2002年2月27日


内掛けハンドルを斬る


昨日は色々なコメントをありがとうございました。

そんなコメントの中からひとつだけご紹介すると、私が書いた 「乾いたアスファルトの路面で、最短距離で止まろうとした場合、 四輪ロックさせたほうが、ロックしないように制御するよりも短距離で止まれます」 について、「それは低速時のみの話では?」というご指摘がありました。

えーと、そうなんですよ。ただ「低速」というと 20 - 30 km/h 以下のようなイメージが ありましたし、昨日の段階では、具体的な数字を持ち合わせていなかったもので、 何も条件を付けずに書いてしまいましたが、ブレーキを掛けた時の初速によっては、 私の書いたことが正しくなくなることもあります。

で、色々と調べてみましたところ、数字のデータがありましたよ。 BMW のドライビング・スクールのデータによると、下記のような条件では、 ロックさせたほうが制動距離が短くなるとのことです。

 ドライ   80 Km/h 以下 
 ウェット   40 Km/h 以下 
 スノー   20 Km/h 以下 
 アイスバーン   5 Km/h 以下 

まあ、異論のある方もいらっしゃるかもしれませんが、目安として、 感覚的には私は上記の条件に納得できます。

私の本来の主張は「ロック=悪」とは限らない、ということです。むしろ、 (ABS なしのクルマで)ロックもさせられないような、 ヤワなブレーキングしか出来ない人が多いのは問題だということです。 そして、その原因のひとつに、教習所での間違った指導があるということです。

因みに、BMW のドライビング・スクールでは、ブレーキ練習の最初のステップは、 ABS を OFF にして四輪ロックさせることです。それすら出来ないドライバーが 大多数なのだとか。そしてその後、ロック → ブレーキを緩めてステアリング操作で 危険回避 → 再度ロック、といった高度なテクニックの習得を目指します。

さて、昨日の最後に書いたハンドル操作(正しくは、ステアリング操作)についてです。

「内掛けハンドルやってます」とか「内掛けハンドルって何ですか?」とか 「内掛けのどこが悪いのでしょう?」とか、色々聞かれてます。

偉そうに自分で説明しようかと思いましたが、とても良い記事がありますので、 リンクしておきましょう。 ここを読んで下さい。内掛けハンドルの欠点も、正しいハンドル (本当はステアリング・ホイールと言います)の回し方も詳しく解説してあります。 正しい方法は 2 ページ目に書いてあります。

この著者の両角岳彦さんは、私が尊敬する自動車ジャーナリストの一人です。 彼の評論や視点にはいつも感心させられてしまうのです。クルマ好きの方は、 このページの下の方にある「バックナンバー」から辿って、 全てのコンテンツを読むことを強くお薦めします。

さて、正しいステアリング操作が分かったでしょうか? おそらく、 日本の全ドライバーのうち、この方法で操作している人は 5% もいないと思います。 それだけ普及していない理由は、教習所で教えていないからですね。

私も免許取得当時はこの方法を知りませんで、教習所で教えられた通りの方法で 操作していました。そして、お恥ずかしいことに、 内掛けハンドルをしていた時期もありました。この方法を知ってからは、 すぐに改めましたが、身に付くまでには数ヵ月かかったように記憶しています。

この方法、どこかで見たことがありませんか? 例えば、世界ラリー選手権の映像で、 車載カメラでドライバーの後ろから撮っていると、 ドライバーのステアリング操作はこの方法です。 例えば、頭文字Dというアニメで主人公達のステアリング操作の場面が描かれると、 この方法で操作しているはずです(あまり見たことないけど、予告編ではそういう シーンがありました)。でも、レースで使われる特別なテクニックという わけではありませんよ。一般公道の走行においても、最も合理的な方法だと思います。

さて、内掛けハンドルですが、免許を取得して 2 - 3 年経過した、 それなりの経験を持ったドライバーが陥りやすいワナです。 昔はパワーステアリングが装備されていないクルマも多かったので、 力を入れやすいからという理由で内掛けハンドルを行っていた人もいるでしょう。 でも、現在ではそういう事情ではないと思います。

例えば、交差点で左折する時や、U ターンをしたい時など、ステアリングを一気に グイッと切りたいと思うわけです。そういう時に、教習所式の、 ステアリング・ホイールの上半分だけを使ってチマチマと両手を交差させる方法だと、 なかなか一気に切れなくて、イライラしてしまうのですよね。 イライラするだけではなく、ステアリング操作が遅れて、意図した通りのラインを 通れないこともあります。

それを回避するために、一気にグイッと切ることが出来る内掛けハンドルに流れて しまうのだと想像しています。

教習所式の欠点のひとつは、一気に切れないということです。これは、 危険回避の上では大きな障害になります。それ以外にも、どれだけ回したのか、 どれだけ戻せば中立になるのか、といったことが分かりにくい、という欠点もあります。

正しい方法では、一気に切るという観点では、中立位置から約 270 度までは ワンアクションで切れます。内掛けハンドルの場合のワンアクションは約 180 度ですから、それよりも大きく一気に切れるわけです。

内掛けハンドルをされている方、今すぐにやめましょう。悪い癖ですし、 あまり格好良いものじゃありませんし。

恋人と二人でドライブというのは良いものですが、カレシの運転が上手いか下手かで、 楽しさも左右されかねません。女性がカレシの運転の上手下手を簡単に判断するなら、 ステアリング・ホイールの操作方法でしょう。

正しい方法で操作している人は、ほぼ間違いなく運転が上手な人だと思います。 まだカレシのクルマに乗ったことがない人は、 「どうやってハンドル回すの?」と質問してみましょう。それで分かります。

ただ、運転が上手くても、無茶するかどうかはまた別の問題ではありますが、 正しい方法を理解して実践している人なら、それほど無茶なことはしないの ではないかな、とは思います。

因みに、昨日の冒頭に書いた教習所に通っている方(♀)のお父さんは、 正しい方法を理解して実践している方のようでして、 私は彼女に「お父さんに色々教わりなさい」とアドバイスした次第です。




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