読書 1999年12月
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題名 著者 初版発行日 |
感想 ・印象的な内容(一部要約したものあり) | |
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物理学の世紀 佐藤文隆 集英社新書 |
「物理学の世紀」というタイトルで物理学者の佐藤文隆さんが、今世紀の物理学の歴史を振り返り、そして、物理学の未来について問題を提起した本。 素粒子・宇宙論の研究者からは、大規模なプロジェクトの中止等、今後の物理学は暗く見えてしまうのだろうか。物性物理学の人から見れば、物理学の未来は決して暗くないと思えるのだが。 |
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2 |
孔子 井上靖 新潮文庫 |
「孔子」は、井上靖の最晩年の作品。孔子の死から33年後、孔子の弟子が、孔子の研究者に向かって孔子について語る、というスタイルで物語は進められていく。辻邦生の「西行花伝」と似たスタイルであるが、こちらの「孔子」の方が古い。 僕が今まで読んだ本の中にも孔子は度々登場してきたが、孔子は偉大な人物であったという表現より、その偏屈な性格を揶揄するような表現で描かれているものが多かった。このように、真面目に孔子について書かれた本を読んだのは初めてだった。
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3 |
圧勝の法則 歴史に学ぶ市場逆転の法則 辻本祐次 WAC |
著者の辻本さんは広告代理業「セクタ・プロジェクト」を主宰されている。といっても、辻本さんが何者なのかよく分からない。本書は副題に市場逆転の法則と書いてあるが、実質は、戦史研究中心の本である。 戦争関連の本だと、戦争の悲惨さ等が前面に訴えられるのだが、本書は、そういうことに一切触れていない。戦略、戦術を中心に扱っている。第二次大戦の敗戦国、日本、ドイツについて、酸素魚雷開発、真珠湾奇襲、V2号開発について政治的な面を一切抜きにして、寧ろ新しい発想を生み出した美談として語ってある。敗戦からは悪いことしか学ぶものはない、ということは決してない。戦史研究というものは、このように、感情的なもの政治的なものを排除し、物事を客観的に見つめるものかと納得した一冊であった。
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4 |
不器用な人ほど成功する 中谷彰宏 PHP文庫 |
中谷彰宏の本のうち、字の小さいものを選んで読んでいたが、そろそろ読むものがなくなってきた。そこでこの度、字の大きい本を一冊読んでみた。あっという間に読めてしまうが、得るものは結構あった。
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5 |
自分を変える心理学 国分康孝 PHP文庫 |
1998年に フランチェスコ・アルベローニの「他人をほめる人 けなす人」という本がよく売れたが、それよりもっと前に日本人でもそのような本を何冊も書いている人がいたようだ。読んでみると、いくつか自分の経験と重なる部分があり、楽しめる。また、知人の中にも、本書の記述にあてはまる人がいて、それもまた、読んでいて楽しめる。
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6 |
乾坤の夢 津本陽 文春文庫 上中下 |
信長を描いた「下天は夢か」、秀吉を描いた「夢のまた夢」に続く家康を描いた「乾坤の夢」。新しく発見された史料や研究結果を導入して書き上げられる津本陽の作品は、今の時代の歴史小説の中で最も史実を表していると思う。 著者は、関ヶ原においての吉川広家のとった行動について、その見通しの甘さを指摘している。西軍の総大将毛利輝元が何もお咎めなし、ということはありえないのに、希望的観測や私情を優先させ、主家を小さくさせてしまった。平和な世に慣れてしまった武将たちの考えの甘さを家康はうまく利用した。 関ヶ原に臨んで、命をすてる覚悟では石田三成の方が上だったが、ただそれだけでは勝てなかった。自分自身に決死の覚悟があるが故に、まわりの人の意見に耳をかさなくなり、孤立してしまった。 江戸の町造りについて、内藤昌氏の考えとして、「の」の字型に町を拡張していったことが、世界的規模の大都市に発展していった理由だと本書で紹介されている。丸い形に都市を造っていったことは、現在の東京の渋滞の原因だとしか思っていなかったが、いいこともあったようだ。 家康については、司馬遼太郎の本を読んでいたので、どこかしら陰険だとか、腹黒いという印象を持っていたが、確かにそういう面は信長、秀吉よりも強いのだが、やはり人間的な魅力は格別なものがある。人を使いこなした家康の人生、学ぶべきことは多い。とくに、不況の時代にはぴったりはまる。山岡荘八の「徳川家康」が、はやったのも不況のときだったそうだ。本田宗一郎さんは、好況は信長、不況になると家康という風潮に批判的だったが。
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闘う独創の雄 西澤潤一 渋谷寿 オーム社 |
本書は、半導体デバイスの研究で有名な、元東北大学総長、現岩手県立大学学長西澤潤一先生の闘う独創研究人生を綴ったもの。 西澤先生の研究について、半導体デバイス、光通信デバイス、完全結晶づくりの三つを紹介しあり、これらの研究過程でのさまざまな苦労、激突が詳しく書いてある。また、西澤先生の生い立ちなどにも触れてある。 闘う独創という言葉が題名にあるように、西澤先生は昔から闘う相手の多い人であり、常に何かと闘っており、心休まるときが全くないように思える。研究者としてというより、西澤先生の攻撃的な人生に尊敬や憧れを持つ。
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8 |
節目に強い人が成功する 中谷彰宏 PHP |
題名と中身があまり一致していないが、やはりいいことが書いてある。
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女性はどう学んできたか 杉本苑子 集英社新書 |
卑弥呼から江戸庶民の女まで、という副題がついている。日本史を過去からたどりながら、女性を中心に、短歌がいたる処処にちりばめられて話が展開されてゆく。 卑弥呼の時代から飛鳥、奈良、平安までの武士が台頭してくる時代までは、女性の地位、学識は高かった。女帝しかり、また文学をとってみても、宮廷歌人額田王や紫式部、清少納言といった人たちが当たり前のように存在していた。女性が前面にでずに、奥にいるようになったのは、鎌倉以降の800年間である。歴史の表舞台で活躍したのは北条政子以降では、日野富子がいるくらいだ。大奥の中などで、女性同士の争いはいろいろあったが、表立ったものは、すっかりなくなった。 歴史を楽しむような感じで書かれており、フェミニズムといったものは感じられなかった。 |
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10 |
西行 白洲正子 新潮文庫 |
西行の人生を史料や研究結果をもとにたどっていった本。二十歳そこそこで突如、出家した西行に不思議な魅力を感じる人は多くいるようで、出家した理由についても、友人の死や失恋などいろいろな説があるようだ。出家の理由として、辻邦男の「西行花伝」では待賢門院との恋ということで小説が進められていったが、本書でも史料から判断すると、そうなってしまうらしい。 |
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「知」のスピードが壁を破る 進化しつづける組織の創造 平尾誠二 PHP |
ラグビー、チーム・ジャパンの平尾誠二監督が、その監督経験を通して、人の育て方、組織の作り方について述べた本。 ワールドカップへ向けた選手育成について、具体的に書いてある。 1999年ワールドカップのチーム・ジャパンには、外国人が不思議なくらい多かったのだが、この本を読んで、理由が分かった。日本代表に選ばれるような選手でも、ラグビーの基本ができてない人が多かったようだ。また、ラグビーに限った話ではないが、自分で物事を判断できない人が多く、精神的な面から指導しなければならないことが多々あったようだ。本書の副題になっている「進化しつづける組織の創造」のためには、人の命令によって動くのではなく、試合中練習中を問わず、自分で考え判断できる能力を育成しなければならない。そのために、監督・コーチがどのようにすればよいか、どのようにしてきて成功し失敗したか具体的に述べてある。
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外見だけで人を判断する技術 渋谷昌三 PHP文庫 |
100ページあたりまでは、当たり前のことが書いてあるのだが、途中から、心理学の実験結果を踏まえた内容になり、俄然面白くなった。自分にあてはまる内容、友人にあてはまる内容があり楽しめる。結構、きびしいことが書いてあった。
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太平洋戦争の失敗・10のポイント 保阪正康 PHP文庫 |
昭和史の本を多く書いている保阪正康が、1995年に朝日ソノラマから出版した「日本は戦争を知っていたか」を文庫化にあたり改題したもの。真珠湾奇襲、ミッドウェー海戦、インパール作戦など10のテーマについて、その失敗について詳しく述べてある。著者が述べているように、太平洋戦争には数多くの教訓が詰まっている。そこからさまざまことを学んで行きたい。 |
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乱世、夢幻の如し 津本陽 講談社文庫 上下 |
戦国時代の奸雄、松永久秀の一生を描いたもの。戦国時代の近畿地方を中心に話が進められていく。山口大内家と細川管領家の争い、足利将軍家・細川管領家と阿波三好家の争い、信長と反信長勢力の争いのなかでの松永久秀の立ちまわりが描かれている。 戦国時代の近畿は、裕福な地域であったため、職業軍人があふれており、金しだいでいくらでも戦ができた。細川と三好の争いは、お互いに徹底的な打撃を与えなかったので、永遠と戦争状態が続いていた。そこを、松永久秀がうまく立ちまわり、暗殺なども駆使して、のし上がって行く様は、下克上を如実に表している。 |
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これから日本市場で何が起こるのか 田坂広志 東洋経済新報社 |
日本総合研究所の田坂広志の著書。ネット革命、中間業者といったことばがキーワードになっている。やわらかい語り口調で話が展開されていく。
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