2001年1月20日 素人の棒読み演技


私はそれほどテレビを多く見るほうではありません。連続ドラマも映画もコメディー系バラエティも あまり見ません。ニュースは比較的見るほうですが、毎日必ず見るわけでもありません。 別にテレビが嫌いなわけではなく、20代の頃は仕事が忙しくて、会社と家の往復だけ、 といった生活を送っていたので、段々と見る番組が減っていったということです。

ドラマは見始めてしまうと、必ず続きが見たくなり、とはいっても、なんやかんやで忙しいと、 録画して見ることもままならなかったりして、結局は「あえて見ない様にしている」 と言ってもいいかもしれません。

そういう事情ですから、暇を持て余しているときに選ぶテレビ番組は、グルメものとか旅行もので あることが多いのです。少なくとも、くだらないバラエティのくだらない演出にイライラするよりは、 どうということのない内容でも、おだやかなココロで見ていられるからです。

しかしここ何年か、グルメものや旅行ものでさえも、へんてこな演出で私をイライラさせるように なってきたのです。

例えば、「江戸前の旨い寿司! 行列の出来るお寿司屋さん大集合!!」なんていう番組を 見ていたとしましょう。この種の番組は、役に立つ情報が得られることがしばしばありますし、 仮に役に立たないとしても、BGV 的に見ていて邪魔っけに感じることは少ないのです。

唯一の欠点は、見ていると猛烈に食欲を刺激されて、ついつい冷蔵庫をあさったり、 お菓子をボリボリ食ったり、お湯を沸かしてカップ麺を食ったり、近くのコンビニまで 何かを買いに行ったりして、摂取カロリーが増えてしまいがちなことです。

まあ、それはよいのです。自分自身の意志の問題であって、制作側の責任ではありません。

最近になって目に付きだしたヘンテコな演出とは、素人さんに演技させる、ということなんですよ。

あらかじめ決められている(らしい)セリフを、例えばガンコ職人であるところの 寿司屋のご主人に言わせるんですよ。レポーターのインタビューに答えているというよりは、 演技することを求められているんですよ。で、番組の上ではアフレコのナレーションとの 会話になってたりして。

ナ:「ご主人、この店の一番のこだわりってなんですか?」

主:「そうだねぇ、江戸前のネタしか使わないことだね」

ナ:「なるほど、では、この店でしか食べられない、という自慢の品を紹介してください」

主:「三浦半島沖の東京湾でアナゴが取れるのは知ってるかい?」

ナ:「え!? 東京湾でアナゴですか? 知りませんでしたよ。美味しいんでしょうか?」

主:「疑うんだったら食べてみなよ、ほら」

あーーー、クサイクサイ! こういうのを聞くと、私は身悶えしそうなくらいに、 恥ずかしくなってしまうのです。

役者でもタレントでもない寿司屋のご主人ですから、上の様な簡単なセリフでも 棒読みになってしまいます。それはご主人を責めるわけにはいきません。 そういう作りにするほうが悪いのです。

上の会話で伝えようとしていることは、ご主人に演技などしてもらわなくても、 充分に伝えられるはずです。

単純な演出上の理由で、素人さんに演技を強いているわけですが、それのメリットって何でしょう? 私にはデメリットしか思いつかないんですけどね。たまたま、寿司屋のご主人が学生時代は演劇部で、 役者顔負けの演技が出来るなら別ですけど、素人の棒読み演技で番組作りをすることのどこに メリットがあるというのでしょうか?

視聴者の立場からは好意的に受け取られるんでしょうか? 私のように身悶えしそうになるのは少数派で、 大多数の方々はその演出を好むのでしょうか?

個人的な要望としては、素人さんに台本を読ませるような作りは即刻止めて頂きたいのものです。 どうやら、そういう作りが流行しているような気配が感じられるのですよ。誰かが 「王様は裸だ!」と言わなければならないとしたら、私が言います。

あの作りは見ていて不快だし恥ずかしいです。







                        
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