テレビ等でも「ブロードバンド」なる言葉をしばしば耳にするようになりました。
「高速なインターネット」と理解しておいても、それほど間違ってないでしょう。
テレビでも雑誌等でも、「ブロードバンド」によって大量のデータ通信が短時間で
出来るため、ビデオとか音声とか高品質イメージとか、本一冊分のデータとか、
新聞とか、そういったものをインターネットを通じてやりとり出来るようになる、
なんてことを言ってます。
もちろん、それは間違いではありません。でも、「ブロードバンド」の本当の意義は、
そういうところにはないと思うのですよ。
極論すれば、現在のような形での PC が不要になる、ってことですね。
PC には OS が入っていてアプリケーションが入っていて、その他、
個人個人が色んなデータを溜め込んでます。
でも、ブロードバンドを前提に考えると、アプリケーションもデータも PC に
持っている必要がないのです。必要なときに必要なものをネットワーク経由で
入手して使えば良いのですから。
PC のディスクよりもネットワークが速くなれば、自分の PC からデータを読むよりも
ネットワーク経由で読む方が速いという理屈です。メールでもスケベ画像でも、
ワープロ文書でも、何であってもサービスプロバイダのサーバに置いとけばよいのです。
もちろん、サービスプロバイダはそれに充分対応できるだけの容量を提供しなければ
なりませんし、セキュリティも提供しなければなりませんが、それは技術的に難しい
ことではありません。自分のプライバシーに関わるデータをプロバイダに置くことに
抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、我々はお金を銀行に預けています。
それと同様に、きちんと管理してくれるプロバイダに個人のデータを預けることが
当たり前になって行くことでしょう。
自分の PC のディスクに置いとくと、容量が足りなくなったり、トラブルに備えて
バックアップを取ったり、色んなことに気を遣わなければなりませんが、
プロバイダに置いとくことで、そのあたりのこまごましたことは全てプロバイダに
まかせることが出来るのです。逆に言うと、プロバイダはそういうサービスを
提供することで、ビジネスの差別化を図ることが出来るわけです。
アプリケーションを PC にインストールする必要もありません。Java であれ
CGI であれ、プロバイダが提供する Web ベースのアプリを使いたいときに
使いたいだけ使って、それに見合った料金を払えばよいのです。
バージョンアップに頭を悩ます必要はありません。OS のバージョンとアプリの
バージョンの整合性にも悩む必要はありません。
そうすると、我々が使う機器ではブラウザだけが動けばそれで事足りる、
ということになります。複雑な OS は必要ありません。ディスクも必要ありません。
モニタ、キーボード、マウス、その他の入出力機器は必要ですが、Windows や
Mac OS のような重くて大きな OS は不要です。
携帯電話の入出力機能を強化(モニタの高解像度化、入力が容易なデバイスを備える、
他)したような機器で、充分にこと足りるのです。
今、皆さんが PC を使ってやっていることのほとんどは、上に述べたような考え方で
実現可能なはずです。そしてそれによって、我々は PC を使う上での悩み事の多くを
解決出来るのです。
ブロードバンドを前提に考えると、一般のユーザがやっていることに対して、
PC のハードウェアも OS も完全に機能過剰な状態です。また、
オフィス系のアプリケーションの多くも機能過剰です。
そういった、過剰なモノを売って商売している人達が少なくないのは事実ですが、
世の中は徐々に変わっていくことでしょう。「PC に OS とアプリケーションを
入れて、データは PC に持つ」ということを前提に、こういった過剰製品の
ビジネスが成立していたわけですが、ブロードバンドによって、その考え方は
変わらざるを得ません。
もっとも大きな課題は、通信費用でしょうね。高速なデータ通信が極めて安い
料金で利用できてこその「ブロードバンド」です。もちろん、バックボーンから
一般家庭に至るまで、バランス良く高速化がなされなければならないのは言うまでも
ありません。
テレビなどで言っている「ブロードバンド」は、極めて表層的な部分に止まっている
ことが多いように思われます。「ブロードバンド」の真の価値は、
インターネットにおいて、個人のデータ管理やアプリケーション、
その他のポータル機能など、総合的なサービスを提供する、いわば「銀行」
の登場にあると思います。
ところで、ふと考えたのですが、全世界の全 Web サーバのディスク、個人個人の
PC の全ディスクの内容をぜーーーんぶ寄せ集めたら、そのうち、JPEG とか MPEG
とかのファイル(つまりスケベ系データですな)の占める割合はいかほどで
ありましょうか?
銀行の勘定系オンライン・データベースなどの業務用のデータを除いた集計なら、
スケベ系データの割合はかなり高くなるように思われます。つまり、
ディスク・メーカーはスケベのおかげでビジネスが成立しているのです。