2000年3月1日 おそるべし、おじさん軍団


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久々の電車ネタです。

昨日の帰り、終電まであと数本といった時間帯でした。ボケーっとしてスケベなことを考えて いた私の耳に、なにやら言い争っているような声が聞こえてきました。

「うるせーなぁ!」

若い男の声です。その声の方向に目をやると、この寒いのに T シャツ一枚で痩せ我慢している 20 歳位の若者が。

「お、ケンカか?」とざわつく車内。

どうやら、若者が車内で携帯電話を使っているのを誰かが注意したらしく、 それに対して若者が「うるせーなぁ!」と声を荒げたようです。

「人にぃ〜、迷惑がかかるようなことわぁ、やめなさい」

この人が注意した人のようです。言っていることはごもっともですし、特にケンカを売って いるような激しい口調ではないのですが、ロレっています。つまり、酔っぱらいです。 50 前後のサラリーマン風のおじさんでした。

「うるせーって言ってるだろ!」

と返す若者。すると、

「うるさいのはあんただよ!」

と、別のおじさんが応援に乗り出して来ました。もちろん、酔っぱらいです。彼は続けて、

「あんただけがうるさいんだ。周りはみぃ〜んな迷惑してるんだ」

するとすると、さらに応援するおじさんが現われてきたのです。

「そうそう、あんた(若者のこと)がうるさい。うるさいことは外へ出てやってくれ」

もちろん、この新規参入のおじさんも、口調から明らかに酔っぱらいとわかります。 ただし、誰もケンカ口調にはなっていません。飲み屋で若い部下を説教するような調子です。

「そうそう、外へでろ〜! だな」(多分、2番目のおじさん)

「うん、外だ外。次の駅で降りよう、あんたも(若者)降りなさいよ」(多分、最初のおじさん)

「よし、みんなで外に出よう、よしよし」(新規参入の4番目?)

何故か、携帯の若者の周囲はよっぱらいおじさんが囲んでいたらしく、あっという間に、 若者はよっぱらいおじさん軍団の包囲網にかかってしまったのでした。このおじさん軍団は たまたま乗り合わせただけで、職場の同僚などではなさそうでしたが、みんな若者の 携帯電話に不愉快な思いをしていたらしく、あっというまに一致団結してしまったのです。

おじさん達の口調はのーんびりとしたものです。決してケンカ腰ではありません。よっぱらい 特有の巻き舌が入った口調でたんたんと語っているのです。

ケンカかと思い緊張していた周囲の雰囲気は既に一変しています。みんな、笑いをこらえるのに 必死になっています。

その後の状況は、別の意味で修羅場でしたね。おじさん軍団が口々に勝手なことを言うのです。

「ぼかぁねぇ、ケンカを売っているんじゃないんだよぅ。みーんなに迷惑がかかることはいけない、 って言ってるんだ、なっと」

「うんうん、きっと君(若者)には負けちゃうよ。うん、ケンカしたら負けちゃうね」

「ぼくら日本人じゃないか。礼節をわきまえて・・・、うん、そういうことなんだ」

「次の駅で、みんな降りよう。な? いいだろ? ケンカじゃないよ、話し合いだから、うんうん」

どの発言が誰のものなのかは、定かではありませんが、こんな調子でよっぱらい発言が 続いていました。若者は予想外の展開に固まってしまい、一言も発することなく、おじさんたちの 言葉に曖昧に頷くだけです。

私の隣りに立っていた OL さんが、ブフッと吹き出すのが聞こえました。後ろに立っている カップルもクスクス笑っています。もちろん、私も笑いをこらえきれません。

さて、とうとう次の駅に到着です。

「ん? 間違えたなぁ・・・この次の駅だ、うん、この次、この次」

「おお、そうそう、この次この次」

どうやら、「次の駅で降りる」というのは、乗り換えのためのようです。

さて、そんなことを言っているときに、女子大生風の若い女性が乗り込んできました。

「もしもし、これから電車に乗るから、一旦切るね。あとでまた電話するから、うん、じゃあね」

という声が、私にもはっきり聞こえました。ホームで待っているときに携帯で話していたので しょうが、電車に乗るので一旦切ります、と言っているのです。

これを見逃すおじさん軍団ではありません。

「お嬢さん、偉い! 君(若者)も見習いなさいよ」

「日本の女はこうでなくちゃね。うん、ヤマトナデシコ」

「ぼかぁ、感動したなぁ」

お嬢さんもさぞやびっくりしたことでしょう。もちろん、彼女も固まってしまいました。

さて、その次の駅に着きました。

「さ、降りよう降りよう」

「2次会に行くぞ〜!」とでも言っているような口調です。

携帯の若者も、おじさんたちもぞろぞろと降りて行きます。みなさん、ここで乗り換えのようです。

私は乗り換えではなかったので、車内に残ったのですが、正直言って、彼らの後を付いて行きたい 気持ちもおおいにありました。

さあ、若者とおじさん軍団はその後どうなったのでしょう?

乗り換え電車の中でもえんえんと説教漫談が続いたのか、おじさん軍団が意気投合して 飲みにいったのか・・・







                        
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