ムチウチになってしまった方を見かけることがあります。その多くは交通事故で
そうなったのでしょう。
一年間にどの位の方がムチウチになるのかはわかりませんが、その数を激減させる
方法があると思います。
クルマのシートにはヘッドレストがついています。頭を支える枕みたいなやつです。
さて、質問です。皆さんはヘッドレストの高さを正しく調整していますか?
おそらく、ほとんどの方が No でしょうね。クルマを買った時の状態そのまま、
つまり一番低い位置になっている、という方が 90% 以上ではなかろうかと思います。
普段見かけるクルマのうち 90% 以上は、ヘッドレストの位置が一番低いままですから。
クルマによって違いますが、平均的には、一番低い位置では、身長 150cm
以下の人にしか合わないと思います。ほとんどの方は、低すぎる位置で
使用しているのです。
ヘッドレストは Headrest ですが、頭を休めるところではありません。
rest は restraint(拘束する、制限する)じゃないかと思います。つまり、
万一の事故の時に、頭がのけぞってしまいムチウチにならないようにするための
器具です。
ヘッドレストの高さを正しく合わせていないと、その効果が期待できないことは、
言うまでもないでしょう。因みに、耳の高さがヘッドレストの真ん中あたりに来る
ようにするのが、正しい位置とされています。
みんながヘッドレストの位置を正しく合わせれば、ムチウチの件数は激減すると
思うのですよ。
ところが、一般にヘッドレストに対する認識は極めて低いですね。メーカーや販売店や
教習所や警察の責任もなくはないでしょうが、自分の体に関わることですから、
やはり自分で責任を持ちたいものです。
テレビ神奈川製作の番組で「新車情報 2000」というのがありまして、
私は好きで毎週見ています。で、その番組のキャスターは自動車ジャーナリストの
三本和彦さんという方なのですが、三本さんが番組中でクルマを運転している時も、
ヘッドレストの高さを合わせていません。
私などよりもはるかにクルマのことを良く知っていて、運転もうまいはずの方でさえ、
こういう状況なのです。一般は推して知るべしでしょう。
アクティブ・ヘッドレストといって、衝突時にヘッドレストが前にせりだして
くるものもありますが、位置合わせが出来ていなければ、何の意味もありません。
VOLVO はさすがに考えてまして、位置合わせ不要のヘッドレストを採用しています。
つまり、シートと一体型で肩から頭にかけて広範囲にカバーするような構造です。
一般のドライバーはヘッドレストを正しく合わせやしないから、最初から合わせる
必要のない構造にするんですね。
とはいえ、ほとんどのクルマは位置合わせが必要なヘッドレストを採用している
わけですから、我々としては、きちんと合わせて使い、万一の際の怪我を最小限に
とどめたいものです。
例えば、身長 185cm の人が正しい位置にヘッドレストを合わせると、一番下の
位置からは、かなり引き出さないとならないでしょう。その状態でヘッドレストが
グラグラしないか、なんてことを見ると、メーカーの安全に対する考え方が分かる
というものです。
現実には、身長の高い人にはマトモに合わせられないとか、合わせられるけど
グラグラしてしまい restraint してくれない、なんていうクルマはいくらでも
存在しているのですよね。
「どうせ誰も合わせていないんだから、いい加減に作ってコスト削減だ」
ということです。