春でございます。春の風物詩といえばサカリでございます。
年中サカリの人間様とは違い、動物たちは風流を解しているのかもしれません。
もう 20 年以上も前のことですが、私の自宅のガレージ周辺に、
フリーのワンコが住み着きました。メスです。
つい最近まではフリーではなかったと思われました。名前は・・・、
何か適当な名前をつけていたはずですが、忘れてしまいました。
彼女が何故うちのガレージ周辺に住み着いてしまったのか、
はっきりとは分からないのですが、どうやら妹が餌をあげていたのが原因と睨んでます。
そのメス犬ですが、居候の気まずさからか、いつもオドオドしていました。
こちらは別に危害を加えるつもりなどないのですが、
いつも私の顔色を伺っているような感じでした。
さて、彼女にもサカリの時期はやってまいります。
ある日私は、ちょっと珍しい光景を目撃しました。彼女と同じくフリーのワンコを
生業としているオス犬がうちの近くに現われまして、
彼女にちょっかいを出して来ました。
犬ってのはストレートで潔くてとてもよろしい。鼻と鼻でクンクンしあった後は、
すぐに跨ろうとしますからね。人間の世界の言葉に翻訳すると、
「こんにちは、初めまして」
「あ、どうも初めまして」
「ヤリましょう」
「ええ、喜んで」
こんな感じでありましょうか。「出会ったその日のうちに、エッチなんか出来な〜い」
などとは決して言わないのであります。一期一会です。
それはともかく、プロポーズされた彼女は別に嫌がっているようには見えません。
鼻と鼻のクンクンもしますし、お尻周辺のクンクンもお互いにやってます。
ところがです。いざオス犬が彼女に跨ろうとすると、
彼女はゴロンと横になってしまうのです。横になるというよりも、
あお向けと言ったほうが近いかもしれません。完全におなかを上に向けて、
カエルのように両後脚を開いてます。
呆然自失のオス犬ですが、すぐにあきらめることなく、
また彼女をペロペロしたりして気を引いてます。その努力が実り、
彼女はまた立ち上がります(つまり、四つん這いということです)。
すかさず跨ろうとするオス犬。でも、彼女はまたゴロンです。
はやりおなかを上に向けてます。
そんなことが何回か繰り返されました。
それをじっくり見ている私も相当な暇人ではありますが、私はふと思ったのです。
彼女はもしかしたら、正常位を好む犬なのかもしれない・・・
私は犬を飼った経験はありませんし、犬の生態について詳しいわけでもありませんので、
そんな犬が本当にいるのかどうかは分かりませんが、その時の彼女の行動は、
そう考えると説明出来ます。
どことなく、
「ねえ、前からして」
みたいな風情が感じられたものですから。
これは人間の言葉に直すと、
「ねえ、後ろからして」
に相当すると思われます。人間の男なら、こんなことを言われると大喜びでしょうが、
オス犬君はさぞや困ったことだと想像されるのでありました。