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No. 題名

感想

1

選択の自由

M&R フリードマン、
西山千明訳

日経ビジネス人文庫
初版2002年6月1日

 1980年に出版されたものの文庫版。FREE TO CHOOSEというのが原著の題名。シカゴ学派でマネタリストのミルトン・フリードマンとその妻ローズ・フリードマンの共著。

■日本の読者へ
 経済学分野や政治学分野における基礎的な諸法則というものは、物理学の分野における基礎的な諸法則と同様に、文化的・遺伝的諸特徴における各国社会間の相違の大半を超越して自らを貫徹させるものだ。(18頁)

■プロローグ
 アダム・スミスの言葉「個人が初めから社会の利益を増大させようという意図をもっている場合よりも、自分だけの利益を追求する場合の方が、もっと効率的に社会の利益を増大する場合がしばしばある。」(36頁)

第3章 大恐慌の真の原因

 1929年の大恐慌について述べてある章。
 アメリカ国内の通貨量を増やすべきところを、誤って連邦準備制度が減らしてしまった。通貨供給量の減少が大恐慌の原因。

第4章 ゆりかごから墓場まで

 章題は、エドワード・ベラミーの小説『ひるがえってみれば』(1887年)で使用された言葉。福祉国家の代名詞となってるらしい。確か、ドラッカーの著書にも出てきたような記憶が。

■福祉支出費浪費の真因
 他人のお金を自分のために使う、ということになるので、使用するお金を減らすつもりはないが、使ったお金に関して最大限の価値を得たい、という気持ちになる。どんどん浪費される。

  • 社会福祉政策が掲げたいろいろな目的は、すべて高貴なものであった。これに対して、政策がもたらした実際の結果は、人びとをますます失望させるものでしかなかった。(234頁)
  • 公共住宅政策によって建設された建物それ自体が、その後しばしばスラムとなり、犯罪、とりわけ未成年の犯罪に対する巣窟となった。(263頁)
  • ガモン博士の「官僚化による優劣置換の理論」…「どんな組織であろうが、それが官僚化すればするほど、より広範に優れた仕事が劣った仕事によって置き換えられるようになる。」パーキンソン法則のひとつの興味深い変形。(272頁)
  • 権力の行使こそが福祉国家の核心であり、それが達成しようと目指しているよい目的でさえも、この悪い手段がやがて腐敗させていく。(282頁)

第5章 何のための平等か

 アメリカの平等:「神の前における平等」→「機会の平等」→「結果の平等」と推移してきている。

 平等を達成するために強制力を使用することは、自由を破壊することになる。(344頁)

第8章 労働者を守るものは誰か

  • 強い労働組合がその組合員に対して獲得する賃上げは、主として他の労働組合の犠牲においてである。(520頁)

第9章 インフレに対する治療

 われわれは「インフレか失業か」という偽りの二者択一によって、誤って導かれてきた。このような選択は幻想でしかない。ほんとうの選択は、いっそうのインフレの結果としていっそう高率な失業率を発生させるか、それともインフレを克服していくための一時的な副作用として失業に耐えるか、ということでしかない。(610頁)

2

広島カープ

松永郁子著、駒沢悟監修

宝島社文庫
文庫版初版
2002年6月8日

 広島カープの苦難の歴史を描いた著書。単行本としては2001年8月に出版されている。

 長谷川良平がカープに入団する場面から物語は始まる。昭和25年、広島駅に降り立った長谷川少年は、あたり一面の焼け野原に我が目を疑う。・・・

 昭和24年創設、翌25年からセリーグに参加、しかし経営難に陥ったため昭和30年12月に偽装倒産し借金棒引きにしてもらい復活。・・・なかなかすごい経歴である。

3

小説 秦の始皇帝

津本陽

角川書店ハルキ文庫
文庫版初版
2002年6月18日

 津本陽が描く秦の始皇帝。

 「秦王は鼻が高く、蜂のような形をしている。目は切れ長で、鷹のような胸の形。声は豺(さい:山犬)の吠えるようで、情愛うすく、虎狼のように残忍な心の人だ。窮しているときは、平然と下手に出て相手の機嫌をとりむすぶが、志を得て成功すれば、人を軽んじ食いものにしてはばからないだろう。」
 秦の始皇帝を評した著名な上記の言葉は、本書では尉繚が知人に言った言葉ということになっている。

始皇帝暗殺の荊軻がうたった易水のうた
 風蕭々とし易水寒し
 壮士ひとたび去ってまた還らず
…趙の太子丹のうただと思っていたが、私の記憶違いか、または、著者の新解釈か。

4

マッキンゼー式世界最強の仕事術

イーサン・M・ラジエル
嶋本恵美、田代泰子共訳

英知出版
初版2001年4月20日

 THE McKINSEY WAY,1999の邦訳。

 顧客と技術的な打ち合わせをして、御社の製品に弊社のこの部品を使えばこんなに効果的です、というやりとりをすることを仕事にしている私ですので、コンサルティング業務から何かヒントはないものかと思い、読んでみた。

 マッキンゼーのような会社であったも、クライアントと仕事をするためには、ただよい問題解決策を提示するだけではだめで、人間同士の信頼関係の構築のための活動を地道に行なっている。

Part1 ビジネス問題の考え方

■MECE:mutually exclusive, collectively exhaustive
  互いに重ならず、すべてを網羅する(23頁)
 問題解決に不可欠な条件で、マッキンゼー卒業生が最もよく覚えていること。

■最初の会議で問題を解決してしまう(28頁)
 当初仮説…行動する前に問題の解決策を考える

■その問題は本当に解決すべき問題なのか(38頁)
 クライアントは「インフルエンザにかかって」と言って診察室にやってくる患者のようであり、実際診断してみるまで本当の病名と治療方法は分からないことが多い。

■初めての問題など存在しない(41頁)

■壁にぶつかったときの解決方法(56頁)
 まず、問題を再定義する。
 それから、少しずつ改善しながら前進する。
 さらには政治にめげず仕事をする。

■80対20の法則(偉大なる心理)(62頁)

■エレベーター・テスト(30秒でプレゼン)(70頁)
 時間のないクライアントにエレベーターでの移動中の30秒間で、問題点の解決策をはっきりと正確に説明できるようにならなければならない。

■「見当もつかないは暗号」(ヒントを見逃さない)(86頁)

Part2 ビジネス問題の解決方法

■マッキンゼーは売り込みをしない(93頁)
 マッキンゼー創業された第2次大戦前、専門家によるサービスを提供する会社が宣伝や営業活動をすることは、品格を下げることだと思われていた。時代が変わっても、この売込みをしないという伝統はコンサルティングという事業に適しているため、マッキンゼーでは生き続けている。

■あくまで達成可能な目標を設定する(96頁)

■チームのきずなを深めるには(106頁)
 マッキンゼー人にとってチームのきずなを深めるための行事は当たり前。プロジェクトの期間中、少なくとも2,3回、マッキンゼーが費用を負担して、クライアントとともに、食事をしたり、ショーや試合を見に行く。

■チームの士気に気を配る(109頁)

■上司を引き立てる(116頁)
 上司が引き立つようにしておけば、上司も花をもたせくれる。
 階層型の組織であれば、明けても暮れても、自分の世界で一番重要な人物は上司である。

■自己主張するときはリスクを覚悟で(118頁)

■面接の本質―聴きかつ導く(134頁)
 面接調査の相手に、自分が聴いていることを絶えまなく知らせる。

■面接調査を成功させる7つの戦略(137頁)
 (1)相手の上司に面接のお膳立てをしもらう
 (2)二人で面接をする
 (3)誘導しないで聴く
 (4)言い換える
   …相手の答えを少し言い方を変えて繰り返す
 (5)間接的アプローチを用いる
 (6)求めすぎない
 (7)刑事コロンボの戦術を用いる
  面接が終わり相手がリラックスしたときに質問をする

Part3 解決策の売り込み方

■だれにでもわかる道順を示す
 これから何を話すか告げる→話す→何を話したかを告げる

■関係者全員に事前報告する
 優れたビジネス・プレゼンテーションには、聞き手が初めて耳にすることが含まれていてはいけない。

■メッセージを効率よく伝える3つのカギ(190頁)
 (1)簡潔さ
 (2)完全さ
  メッセージには相手が知りたいことがすべて含まれているようにする。上司に「XとYとZをしています。何かありましたら、ご連絡ください」ではなく、自分がしていることと、問題点とそれについてどう考えているかも知らせる。
 (3)構造

■クライアント・チームを味方につける(199頁)
 クライアントの目標をわれわれの目標にする。マッキンゼーと作業をすることがプラスになる経験だということを認識させる。キャリアに役立つことを理解させる。

■クライアントのやる気を引き出す(206頁)
 ピンクのリボンを結んできれいに包装したような解決策を手渡すより、クライアントに解決策の策定に関与し、理解していると感じさせるほうが、長い目で見れば仕事に対する見返りはずっと多い。

Part4 マッキンゼーで生き抜く方法

■自分だけのメンター(師匠)をみつける(217頁)

5

マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック

イーサン・M・ラジエル、
ポール・N・フリガ、
嶋本恵美、上浦倫人共訳

英知出版
初版2002年4月30日

 THE McKINSEY MINDの日本語訳。

 「分析」「プレゼンテーション」「マネジメント(管理)」について述べた本。

 仮説主導の意思決定、チームワークに気を配る、などが印象的。

 次回作があるのなら、もっとプレゼンテーションについて教えて欲しい。

第1章 問題の構造を把握する

■論理ツリーを活用する(42頁)
 問題を分解するのに論理ツリー(樹形図)を利用する。

■最初の会議で問題を解決する(47頁)

第2章 分析を計画する

第3章 データを収集する

■面接は「何か聞き忘れたことはありませんでしたか」で締めくくる。(104頁)

■面接ガイド(109頁)
 面接相手に不意打ちをかけたいときは別だが、面接ガイドは相手に前もって見せる。また、面接ではメモをとり、終了後、判読できるようにする。

第4章 分析結果を解釈する

■コンサルティングとは分析することではなく、優れた見識を示すことだ。(138頁)

■事実が仮説と矛盾するときは、仮説を変える(142頁)
 経済学者のケインズは、以前の主張と矛盾していると非難されたのを受けて、「事実が変われば、私は考えを変える。あなたならどうしますか」と応じたものだ。

■クライアントに合った解決策を提案する(147頁)

第5章 最終結果をプレゼンテーションする

■マッキンゼーのコンサルタントは、自分の考えを出席者に「なるほど!」と思わせるように明確に伝えるのがプレゼンテーションだと叩き込まれる。(159頁)

■筋の通ったプレゼンテーションは、一つのテーマからサブテーマがいくつか現れてくるようになっているものだが、そういうのを組み立てられる人はあまりいない。(164頁)

■最初のスライド(166頁)
USA社は、時間を短縮できる新しい処理プロセスによって、スラム・マットの限界費用を減らすことができる
・新しいプロセスは節約になる(効果を説明)
・新しいプロセスを実施するリソースが社内にある(実施可能を説明)
・スラム・マットの品質をを維持しつつ、新しいプロセスを利用できる(品質は変わらないことを説明)

■第2セクションのリード(167頁)
社内に新しいプロセスを実施するリソースがある
・新しいプロセスに対応する設備が社内にある
・社員が新しいプロセスの操作に必要なスキルを持っている

■結論から始める(168頁)
 結論や提案を先に提示することは、帰納法と呼ばれている。帰納法を簡単に言うと「Xだと思う。その理由はA,B,Cだ」。
 対照的なのは演繹法「Aは正しく、Bが正しく、Cも正しいので、したがってXだと思う」。
 帰納法の方が話の確信に至るのがずっと早く、読むのに時間がかからず、はるかに迫力がある。マッキンゼーは帰納法を好む。

■関係者全員に事前報告をする(176頁)
 優れたビジネス・プレゼンテーションには、出席者が驚くような意外な内容が含まれていてはいけない。

第6章 チームをマネジメントする

★情報をスムーズに流す(201頁)
 情報は、金や物質とは違い、共有することで価値を増し、チーム全員に利益をもたらしてくれる。

■チームワークについての教訓:コミュニケートせよ、コミュニケートせよ、コミュニケートせよ(204頁)

■人間が否定的コメントから吸収し実行できる教訓には限りがあり、それを越えれば、あとはやる気を失うばかり。(226頁)

■部下の業績に影響をおよぼすには、少し多めの肯定的コメントを与えなければならない。(226頁)

■「もっとがんばれ!」と「すごいぞ!」の両方をもう少し使ってみるべきだろう。(226頁)

第7章 クライアントをマネジメントする

■ニーズを押しつけるのではなく、引きつける(235頁)

■クライアントとの関係を調整する
 ・クライアントを巻き込む
 ・いつも客観的視点を忘れない
 ・クライアント・チームを味方につける
 ・足を引っ張るクライアント・チームメンバーをうまく扱う
 ・低い枝の実を採る
 ・相手の組織全体の支持を獲得する

■クライアントを保持する
 ・責任を分け合い、そのあとに委譲する
 ・クライアントをヒーローにする

第8章 あなた自身をマネジメントする

■自分の上司を引き立てる(254頁)
 上司を立てれば、上司もあなたを立ててくれる。

■古い諺に「ストレスとは、心では<いやだ>と思っているのに、口が<はい、喜んで>と答えているときの感情だ」というのがある。(263頁)

6

知的な女性はスタイルがいい。

中谷彰宏

PHP文庫
文庫版初版
1999年5月20日

 まさに知的な女性はスタイルがいいと思う。しかし、本書は知性の話ではなく、ダイエットの話であった。結構、生理学的なことも書いてあり、勉強になった。

 遠くを見て歩く、腕組みをやめる、というのがよいスタイルを保つのに効果的。

7

大人の友達を作ろう。

中谷彰宏

PHP文庫
文庫版初版
2002年7月15日

「なるほど、そうだね」と言われると、人間はうれしい、と25ページにあるが、中谷本には、まさにそう思えるものが多い。

 遊び友達は、遊び場では出会えない。
 仕事仲間は、仕事場では出会えない。

8

英雄にっぽん 
小説山中鹿之介

池波正太郎

集英社文庫
文庫版初版
1979年2月28日

 山中鹿之介の小説は、何冊か読んできたが、この池波正太郎氏が一番良かった。

 天下全てを我がものとしようとする信長と、月山富田城ひとつに固執する山中鹿之介。この両者の違いが絶妙に表現されていた。

 

 

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