読書録 2001年7月    読書録2001年一覧  ホーム

No. 題名

感想

1

悲華水滸伝 一

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年5月25日

 杉本苑子氏の水滸伝がこの度文庫化されたので、読んでみた。水滸伝といえば、吉川英治氏の『新水滸伝』がとてつもなく面白いのだが、その水滸伝は、吉川氏逝去のため未完となっている。続きを知りたい、という意味もあって吉川英治氏の弟子杉本苑子氏の水滸伝を読むことにした。

 運命に導かれた108星の無頼漢が梁山泊に集まり悪を駆逐する、というのが大雑把な話のスジなのだが、とにかく面白い。中国では三国志よりも水滸伝の方が人気がある、という話もうなづける。

 短所もあるが類稀な長所を持つ無頼漢たちが力を合わせて・・・ということを現代社会に当てはめると、などということは考えずに楽しく読むことにしよう。

2

悲華水滸伝 二

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年6月25日

 ついつい吉川英治氏の『新水滸伝』と比較してしまうのだが、杉本氏の水滸伝は、割愛されている内容がある。金瓶梅へと続く色話は、カットされている。それだけではないのだが、もっと吉川氏のは面白かったのにな、と思うことは読んでいて多々ある。吉川氏が書かれたとこまでは、さらっと流して、吉川氏が書き残した所を重点的に描くという方針なのだろうか。

3

コア・コンピタンス経営
未来への競争戦略

ゲイリー・ハメル、C・K・プラハード

一條和生訳

日経ビジネス人文庫
文庫版初版
2001年1月5日

 1995年に出版された"COMPETING FOR THE FUTURE"の日本語訳を、新たに文庫化したもの。日本企業のやり方を礼賛している記述も多々あった。1990年代半ばまだ、日本企業が世界で強いという印象があったのか。

 『未来への競争戦略』というのが原著の題名なので、必ずしも、『コア・コンピタンス』の話ばかりではなかった。

 コンサルティング会社は、
70年代は「グローバルなスケール」
80年代は「品質」
今は「スピード」
と言っているそうだ。教えてくれるのが10年遅いとのことだ。

 84ページの4匹の猿の話は『チーズ、、、』に匹敵するほど良かった。

  • 組織変革の基本は無血改革である。手遅れで荒療治が必要な組織改革には多くの犠牲が伴う。悲惨な結末を予測して、優秀な人材ほどいち早く安全なところに逃げ出すものである。(40頁)
  • 製品で業界を支配する競争よりも、コア・コンピタンスで業界を支配する競争が大切である。(43頁)
  • 未来の創造に挑戦している会社はこう思っているに違いない。「こんなに便利なのだから、どこかでおカネになるはずだ」。(62頁)
  • 経営の枠組みを拡大するには、好奇心と謙遜が最も大切である。(95頁)
  • トランクのデザインで行き詰まっていたホンダのデザイン・チームは、ディズニーランドの駐車場で半日過ごして、人々が何をトランクに入れたり出したりしているのか、その時どんな動作をするのか観察した。(169頁)
  • HP=MC(HP=Measurement*Computer*Communications)(183頁)
  • コア・コンピタンスとは、顧客に特定の利益をもたらす一連のスキルや技術を言う。(315頁)
  • コア・コンピタンスは、才能であり、スキルである。(331頁)

4

本田宗一郎 夢を力に 私の履歴書

本田宗一郎

日経ビジネス人文庫
文庫版初版
2001年7月1日

 昭和37年に日経新聞に連載された本田宗一郎氏の『私の履歴書』を中心に、本田宗一郎氏の人生を一冊の本にまとめたもの。編集者は日経新聞社の名和修氏。

 本田宗一郎氏の印象は、好きなことをトコトンやった人、役所と戦い続けた人、というふたつがある。戦う姿を上に立つ人が見せてくれると、下の者も奮いたつ。こんな人の下で働きたいと思う。

  • 長い目で見れば人生にはムダがない。(25頁)
  • 研究所は組織よりも個人の能力を発揮させることが大切であり、問題である。(94頁)
  • 人生というものは、最後まで行かぬと成功だったか失敗だったかはにわかには断じ難いものである。(104頁)

5

なぜ、この人たちは金持ちになったのか

トマス・J・スタンリー、
広瀬順弘訳

日本経済新聞社
初版2001年5月18日

 『となりの億万長者』の続編、"The Millionaire Mind"の日本語訳。

 ものを大事にすること、壊れたり古くなったら修理して使うこと、ことさら靴底を張りかえることを強調されていた。金持ちは、いい靴を履き、古くなったら靴底を張り替えて履き続けるのだそうだ。

 よき配偶者を得ることも、億万長者になるための重要な条件なのだそうだ。

  • 本当に聡明なミリオネアは、自分の好きな職業、それも競争相手のあまりいない、高い収益を生む職業を選んでいる。(20頁)
  • 往々にして、成功するということには、仲間外れになるという犠牲が伴う。(63頁)
  • 億万長者のなかでも、純資産が1000万ドル以上のスーパーリッチは競争心がきわめて旺盛で、批判さえも歓迎する傾向がある。(66頁)
  • 働けば働くほど、運は向いてくるものだ。(83頁)
  • 成功するためには、持って生まれた高い知能よりも、懸命な努力のほうが重要である。(107頁)
  • リスクは冒してもギャンブルはしない(146頁)
  • 自分で金儲けの方法を見つけることができなかったら、あんたは一生人の下で働くことになりますからね。(198頁)
  • 今日やった仕事で何ドル稼いだかは、あまり重要ではない。真に重要なのは、今日努力した結果、将来何ドル懐に入るかということなのだ。(262頁)

6

ザ・ゴール

エリヤフ・ゴールドラット
三木本亮訳

ダイヤモンド社
初版2001年5月17日

 1984年に発売され、全米で250万部売れた"The Goal"の日本語訳。この本に書いてあることを実践した企業の収益がどんどん好転していったという。このような本を日本企業に読ませてなるものかと、日本語訳に著者は反対していたが、昨今の調子の悪い日本を見るにつけ、日本語訳のお許しが出された。

 今岡善次郎著『サプライチェーンマネジメント』に本書の内容の要約が載っているので、この分厚い本を読む暇のない方は、そちらを参照されては。

7

8時だヨ!全員集合伝説

居作昌果

双葉文庫
文庫版初版
2001年7月20日

 1999年に出版された全員集合のプロデューサー居作昌果著の『8時だヨ!全員集合伝説』の文庫版。

 毎週見ていた番組の、表には現れない苦労話が満載であり、非常に興味深く読むことができた。

 ドリフターズがビートルズの武道館公演の前座をやったことは有名だが、その会場に当時高校二年だった志村けんがいたことは知らなかった。

 志村けんはドリフに入った当時は、人気が全くなかった。しかし、東村山音頭で一気に花道を進むようになった。

8

悲華水滸伝 三

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年7月15日

 三巻では、いよいよ108星が水滸に揃う。

9

甲子園名選手列伝

一路翔

宝島社文庫
文庫版初版
2001年7月7日

 甲子園を沸かせた34人の名選手を紹介した一冊。

 1974年生まれの私にとって、甲子園のヒーローと言えば、桑田・清原になる。年配の方にとっては、徳島商業・坂東英二、三沢高校・太田幸司などになるのだろう。

 元木大介はすでに高校のときから隠し玉をやっていた。

 王貞治は高校2年で甲子園優勝投手になったのだが、高校3年になってからは投手としてはさっぱりだった。 その原因は、冬に卓球に、はまったことによる。オーバースローなのに、体の使い方がサイドスローになってしまった。

10

小説山中鹿介

童門冬二

学陽書房人物文庫
文庫版初版
2001年7月19日

 いきなり上月城の場面から物語が始まる。上月城の落城を描いた作品なので、山中鹿介の活躍は今ひとつ描かれてなかった。

 山中鹿之介は私のふるさとの英雄なので、もっとかっこよく描いてもらえると大変嬉しいのだが。

読書録2001年一覧  ホーム