唐突ですが、私は霊の存在を信じてはおりません。より正確に言うと、
「霊とはこれこれこういうものである」という定義がはっきりしないので、
信じているとも信じていないとも言えないのですが、一般の人の思うところの
「霊」という概念の最大公約数をとったとしたら、おそらく、そういう存在は
信じられないことでしょう。
私も「心霊体験」と呼べるような体験は、数少ないながらしたことがありますが、
それは霊の存在を証明することには繋がらないと思っています。心理学的、
精神医学的な説明をしたほうが、よほどすっきりしそうです。
こんなことを書き始めたのは、霊の存在を信じている方々に真実を知ってもらいたい
だとか、そんなことは大間違いだ、などと言いたいからではありません。
ちょっとした思考実験をしてみたいのです。
霊は我々の知識としてある物理法則に従う存在でしょうか? 霊の定義がはっきり
していませんので、これまた結論付けることは難しいのですが、常識的には
「霊は物理法則に従わない」と言えそうです。
宙に浮かんでいたり、壁を通り抜けたり、現われたり消えたり、見えたり見えなかったり、
その他モロモロですから、「霊は物理法則に従わない」というのは、
無理な結論ではないでしょう。
「霊は物理法則に従わない」とすると、なんでそんなものが存在しうるのか、
という議論もできるのですが、それは置いといて、霊は我々にとって未知の法則に
従った存在である、とします。
とにかく、「霊は物理法則に従わない」ながらも、「霊はそこに存在している」
ということにします。
ここが重要なところです。「霊はそこに存在している」のです。
何故、「そこに」存在できるのでしょうか?
ご存じのように、地球は自転しています。地表面は(赤道上では)約 1,7000 Km/h
のスピードで動いています。(正確かな? 適当に計算しただけです)
地球は自転の他にも公転もしていますし、太陽系だって銀河系の中で動いていますが、
話が面倒になるので、とりあえず自転のことだけを考えましょう。
それで、地球が自転をしていても、我々はその動きを感じません。ジャンプして着地したら、
何 10 m も移動していた、なんていう経験は誰もしたことがありません。
我々が 1,700Km/h のスピードを感じること無く暮していけるのは、
乱暴に言ってしまうと、我々が物理法則に従った存在だからです。ニュートンの
ナンチャラ法則があって、我々はその法則に従う存在だからこそ、
平和に暮していけるのです。
ですから、霊が物理法則に従わない存在だとすると、今そこにいた霊は、地球の自転の
影響で 1,700 Km/h のスピードで西の方へ飛び去ってしまうはずなのです。
「物理法則に従わない霊がそこにいる」ということは、とても凄いことなのです。
我々から見て霊がそこに止まっているように見えるためには、霊は 1,700Km/h
で動き続けなければならないのです。
実際は自転の他に公転も考慮しなければならないので、動きはとても複雑なものになりますし、
さらに速く動かなければなりません。ちょいと電卓を叩いて見たところ、公転による地球の速度は
100,000 Km/h を超えそうです。
100,000 Km/h で動き続けることのみで、「そこにいる」ことが出来るのが霊なのです。
お疲れ様、としか言いようがありません。私は死んでも霊になどなりたくないですね。