。
確かに、慣習的には国歌として定着しているのは認めますが、あの歌詞はどうにも
違和感がつきまといます。
ということで、私は君が代を国歌とすることには反対であります。
もうひとつ、些細なことですが、あのメロディーは、スポーツの試合前には
ふさわしくないと思います。ファイティング・スピリットを高揚させるどころか、
脱力させてしまいそうな気がします。もっとも、国歌がいさましい必要はないので、
スポーツ用の第二国歌のようなものがあってもいいのかもしれません。
さて、国旗と国歌に関する法律で何を定めるべきか、という問題があります。日の丸
と君が代の是非は別として、私は基本的には、国旗と国歌の定義、そして、
国あるいは国立の組織での行事や儀式における、国旗と国歌の扱いを定めるだけで
充分だと思います。
私的な機関や組織にまで、国旗と国歌を「〜しなさい」と強制するのは、明らかに
行きすぎでしょう。
ただ、強制されないまでも、法律で国旗と国歌が定義されれば、それを根拠にして、
例えば高校の卒業式で国旗を掲揚して国歌を斉唱する、なんていうことが行われ
やすくはなるでしょう。
でも、私はそれはあまり深刻に考えていません。
我々個人には国旗に背を向けたり、国歌斉唱の間、口をつぐんでいる自由が
あるはずですから。
万一、そういう自由が認められないとか、例えば国旗を破いた場合に、
単なる器物損壊以上の罪に問われるとかいう内容が、その法律に盛り込まれると
したら、私はそれには断固反対です。