虫刺され


きゃ〜! 遅刻、遅刻!

ゆうべはちょっとオイタが過ぎちゃったわね。

あの子ったら、ナンパの仕方がオドオドしててかわいいんだもん。最初は そんなつもりなかったけど、ついつい・・・ センセに悪いことしちゃった かしら。

それにしても、凄かったわ...、何度も何度も.... はっ、いけない! 朝からこんな事考えてる場合じゃないわ。 もう患者さん来てるじゃない、早く着替えて行かなくちゃ!

あ、センセだ。

「センセ、ごめんなさ〜い! 今すぐ行きますから〜!」

「おはよう美貴。いいよ、そんなに慌てなくても。ゆっくり支度....!?」

「ん?」

「いや、なんでも。ゆっくり支度しなさい」

「?? はい...」

なんだろ今の。ニコニコ笑って近づいてきたと思ったらさ、急に恐い顔しちゃって スタスタ向こうに行っちゃった。いつもならあのえっちな目が、

目→唇→胸元(一番長い)→ヒップ→太腿

を2往復はするはずなのに。変なセンセ...

ああ、こんな事してる場合じゃないわ!さっさと着替えなきゃ。 シャツを脱いで、と....ん!? こ、この胸元の赤いあざはもしや...

キスマークぅぅぅぅ〜!!??
(ガーーーーーーーーーン!!)

あの子ったらいつの間に! 参ったなぁもう、かっこわるぅ〜! あ! センセの様子が変だったのは、これのせいだわ。センセったらきっと これ見て固まってたのね。

ええと、どうしよう。ああそうだ、コンシーラー持ってたわよね。

ヌリヌリ...

きっ消えない! 時間が〜、ええい、ままよ! 行っちゃえ、もう! 診察室へダーーーーーーッシュ!

「センセ、すみません!お待たせしましたっ!」

「うむ」

(あ、なんだか気まずいな。とほほ)
「え、ええ〜と、最初の患者さんはですねぇ...」

「......」

(あわわ、センセたっら顔も上げないしぃ〜)
「22歳女性、不感症かも〜♪って、初診カルテにありますよ。」

「あ、そう」

「未婚、出産経験なし、セックス歴3年で...」

「ふ〜ん...」

(あらら、気のないお返事)
(いつもならこういうケースの場合、ノリノリのはずなのにぃ)
「センセ、ちゃんと聞いてます?」

「聞いてるよ。それよりその...」

(あ、センセの視線が胸元泳いでる)
「なんでしょ?」

「いや、やっぱりいい」

(だーーー! なんて弱気なの。聞きたいのならハッキリ聞けば良いのに)
「センセ!!」

「は、はい・・・」

「もしかして、妬いてるの?」

「な、なんの事かな」

(うふふ、赤くなっちゃったりして、可愛んだから)
「センセね、誤解してるわよ。これは単なる虫刺され。昨日までの有休いっぱい お友達とず〜っとキャンプに行ってたの。で、蚊かなんかに刺されちゃったみたい。 キスマークだと思ってたんでしょ? んもう、センセのえっち」

「は、ははは、そうかそうか。って、私は別に、最初から誤解もなんてしてないけどね。 はっはっはっ!」

(ふふ、急に元気になっちゃって。センセったらホント、分かり易い性格ね)
(ま、そこが可愛くて良いんだけどね〜)
「ささ、患者さんがお待ちですよ。お仕事お仕事!」

「よしよし、今日も一日頑張る事にしよう。呼んでくれたまえ、美貴くん」

(なーにが、『呼んでくれたまえ、美貴くん』だか・・・)
「は〜い!」

ふう、やれやれ。それにしても、昨日の子は美味しかったわね。 センセみたいな大人のオトコも良いけどね、たまには年下も美味だわ。 なんたって、スタミナが違うもの。何度だって出来ちゃうし、あの固さったら... ああん、思いだしちゃうわ。いや〜〜ん....

「美貴?」

「は、なんでしょ?」

「なんでしょ、じゃなくて、患者を....」

「ああ、そうでした。いやんセンセったらぁ〜!」

バシバシ! んもう、ぶっちゃう。

「いてて、なんだよ? なんだって言うんだ??」

「ふふ、なんでもありませ〜ん! ○○さん、診察室へどうぞ〜!」

「???」

「ほらほら、患者さん来ましたよ」

「ふむ」

あら、これは超美人な患者さんだこと。

「こちらの椅子へお掛けになってくださいね」

「ゴホン!どれどれ、ええ〜と、感じにくいんですね。ふふふ...」

む? センセたら、もう鼻の下が長ーーーーーーーくなってるんですけど。

.....ま、いっか。






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