何事においてもプロは凄いと思います。プロのスポーツ選手やプロ棋士が凄いのは
当たり前ですが、普通の人々であっても、それぞれが何らかのプロであることは
少なくないわけで(多くは職業においてですね)、
そういった方々のプロの話を聞くと、比較的単純に「すげー」と思うわけです。
そういう私も自分の仕事の世界ではプロである訳ですから、違う世界の人から見たら、
「すげー」になるのかもしれませんが、そういう自覚はありません。
仕事で毎日やっていることですから、それなりに知識や技能が多少は身に付き、
それを仕事にしていない人に比べれば、違うのは当たり前ですが、
「すげー」とまではとても思えないのです。思えないのですが、
私自身が違う世界で仕事をしている人を「すげー」と思っているのですから、
私がそう思われることだってあるのかもしれません。
それはどうでも良いのですが、世の中、例外は至るところにあるもので、
プロにも関わらず全然凄くないどころか、「それじゃ素人にも劣るだろ!」
とツッコミたくなるような人もたまに見かけるのであります。
某ラーメン屋さんでのことです。その店でスープ作りとか麺打ちを仕切っていると
思われるおにいさんがいまして、ある日、私がそこでラーメンを食べていると、
彼が休憩を取っていて、私の隣りでつけ麺を食べ始めたのです。
お客さんに出しているつけ麺と同じものです。
多少は具を多めにしているのかもしれませんけどね。
お客の隣りで食事するのは、まあよいとしましょう。あまりいい気分はしませんが、
目くじら立てるほどのことではありません。しかし、食べ方がいけません。
彼はつけ麺のダシに豆板醤とおろしニンニクを山のように入れ、
そればかりか、麺には粗挽きの黒コショウを真っ黒になるほどにかけたのです。
個人の味の嗜好をどうこう言うつもりはないのです。お客のひとりが同じことをしても、
「そこまでやるか?」とは思いますが、別に文句はありません。でも、
彼はラーメン作りのプロなのです。にもかかわらず、自分が作って
お客さんに出しているつけ麺の味を、豆板醤とおろしニンニクと黒コショウで、
完全に破壊しているのです。麺の味もダシの味も、
完全に破壊されているに違いありません。
その食べ方が、一般的に最も美味しい食べ方だとはとても思えません。普通の人なら、
辛すぎてダメです。辛いもの好きな方はいらっしゃいますし、
それはそれで良いのですが、彼の好みはあまりに極端です。
そういう味覚の持ち主がラーメンを作っているのです。
プロとしてはいかがなものでしょうか?
その店の味は、私としてはまずまずの評価をしています。でも、「もう一歩」
の感が拭えないのも事実です。他のラーメン好きの方のご意見も、
私と似たような感じのものが多いようです。あれだけ味を破壊してしまったら、
「もう一歩」の部分など絶対に分からないと思われます。そして、
あんな極端な辛さを好む人は、仮に何も入れずに食べたとしても、
「もう一歩」の部分を感じることは出来ないのではないかと思います。
ということで、その店の「もう一歩」の理由が分かったような気がしたのでした。
ある自動車ディーラーでのこと。うちのクルマのハンドリングがおかしかったので、
おそらくホイール・アライメントが狂っているのだろう、ということで、
調整をお願いしました。そして、調整が終わって返って来たクルマに乗ってみたところ、
症状は軽減されていたものの、完全には治ってはいませんでした。
私はもう一度そのディーラーにクルマを持ち込み、担当メカニック氏と色々と話した後、
症状を確める目的で、彼に運転してもらうことにしました。私が助手席です。
そこでメカニック氏がやってくれたのです。
内掛けハンドルであります。私は唖然呆然。彼はクルマのプロのはずです。
まして、私が訴えているのはハンドリングの異常です。にもかかわらず、
内掛けハンドルです。そんなんで、ハンドリングの異常など分かるのか?
まあ、大幅な異常なら分かるでしょうよ。でも、彼が一度調整して、
それで一旦はOKとした状態のクルマですから、彼にとっては微妙な異常のはずです。
私にとっては微妙でもなんでもないのですが、内掛けハンドルの彼には、
微妙どころか、異常を検知出来ないのでしょうね。
事実、走行中、助手席の私が感じている異常を、ハンドルを握っている彼は
感じられません。私が「今、ブレたでしょ?」と言っても、ポカンとしているか、
「舗装のデコボコのせいでは・・・?」などと言う始末。
それでも、「ちょっとここでハンドルから手を放してみて」とか、
「ここは舗装の状態は良いでしょ?」とか色々と試した結果、彼も
「ああ、(異常が)分かるような気がします」という状態にまでこぎつけました。
確かに、その異常は軽微なものですが、プロであるなら、
きちんと感じ取ってもらいたいものです。そのためには、
内掛けハンドルなど言語道断です。プロのやることじゃありません。もちろん、
一般のドライバーもやっちゃいけませんけどね。
私は後で担当の営業に電話を入れて、「内掛けハンドルをするメカニックなど
信用できない」とクレームをつけましたよ。まだ若い営業君はえらく恐縮してました。
君が悪いわけじゃないんだけどね。