毎日電車を利用していると、時々、新人車掌君の研修というか OJT というか、
そういう場面に出くわすことがあります。
新人君が車掌をしているのですが、脇にベテランさんがついてチェックしているのです。
新人君は不慣れながらも一生懸命に仕事をこなしています。
「○○○○、よーし!」「××××、よーし!」「しゅっぱーつ、しんこう!」などと
大きな声で叫びながら、指差し確認をしています。
あまりに大きな声で、うざったく感じることがないこともありませんが、「微笑ましい」
と言えなくもありません。
しかしながら、そういう場面を見るにつけ、どうしても疑問に思うことがあります。
安全の確認や、列車のスムースな運行に関わるあれこれの手順を、声を出して指差し確認することの
有効性というのは、おそらくある程度は実証されていることなのでしょう。
だとしたら、ベテランさんは何故、「声を出して指差し確認」がおろそかになっているのでしょう?
ベテラン車掌さんの場合は、「指差し確認」はしていますが、声はほとんど出ていません。もちろん、
声が出ている人もいますが、多くの場合は、単なる指差し確認だけで、それも、
新人君のようなしゃきしゃきした動作ではなく、たらたらしています。
本当に有効なことなら、新人君だろうとベテランだろうときちんと行うべきでしょうし、
さして役に立たないことなら、新人君にそのように指導する価値もないかと思います。
一般的には、不慣れな場合には無条件にマニュアルに従った言動をとらせ、慣れるに従って、
必ずしもマニュアルの手順を踏む必要がなくなる、ということはよくあることではあります。
しかし、ことは乗客の生命にも関わりかねないことなのですから、本来あるべき姿は、
新人君であれベテランであれ、同じだと思うのですよ。
新人君の研修ではなく、ベテランの車掌さんが、どこかの偉いさん(のように見える人)に
チェックされている光景をみることも、まれにあります。で、そういう場面では、
ベテランさんでも人が変わったように、大きな声を出して、しゃきしゃきと指差し確認をしています。
してみると、やはり本来は「声を出して指差し確認」すべきなのでしょうね。少なくとも、
マニュアルとか内規の上では。
さて、これはどう解釈すれば良いのでしょうか? ベテランになるとダレてきて、あるいは
「声を出して指差し確認」が恥ずかしくなってきて、あるいは普段は誰もチェックしないから、
安全の確保のためには有効である「声を出して指差し確認」をおろそかにしているのでしょうか?
それとも、「声を出して指差し確認」というのは、さほど有効なことではなく、
でもマニュアルの上ではそうすることになっているので、新人君にはそのように指導するし、
誰かのチェックが入る時にはそのように行動する、ということでしょうか?
「声を出して指差し確認」は気恥かしい、ということは分からなくもありません。
私が車掌になったとしても、おろそかにしそうな気もします。だから、ベテラン車掌さんを
「けしからん!」などと強く批難する気はないのですが、どうにも納得出来ないものを感じます。
「声を出して指差し確認」に対する、新人君とベテランの差。あるいは、チェックされる時だけは、
元気に「声を出して指差し確認」するということ。これらの理由というか真相を知りたいと
思っているのでした。