2002年2月15日


あなたは神を信じますか?


「あなたは神を信じますか?」と尋ねられた経験は、残念ながらありません。

もし、そのように尋ねられたら、「あなたの言う『神』を定義して下さい。 定義されてないものに対して、信じるとも信じないとも言えませんから」 と逆に質問しようと思っているのですが、なかなかそういう機会はありません。

もし、神が雲の上で暮している白髯のおじいさんだとしたら、 そんなものの存在は信じません。

神とは造物主。神とは全知全能。神は希望の光。なんたらかんたら。

どれもこれも定義になっていない、あるいは定義としては不十分です。 世の中一般に、神の定義は不十分だと思いますが、その範囲であっても、 キリスト教の神とイスラム教の神と神道の神は、それぞれ違うように思われます。 もちろん、同じである必要もないのですが、これらの神が人間の思考が作り出した モノであることの状況証拠とも言えそうです。

別に、宗教関係者に対して「きちんと神を定義せよ」とか「定義も出来ないあやふやな ものを信じてるのか?」などと主張するつもりではありません。 宗教の存在意義と神の定義云々は、無関係とは言いませんが、 切り離しても悪くはないと思いますから。ただ、 神を定義できていないことの危うさを自覚する必要はあるかと思います。

あるモノについて定義が存在せず、その結果として共通認識が出来ていない状態で、 そのモノについて語ったり議論したりするのは、極めて不毛な結果を招くことが しばしばあると思うからです。

「霊魂を信じますか?」についても同じですね。霊魂についてあれこれ語る人は、 その前に霊魂の定義をして貰いたいと思います。いい加減な定義ではなく、 内部矛盾を含まず、定義としての意味が充分にある程度には定義して貰いたいものです。

私には神も霊魂も定義できません。もちろん、自分なりのイメージが ないことはありませんが、とても定義と呼べるようなしろものではありません。 真面目に定義しようとしても、どこかで内部矛盾を起したり、 論理的な破綻を来たしたりします。その内部矛盾や論理破綻が、 私の蒙昧さによるものである可能性は否定出来ませんけど。

以前、「霊がそこにいる、ということ」 というのを書きましたが、それも霊に対する定義が不十分なことにつけこんだ 思考実験でした。もちろん、ウケ狙いですけどね。

あるモノ(概念でも)について誰かと議論していたり、自問自答していたりして、 なんだか話が噛み合わなかったり、考えが循環することがあります。 そういう場合、そういう状態になった原因が、そのモノの定義がされていない、 あるいは定義されていないために共通認識が出来ていない、であることがしばしば 見受けられます。

神にしろ霊魂にしろ、これこれこういうものだ、という定義がない状態で、 あれこれと語ったり議論したりするのは、あまり建設的な結果をもたらさないと 思うのですが、世の中、そういう議論が多いですね。

こういう見方をシニカルと捉えるむきもあるかもしれませんね。 友達同士で無邪気に心霊体験(?)を語り合っているのなら、 別にどうということはありません。でも、定義すら出来ないモノを引き合いに出して、 やれ「供養しろ」だとか、やれ「祟りだ」とか、声高に主張している輩を見るにつけ、 なんと愚かしい、と思うのでありました。




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