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No. 題名

感想

1

ジャック・ウェルチ
わが経営 上

ジャック・ウェルチ、
ジョン・A・バーン
宮本喜一訳

日本経済新聞社
初版2001年10月22日

 ジャック・ウェルチ前GE会長著の"jack"の日本語版。副題は、"STRAIGHT FROM THE GUT"。

 ジャック・ウェルチのことは、ある程度知っていたが、彼の母親については、あまり知らなかった。ジャックの母親がGEの経営者になっていれば、もっと発展したのではないかと思わせるような人物である。

 「近道はない」というのが、ジャックの母親の言葉で最も印象的であった。

第1部 GEトップへの道

  • 私の経営にかんするさまざまな基本姿勢−−勝つために全力で戦う、現実を直視する、硬軟使い分けて部下のやる気を引き出す、無理と思えるほど高い目標を掲げる、仕事がきとんとなし遂げられたかどうか執拗に確認する−−も、元をたどれば母の影響かもしれない。(19頁)
  • 母からもらった最大の贈り物は、自信だったかもしれない。(20頁)
  • 博士論文の面白いところは、研究に没頭するあまり、ノーベル賞候補になる研究をしているような気がしてくることだ。(イリノイ大学時代の話 38頁)
  • 差をつけることは、極端にやってこそ意味がある。有能な人は大切にするべきであり、無能な人は排除すべきだ。(49頁)
  • 部下が過ちを犯したとき、もっとも避けなければならないのは厳しい懲罰だ。このときこそ本人を励まして信頼感が生まれるようにすべきなのだ。上司の仕事は、部下に自信を取り戻させることだ。落ち込んでいる人を「鞭打つ」ことだけは絶対にしてはならない。(54頁 ★さすが20世紀最高の経営者★)
  • 私は「建設的衝突」が大好きで、さまざまなビジネスの課題についておたがいに腹蔵なく話し合うことによって、最善の決定に結びつくと考えていた。(76頁 ★インテルのアンドリュー・グローブも同じようなことを言っていた★)
  • 化学・冶金部門のトップになりたてのころ、私が衝動的に人をクビにすることがあったことは素直に認める。しかし、経験を積むうちに、解雇の仕方について多くのことを学んだ。それは経営者にとって、もっともつらい、もっともむずかしい仕事だ。(77頁)
  • 時間がたつにつれ、私が求めているのは、情熱にあふれ何かをやり遂げようとする意欲に燃えている人であることがわかてきた。履歴書を見ただけでは心のなかの熱さは伝わってこない。それは「感じとる」しかなかった。(93頁 ★私自身の転職面接の経験ですが、企業の採用担当者も意欲や情熱を重要視してました★)
  • 社員に対してはキャリアの早い段階で、一見無理と思える仕事をまかせて賭けてみるほうがよいと考えていた。たいていの場合、与えられた仕事をいっそう活力と情熱を注ぎ込み、一人ひとりが人間的にも大きく成長する。(137頁)

第二部 哲学の確立

 1981年12月8日、ウォールストリートのアナリストに対してのスピーチからナンバーワン、ナンバーツー戦略は始まった。
 成長するビジネスを発掘し、そこに進出する企業
 競合他社から抜け出し、No.1、No.2を目指す
 スリムであること、
 コストが最低であること、
 製品とサービスのクオリティーが世界水準

  • 聴衆の前に立つたびに言葉がつっかえるのには苦労した。後退していく髪の生えぎわをなんとかごまかせないかと、四苦八苦した。(147頁 ★ジャックにもこんな悩みがあったのか★)
  • コストを削りすぎたり、そのスピードが速すぎたことが理由でつぶれた事業など、私は見たことがない。(164頁)
  • ナンバーワンかナンバーツーになることは、単なる目標にとどまらない。それは必要条件だ。(170頁)
  • 本物の経営の神様がいるとすれば、それがドラッカーだ。ドラッカーの数多くの経営書には、必ず珠玉の示唆が盛り込まれている。(174頁 ★ジャックもそう思っているのか★)
  • 1982年半ば、『ニューズウィーク』がはじめて「ニュートロン・ジャック」というあだ名を使い、建物だけ残して人を切る輩だと批評した。(199頁)
  • 社員に職を保証できると考えている企業は、それがどこであれまちがいなく袋小路に陥る。職を保証できるのは、満足して製品を買ってくれる消費者だけだ。(203頁)
  • 変化はスローガンやスピーチによって起こせるものではない。しかるべき地位にしかるべき人間を配置することによってはじめて起こせる。(214頁)
  • GEのリーダーに必要な4つのE Energy Energize Edge Execute(251頁)
  • 下位10%を切る(解雇する)のは冷酷だとか、残酷だという声もある。そんなことはない。まったく逆だ。成長や昇進の見込みのない人間を残しておくことこそ、残酷であり、「間違った親切」ではないか。(255頁)
2

ジャック・ウェルチ
わが経営 下

ジャック・ウェルチ、
ジョン・A・バーン
宮本喜一訳

日本経済新聞社
初版2001年10月22日

 下位10%の人間には辞めてもらう、というのが一番印象に残ってしまう。解雇を決断するのは辛いことだが、強い組織を作るには必要なことだと、主張されている。またこれは、従業員20名くらいの衣料店でも、適用できると言われている。
 
あまり小さな組織で毎年10%の人を解雇していれば、組織自体が消滅してしまうと思うのだが。

 解雇と言っても、人材育成にジャック・ウェルチは力を注いでいるので、やるだけのことをやった上での解雇通告となる。ただの人減らしとはわけが違う。しかし、解雇対象者は、そのように思っているのかどうかは分からない。解雇を言い渡す方も辛いことである、とジャックも述べている。

 戦略よりも人材に重点を置く経営手法というのは、社員にとっては、厳しいだろうな。楽しく働いています、と思っている人はいるのだろうか。

第三部 試練の波

  • すぐれていること、競争力があることは、正直であること、誠実であることと矛盾するものではありません。(103頁)

第四部 流れを変えるイニシアチブ

  • 1990年代われわれは、グローバル化、サービス、シックスシグマ、Eビジネスという四大イニシアチブを追求した。(124頁)
  • 私はかねがね、「グローバルな企業」といったものはないと考えていた。企業がグローバルなのではない。グローバルなのは事業のほうだ。(133頁)
  • GEの戦略でもうひとつの重要な要素は、グローバル化に対して一般とは違った見解をとることだ。われわれは、世界のなかで過渡期にある地域や不人気の地域に的を絞った。そういう地域にこそ、最高のリスク・リターン特性をもつビジネスチャンスがあると考えた。(143頁)
  • シックスシグマこそ包括的な経営トレーニングに求められているツールそのものだろう。なぜなら、これは製造環境に応用するのと同じように顧客サービスセンターにも応用できるからだ。(185頁)

第五部 過去を振り返る、未来を見つめる

  • 私には本音とたてまえはない。やり方はただひとつ−−真っ直ぐに前進するのみ。(250頁)
  • 適材適所の人員配置は戦略の構築よりもはるかに重要だ。(254頁)
  • 自信のある人とは自分を飾らないでいられる人だ−−あるがままの自分が気に入っており、そのあるがままの姿をさらけ出すことを恐れない人だ。(257頁)
  • 一部の政治家やエコノミストがアメリカの雇用機会を創出しているのは小さな起業家的企業だと主張しているのを聞かされるたびに、本当に頭にくる。実際には、そうした雇用のほとんどは大企業から意図的に外に出されたものだ。(280頁)
  • あらゆる仕事に命を吹き込むのはすぐれた人材であって、すぐれた戦略ではない。(337頁)
3

国家なる幻影 わが政治への反回想 上

石原慎太郎

文春文庫
文庫版初版
2001年10月10日

 1999年1月に出版された『国家なる幻影』がこの度、文庫版で出版されたので読んでみた。初出は、『諸君!』1996年1月号から1998年8月号。

 石原氏の25年の議員生活を振り返った本であり、思想についても存分に披露されており、読んでいて共感する部分が多かった。

 日本の将来に不安を抱く人は多くいると思うが、経済的な問題に限っている人が多いのではないだろうか。この不景気が何かのきっかけで好景気となれば、日本の将来に対する不安感は、多くの人が忘れ去ってしまうのではないかと思う。
 景気の問題とか、高齢化社会がやってくるとか、そういうことではなく、精神的な問題として日本の将来を憂慮している人が本書を読むと考えさせられることが多いと思う。左翼思想の人も、我慢しながら読めば、得られることが多いのでは、と思う。

 憂いや批判ばかりの内容ではなく、ちょっとしたユーモアも交えてあるので、あきずに読める本であった。

■細川護煕
 細川護煕を政治の世界は引っ張ってきたのは、石原氏であった。『日本の新しい世代の会』で候補者を探していたところ、縁あって、細川氏を参院選に立候補させることになった。
 細川氏は、自分が政治家を志したのは、祖父近衛文麿の影響だと頻繁に言っているが、それは、石原氏の入れ知恵らしい。立候補に当たって、もっともらしい理由を石原氏が考え、それを細川氏がずっと自分の考えとして話しているいるようだ。

■天皇陛下万歳
 明治百年の行事の際、「天皇陛下万歳」という声が客席から上がった。そのとき、会場にいた議員全てが自然に万歳を三唱した。かつてこの国にあった連帯感をみなが感じ、再確認していた。

■在日米軍は番犬様
 何かの委員会の際、
在日米軍のことを椎名悦三郎氏が
「まあ、番犬みたいなものですな」
 と答えたら、それでは失礼ではないかということになり、
「失礼しました、いい直します。番犬様であります」
 と言ったら大爆笑になった。

4

国家なる幻影 わが政治への反回想 下

石原慎太郎

文春文庫
文庫版初版
2001年10月10日

■フィリピンのアキノ氏との友情
 石原さんがフィリピンのアキノ氏と堅い友情で結ばれていたとは知らなかった。

■大韓航空機
 ソ連による大韓航空機撃墜の真実として、アメリカがからんでいると述べられている。航空機が撃墜されたその日は、ソ連が大陸弾道弾の実験をした日であり、アメリカはその情報を収集するために、偵察機として韓国の民間旅客機を使った。というようなことが書いてあった。

■竹下登
 石原慎太郎は、竹下登のことを「天才」だと評していた。あまり表舞台に登場せず、帷幄にあって謀をめぐらす様は、石原慎太郎好みなのかもしれない。

■小沢一郎
 小沢一郎は酷評されている。巷間言われているほどの人物ではない、とのことだ。
 私自身は、小沢一郎のような我侭な人間は、ただの批判勢力としては非常に役に立つと思うのだが、石原氏はそれさえも認めないようだ。

■経済学者N
 あるテレビ番組の控え室で、石原氏に、大学後輩の著名な経済学者Nが、『「NO」と言える日本』について批判してきたので、理由を尋ねたら、本を読んでないことがすぐにわかったそうだ。
 小癪にさわったので、問い詰めるとおろおろしてしまい、竹村健一氏がとりなしたので、そこで止めたとのこと。
 一橋出身で著名な経済学者Nとは、中谷巌氏のことだろう。その中谷氏は、今はソニーの社外取締役。『「NO」と言える日本』の共著者はソニーの盛田昭夫氏。

5

赤の発見 青の発見

西澤潤一、中村修二

白日社
初版2001年5月19日

 赤色LEDを開発した西澤先生と青色LEDを開発した中村先生の対談を『赤の発見 青の発見』という題名で一冊にまとめたもの。中村修二氏は、青色LEDだけが有名だが、西澤潤一氏は、LEDだけでなく他にもいろいろな発明品がある。きっと本書の題名に不満を持って怒りまくったに違いない。

 技術者同士の対談なので、話が専門的な内容となっている。物性科学、材料工学の知識がない人は、読んでいてパニックになることだろう。

■電子顕微鏡と光学顕微鏡
 開発にあたっては、電子顕微鏡よりも光学顕微鏡の方が役に立つ。光学顕微鏡とさっと見て、中まで分かるような勘を養うことが非常に大事なのだそうです。

  • 化合物半導体のマーケットは、1/4が電子デバイスで、3/4がオプトデバイス。(中村 140頁)
  • 私はよく「闘う」とか「喧嘩する」とか書かれてきたんですが、こっちから喧嘩しに行ったことはない。すべて、まわりから吹っかけられてきたもの。(220頁 西澤)

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