2000年3月11日 両手に花


先日のことです。夕方になって、職場の同僚で「今日は飲みに行こうか」なんていう話が 持ち上がりました。職場の同僚でありますが、おじさんばかりのメンツでは ありません。私を含めて、男2、女2というバランスのとれた構成です。

その女性二人を、A子さんとB子さんとしておきましょう。A子さんは 30 過ぎで既婚、 B子さんは 20 代後半で未婚です。もう一人の男はCさんとしておきましょう。

で、夜7時を過ぎた頃、「そろそろ出掛けようか」となったのですが、ちょうど 支度が整ったあたりで、Cさんに電話です。脇で聞くともなく聞いていたところ、 仕事の電話でして、それもちょっとこみいった話のようでした。

Cさんは我々のほうを見て、「先に行ってくれ」というような合図。それでは、 ということで、私とA子さんB子さんの3人で、一足お先に出掛けることに しました。

会社のエレベータに乗っていると、突然B子さんが、

「高樹さん、両手に花ですね。いいでしょ?」

私は言葉に詰まってしまいました。こういう時に言葉に詰まるのはよくないことだと、 充分に理解してはいるのですが、ちょいと余計なことを考えてしまったばかりに、 結果的には、返す言葉に困っていたのでした。

B子さんはすかざず、

「あぁーー、花とは思ってないんだ」

と糾弾します。私が言葉に詰まったのは、そんな単純なことではないのです。 実際、私はB子さんの密かなファンですし、A子さんだって充分に花であります。

「いや、別にそういうわけじゃなくて・・・」

と、私は言い訳しましたが、今度はA子さんが突っ込みを入れて来ます。

「もっと若い娘が好きなんでしょ? 私くらいの歳になると花とは呼べないわよね」

「いや、だから、そうじゃなくて・・・・」

やましいところはないのですが、ややタジタジとなってしまう私。

「なによ」(A子)
「なに?」(B子)

ほんと、花と思っていなかったから言葉に詰まったわけじゃないのですが、 彼女らは既にそう決め付けてます。ちょっとコワイです。

ギャグで「両手じゃなくて片手だな」などと言おうかとも思いましたが、 事態がさらにややこしくなるのでやめといて、言葉に詰まった本当の 理由を言うことにしました。

「両手に花、というのには異存ありませんよ、ほんと。でもね、摘めない花に どれだけの価値があるんだろう、って考えていたんだな」

「何それ?」

と不思議そうなA子さん。B子さんは意味がわかったらしく、ケラケラ笑っています。 A子さんはこういう話題には強くないのですよ。はっきりと分かりやすく言わないと ダメなのです。

「社内不倫はいけないよな」

A子さんは「摘めない」の意味をやっと理解したようです。

「社内じゃなくても不倫はいけません!」

いや、まあ、そうですけどね。

B子さんはウケてくれたんだから、A子さんも、もう少し広い心で「摘んでもいいのよ」 などと言ってくれても、と思ったのですが、口に出すのはやめました。実際のところ、 A子さんはそういう方面では潔癖ですので、この手の軽口は期待できないのです。

B子さんが笑ってくれたことが唯一のなぐさめではあります。

男性読者のみなさま、類似の場面に遭遇したときは、「確かに両手に花だけど、 摘めない花には価値がないなあ」などと言ってみましょう。







                        
ここを押すと、私宛てに空メールが届きます。
一言あればどうぞ。

                        
日記猿人の投票ボタンです。
よろしければ、

を押してください。
投票には登録が必要です。
まだ登録されていないかたは、
こちら で。



ご意見、ご感想などは fwjd1945@mb.infoweb.ne.jp までお願いします。

HOME    BBS