1999年3月24日 モザイクはずしと PlayStation2


みやちょさんの 3/23 の日記を読んで、私も一言。

何を隠そう、私は画像処理の専門家であります(嘘です)。

JPEG のアルゴリズムは、私が学生時代に書いた論文がもとになっています(もちろん、 嘘です)。詳細を述べると、DCT(離散コサイン変換)がどうのこうのと(これは、 ほんとです)、めんどっちい話になるので省略。

JPEG が実用段階に入ったころ、私の頭の中には次の研究テーマがありました。 (しつこいようですが、嘘です)

それは、いかにして「はずせるモザイク」を実現するか、ということです。

純粋に技術的な見地からすると、「はずせるモザイク」を実現することは極めて 容易です。デジタルな静止画の世界では、何の苦労もなく実現できます。

しかしながら、そうした「はずせるモザイク」をかけたエッチ画像を流通させて、 それを見た人々がモザイクをはずして、個人的に楽しむことを、日本の法律に 触れないように実現することが難しかったのです。

私の興味はもっぱらそこにありました。

ところが、そんな私の苦労を横目に、FLMASK およびその類似技術が登場して しまったのです。

私は頭を抱えてしまいました。「このままでは、きっとこの技術は取り締まりの 対象となってしまうかもしれない・・・」と。

案の定、そうなってしまったのは、皆さんご存じの通りです。

あの種の技術はシンプルで、実装が容易で、マスキングも復元も最小の演算量で可能で、 その意味では非常に優れていたのですが、法律的な部分への対策が、あまり考えられて いなかったのです。マスクをかけて、モロ見えにはなっていないからOKだろう、 という程度の考えだったわけです。

ところが、そのマスクを誰もが容易にはずせることから、当局はマスク画像も 猥褻であるとの判断をしたのです。

私はその危険性を予測していましたので、「不特定多数の人にははずせないが、 特定個人にとっては容易にはずせる」マスキング技術を研究していたのです。

その詳細をここで述べる訳にはまいりません。ヒントを申し上げるとすれば、 「公開鍵」の技術を応用するということです。カンのいい方は、おおよその想像が つくかもしれません。

この技術を仮に X-Mask と呼ぶことにしましょう。

X-Mask は静止画に対しての実装は簡単です。FLMASK と似たようなものでしょう。 しかしながら、動画に対しては問題が残ります。つまり、演算量が膨大になりすぎて、 インタラクティブな処理が事実上不可能なのです。

そうです、X-Mask は静止画だけではなく、動画も視野に入れた技術なのです。

動画に対する問題点とは、例えば X-Mask を施した MPEG-1 画像に対して、 MPEG-1 デコーディングと X-Mask 除去の処理を行うと、現在の CPU では圧倒的に 能力不足なのです。

MMX 拡張命令を有効に利用しても、まだ足りません。

そこで、私が今注目しているのは、PlayStation2 です。PS2 に搭載される予定の Emotion Engine では 128bit の SIMD(Single Instraction Multi Data) 型の 命令セットが用意されており(MMX は 32bit)、おまけに MPEG-2 デコード回路も あります。

これは使えそうです。メモリ搭載量が少ないのが気がかりではありますが、 私の試算では、充分に X-Mask 除去の処理が可能です。画像処理には SIMD 型の 命令は非常に役に立つのです。

近い将来、PS2 上で X-Mask を施した ADVD(Adult DVD) が流通し、我々は家庭で X-Mask を除去した画像を楽しめることでしょう。


さて、結構ほんとっぽい嘘でしたね。

因みに、PS2 の仕様に関しては事実ですよ。そして技術的には、Emotion Engine によって、あたらしい動画像処理の可能性があることも、そのとおりだと思います。








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