2002年4月5日


呼び捨て


例えばプロ野球の新人投手が初登板で完投勝利を上げたとしましょう。 彼の名前を仮に松阪としましょう。

彼はインタビューに答えて、こんなことを言うかもしれません。

「古田さんのサイン通りに投げただけです」

古田さんというのは、松阪のチームのベテラン・キャッチャーです。

一方、古田捕手は同じくインタビューに答えて、

「今日の松阪の球はものすごくキレがあったな」

こんなことを言うかもしれません。

ここで問題にしたいのは、サインがどうとかキレがどうとかではありません。 かたや「古田さん」と「さん付け」で呼び、かたや「松阪」と呼び捨てにしてます。

新人投手とベテラン捕手ですから、これは当然のことです。ただし、 チーム内の会話においては。

インタビューにおいては、新人の松阪投手であっても、 自分のチームの人間は呼び捨てにするのが正しいのではないかと思います。

一般の会社員の世界では、仕事上で他の会社の方と話すときには、 あるいはメールなどでも同じですが、自分の会社の人間は呼び捨てにしますよね、 常識として。それが、自分の部下であろうが上司であろうが社長であろうが。

ところが野球に限らずスポーツの世界では、この常識は通用しないようです。 インタビューという対外的な場面において、自分のチームの先輩選手とか監督とかを、 平気で「さん付け」で呼んでいます。または、「○○監督」 などと肩書き付きで呼んだりもします。

これも会社員の世界ではしないことです。自社の社長を、「高樹」とか「社長の高樹」 とは言いますが「高樹社長」とは言いません。言う人もいますが、 きっと影で笑われていることでしょう。

スポーツの世界では、何故にこのようなことになってしまっているのでしょうか?  体育会系の世界では年功序列が厳しく、例え対外的な場面であっても、 先輩を呼び捨てにすると、後でボコボコにされてしまうのでしょうか?

私なら、後輩がそういう場面で「高樹さん」と呼んでいたら、 「そういう時は呼び捨てにしろ、バカ!」と言うと思います。

サッカーの中田英寿選手が 2 年位前のインタビューで、日本代表チームの先輩を 呼び捨てにしていた記憶がありますが、あれにはハッとさせられました。 いつも「さん付け」に慣れているので、本来なら正しいはずの呼び捨てが異様に 聞こえてしまったのでした。もちろん、すぐに「ああ、これが正しいよな」 と思いましたけど。

ところで、スポーツの世界以外にも、呼び捨てすべきところで呼び捨てが 行われていない業界というか世界がありそうですね。

やっぱ、「センセイ」系の世界でしょうか?




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