漫画でもアニメでも映画でも小説でもよいのですが、
宇宙生物とか妖怪とか突然変異生物とか怪獣とか、
そういったモノが登場することがあります。これらを総称して「怪物」
と呼ぶことにしましょう。
ほとんどの場合、それらの怪物は人間にはない超常的な能力を持っていて、
人間を殺したり、街を破壊したりします。そして、
人間側の攻撃はあまり効果がありません。何か特別なことをしないと、
その怪物を退治することは出来ないのです。そして、その「特別なこと」
がストーリー展開上、重要なファクターになることも多いようです。
そういった設定に文句をつける気などさらさらありませんが、
もしそういう怪物が実在したとしても、人間より強いとは限らないと思うのであります。
例えば、宇宙船がどこかの惑星に不時着して、クルーがそこで怪物と出会ったとします。
常識的に考えて、その怪物が人間より強いとは限りません。強いかもしれませんし、
全くお話にならない位弱いかもしれません。
アニメや映画のように、人間にとって大いなる脅威になるとは限らないのです。
見た目は、映画「エイリアン」の怪物のように恐ろしくても、
実際はナマケモノ並みののろい動きしか出来ず、
身体の構造は豆腐よりもヤワなのかもしれません。
そのような彼らから見ると、人間こそが大いなる脅威です。彼らにとっての人間は、
目にも止まらぬ(彼らに目があるとしたら)スピードで動きまわり、
その体は驚異的に頑健で、二本の「腕」からくりだす「パンチ」は一撃必殺、
ということになります。
人間からしたら軽いジャブのつもりのパンチが、彼らにとってはライトニング・
ボルト並みの破壊力を持つことになるのです。そればかりか、唾をペッと吐きかけたら、
彼らの体がドロドロと溶けてしまうやもしれません。恐るべき超常的能力です。
そんな弱い怪物であっても、エイリアンのように、
その性質は極めて攻撃的なのかもしれません。人間がいくら強くても、
それにめげずにノロノロと攻撃を仕掛けてくるのです。
牙だらけの口をクヮーと開けると、その中からノロノロと小さな口が出てきます。
でも、あまりに動きがノロイので、それを待ちきれない人間がコツンとやると、
彼らの体は爆発したようにふっとんでしまいます。もちろん、爆発する前には
「ひでぶ」とか「あべし」とかいう音を発することでしょう。
仲間の死にもめげず、彼らは次々とノロノロと人間に襲い掛かってきます。
そして、次々と爆発してしまいます。スプラッターですね。阿鼻叫喚ですね。
まあ、可能性としてはこのようなことも考えられるわけです。でも、
そんな映画や漫画はほとんどありませんね。同人誌なんかではありそうですけど、
少なくともメジャーではありません。
そういう話は盛り上がりに欠けるからなんでしょうけど、「怪物は人間より強い」
という決めつけは良くないのではないかと思うのです。
実際のところ、漫画や映画などに弱い怪物が登場することもあります。でも、
それはほとんどの場合、人間にとって友好的な存在なんですよね。「怪物」
という言い方は適さないかもしれません。つまり、友好的ならば人間より弱いが、
敵対する存在なら人間より強い、という図式が一般には成り立つわけです。
時代劇の悪代官が、昼行灯で手下からもバカにされている、
なんてことがないのと同じことなのでしょうが、我々の好む設定というのは、
かなり画一的なものなのだな、と思った次第です。