2002年4月17日


夫婦別姓問題を考えてみたら・・・


例えば、田中一朗(♂)さん(頭にRは付けないように)と佐藤花子(♀)さんが 結婚するとしましょう。

多くの場合、この夫婦は田中姓を名乗り、田中一朗(♂)さんと田中花子(♀) さんになります。逆に佐藤姓を名乗り、佐藤一朗(♂)さんと佐藤花子(♀) さんになることもあります。

ここ数年、夫婦別姓の問題が色々なところで議論されております。 私自身の夫婦別姓問題に対する考え方は、もう 2 年以上も前ですが、 ここでちょっとだけ書いていますので、 それを繰り返すことはしません。

それはそれとして、実はこの前、夫婦別姓について考えていたら、 よく分からなくなってしまったのです。上の例で考えてみましょう。

佐藤花子(♀)さんが結婚後も田中姓ではなく佐藤姓でいたい、 と望むパターンは最も典型的でしょう。そして、田中一朗(♂) さんもそれに同意したら夫婦別姓を選択出来る。・・・ということが出来るように、 法律を作る(あるいは改正する)動きがあるわけです。

と考えて疑問に思ったのは、自分で無意識のうちに付加した「田中一朗(♂) さんもそれに同意したら」の部分です。 夫婦別姓には配偶者の同意は必要なのでしょうか?  本来の趣旨からすると必要ではなさそうです。むしろ、配偶者の同意が必要だとすると、 色々と不自由な事態が想像されますので、そういう制限は良くないと思われます。

つまり、婚姻にあたって、両性は自分の姓と配偶者の姓のどちらかを任意に選択出来る、 ということです。これを前提として、ちょっと考えてみましょう。

佐藤花子(♀)さんは佐藤でいたいので、婚姻にあたって「佐藤」を選択する。 ところが、田中一朗(♂)さんは佐藤になりたいから、やはり婚姻にあたって「佐藤」 を選択する。

こういうことが起こりうるわけです。これでは夫婦別姓ではありません。 選択の自由を認めた結果としての、夫婦同姓ということになります。

もっとも、佐藤花子(♀)さんにとっては、 夫婦で別の姓を名乗ることが重要なのではなく、 自分が結婚後も佐藤であることが重要なのかもしれませんので、 そういう場合は、田中一朗(♂)さんが佐藤一朗(♂)さんになっても、 特に問題はないかもしれません。

もちろん、佐藤花子(♀)さんがそう思っているわけではなく、 夫婦でそれぞれ結婚前の姓を使うべき、と思っているとしたら、 こういう事態は好ましくないわけです。

別の事態も考えられます。佐藤花子(♀)さんは「田中」を選択し、 田中一朗(♂)さんは「佐藤」を選択する、という姓のスワッピングが起こり得ます。

それで両者が幸せなら、別に他人が文句を言うような筋合いではありませんが、 本来の夫婦別姓の議論とは、全く別の話になってしまうような気がします。

などとアホなことを考えてしまうと、やはり結婚においての姓の選択においては、 両性の合意が必要なのかもしれません。

しかしながら、家柄のよろしい環境で育ったお坊っちゃんが、 両親の意向に逆らえずに、「絶対に俺の姓にしろ!」などと言うと困りますよね。 やはり個人の選択の自由は大切です。

・・・ということで議論はめでたくループするのでした。

夫婦別姓というか、婚姻後の姓の選択において、両性の合意を必要とするか、 個人の自由にするかは、なかなかに慎重に考えるべきものだと思うのです。




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