1999年3月21日 Linux World


先週の木、金と有楽町の国際フォーラムで Linux World という催しがありました。

木曜日に近くまで出かける用事があったもので、ついでにちょっと覗いてみました。

時間がなかったのでコンファレンスは受けずに、展示を見ただけでしたが、 いやはや大混雑でした。

展示会場が狭かったせいもあるのですが、朝の新宿駅のような混雑で、歩いて 会場を一周するだけでも疲れました。

Linux というのは UNIX ライクな OS で、フリーで入手でき、ソースコードが公開 されているので、世界中のエンジニア達がよってたかって手を入れて、どんどん改良 していき、あっという間に広まりました。

実は恥ずしながら、Linux を触ったことがなかったので、会場に展示してあるマシン をちょっと触って見ました。ちょこちょことコマンドを叩いた感じでは、BSD 系の UNIX に近くて、ところどころに System V 系 UNIX の形跡が見られるという感じ ですね。(あまり信用しないように、ちゃんと調べたワケじゃないので)

UNIX という言葉を使うには、法務的な問題があって、「Linux は UNIX である」 ということには出来ないのでしょうが、実態は完全に UNIX ですね。 「UNIX ライク」ではなくて UNIX です。

会場で交される会話を聞いていると、Linux を「リナックス」と発音する人が ほとんどでした。たまに「ライナックス」とか「リヌクス」とか言う人もいましたが、 少数派です。

えんどーさん から聞いた話では、米国では「リヌェックス」という感じが多いらしいです。 日本におけるカタカナ表記としては、「リヌックス」か「リヌクス」がよろしいのでは、 と思うのですが、もう「リナックス」の流れは止められませんね。

私自身は「リヌクス」と呼んでいたのですが、周囲はほとんど「リナックス」です ので、つられて「リナックス」になりつつあります。ちょっと悲しいです。

さて、この大盛況の Linux World ですが、案の定というかなんというか、かなり いかがわしい部分がありました。

何かがブームになると、みんなでワーワー騒ぎ立て誤解が広まっていく、という いつものパターンです。Windows 95 の大騒ぎも Java の時も、今回の Linux も 騒いでいる連中の 90% 位は勘違いで動いているような気がしてなりません。

Linux の意味や、どのような場面でどのように Linux を使うべきか、という ことをほとんど考えていないか、考えていたとしても、どこか勘違いしている人が 多いように感じました。

Linux のフリーな思想や、オープンソース、そしてさらに言えば、「OS は一企業の 所有物ではなく、インフラであるべき」という思想には共感します。

しかし、なんでもかんでも Linux になるわけもなく、そうする必要もないのです。 ま、そんなのは当たり前で、ほとんどの人が分かっているでしょう。でも、じゃあ、 Linux はどこでどう使うべきなのか、という問いに明確に答えられる人は、どれ だけいるでしょう?

もちろん、これはひとつの答えがあるべきものではありません。色々な人が色々な 立場で考えればよいことです。でも、それをほとんど考えていない人(特に展示して いる側)が多いように思います。

私は Linux は Windows NT Server の代替という意味付けが大きいと考えてます。 少なくとも現状においては。他にも色々と意味のあることは多いでしょうが、 市場の大きさでいえば、Windows NT Alternative が一番でしょう。

しかし、とあるブースの説明員の言葉では、

「うちは Windows NT のサーバを扱ってますが、お客様のご希望があれば Linux をインストールしますよ」

はい、お客様は神様ですからね。

でも、そのお客様だって確たる理由があって Linux を求めているかどうかは分からない のですよ。おそるべきことに、「はやりだから」とか「上の決めたことだから」、 せいぜいでも「タダだから」とかいった程度の理由付けしかないことは、珍しくも ないでしょう。

あなたの会社では、どっちがいいと考えているのでしょう?

「弊社では、非基幹系業務用の小規模なサーバには Windows NT よりも Linux が適していると考えていますので、そのような場合は基本的に Linux をお薦めして います」

このくらいのことを言いきれるならよろしいのです。Windows NT サーバのビジネスと Linux のビジネスを両方やっていて、その二つの長所短所や向き不向きを明らかに せず、「お客様のご希望」なんていう言葉でお茶を濁しているのは、何も分かって いない証拠です。もちろん、個人レベルでは分かっている人もいるのでしょうが、 会社としては「分かっていない」のです。

とりあえず Linux のビジネスを始めれば、何となくカネになりそうだ、ということで、 良くは分からないのですが、あれこれとやってみました、という感じの展示が 非常に多かったですね。

カネ儲けを考えることは悪いことじゃないけど、もっとしっかりとしたビジネス・ プランはあって然るべきだと思いますね。

昔から Linux を真面目にやっている方から見ると、今の軽佻浮薄なブームには 乗りきれないものを感じていることでしょう。

とは言え、世の中こんなものです。とにかく勢いだけはありますから、この 勢いは生かして、勘違いしている人は早く勘違いに気付いて、健全に Linux の 世界を盛り上げていって欲しいものであります。








ここを押すと、私宛てに空メールが届きます。

日記猿人の投票ボタンです。よろしければ、

を押してください。
投票には登録が必要です。まだ登録されていないかたは、 こちら で。




ご意見、ご感想などは fwjd1945@mb.infoweb.ne.jp までお願いします。

HOME    BBS