2002年3月5日


お互いに清潔にしましょう


先日のことであります。歌舞伎町で飲んで帰る途中、生理的欲求の発散に迫られた私は、 JR 新宿駅構内のトイレを利用しました。小です。

便器の前に立ち、チャックを下ろして生理的欲求の発散を開始。まさに発散です。

「ほえー」という声こそ出さないものの、心の中では「ほえー」です。 声を出さないのは、恥ずかしいからという理由もありますが、 一般にあの様な場所の空気はあまり良いとは言えず、 呼吸は出来るだけ控え目にしておきたいからでもあります。

さて、そんな私の目に入ったのは、便器に向かって立つ私の正面の壁に貼ってある プレートです。そこには、こんなことが書かれていました。

  お互いに清潔にしましょう  

はて?

公衆便所ですから、利用者がそれぞれあまり汚さない様に利用することを心掛けるべき、 というのは分かるのですが、「お互いに」とか「清潔にしましょう」とか、 なんとなくしっくり来ません。

「お互いに」という言葉からその時にイメージしたのは、ひとつの円形の便器に対して、 向かい合った二人のオッサンが同時に放尿している姿であります。

「おい、俺にひっかけるなよ!」

「そういうお前こそ、ひっかけるなよ!」

「お互いに気をつけようぜ」

「おう」

まあ、こんな風景です。「お互いに」にはこのようなイメージがあるのでございます。 二者(またはそれ以上)の間において、双方向の関係が存在していて、 その両方に対して言及するときに、「お互いに」と使うのです。

公衆便所のように、Aさんが利用して、Bさんが利用して、Cさんが利用して、 Dさんが利用して、Eさんが利用して、Fさんが利用して・・・、 という状況では、「お互いに」という表現はしっくりとこないのです。

それに加えて、「清潔にしましょう」などと言われても、 トイレはもともと清潔とは言えない場所なのですから、これまたしっくりきません。 便器外に発散してしまうなどの行為により、過度に汚すことに対する注意を 喚起しているのだ、ということはもちろん理解できるのですが、 清潔というのは言い過ぎでしょう、などと感じてしまうのです。

「お互いに清潔にしましょう」という言葉の素直なイメージとしては、 発散を終えたオッサンが二人、ウェット・ティッシュでお互いのイチモツを フキフキしている、という光景が浮かんで来ます。

「清潔にしとかないとな」

「そうだな、お互いにな」

「お前、ちょっと恥垢がついてるぞ」

「うわっ、やばいやばい。『美乳の女神』のユイ(仮名) ちゃんに嫌われるところだったよ、サンキュ」

とまあ、このようなほのぼのとした人間関係がイメージされるのです。

それはそれとして、「お互いに清潔にしましょう」の一言から、 ここまで考えてしまう奴も珍しいだろうな、 と思いチャックを上げた高樹なのでありました。




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