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No. 題名

感想

1

新版・企業の人間的側面 統合と自己統制による経営

ダグラス・マグレガー著、高橋達男訳

産能大学出版部
初版1966年6月27日
新訳初版1970年8月20日

The human side of enterprise by Douglas McGregor

キーワード:「X理論、Y理論」「スキャンロンプラン」「生物的欲求、社会的欲求、自我の欲求、自己実現への欲求」

 人材マネジメント関連の著書で頻繁に目にするマグレガーの名著。本書では、人の問題こそ企業の「決め手」であることを論証しようとした、と前書きにある。

 X理論、Y理論の本家マグレガーの著書を初めて読んだが、Y理論はとても経営者に厳しい理論であった。…すべて経営者が悪い。

■専門家というものは目標を達成しようとする場合、まず知識に頼ろうとする。(3頁)

■統制ということは、相手の人間性を自分の望みに合わせるのではなく、自分のほうが相手の人間性に合わせたやり方をすることだと認識してはじめて、統制力を向上させることができるのである。(13頁)

■企業においても、現代社会における一般の場合と同じく自由にふるまおうとすれば責任という代償を払わねばならないのである。(16頁)

■どんな地位にある経営者であろうと、自分の部下をたよりせざるをえない。(27頁)

■命ぜられたことしかやらない態度、敵意、責任のがれの態度を、部下のもって生まれた「人間性」のせいだとしたら、それはまちがいである。こういう形の行動はつまり、部下の社会的欲求や自我の欲求が満たされないことから起こる病気の「兆候」なのである。(46頁)

■企業内の人間がうまく協調できないのは、それは人間性がもともとそうしたものだというのではなく、その人間のもつ能力を引き出す手腕が経営者にないからであるとY理論は指摘する。(55頁)

■X理論では会社の業績が上がらないと、経営者は簡単にこじつけて、それをいっしょに働く人間の性格のせいにしてしまう。それに対しY理論は、この問題をすべて経営者のせいにする。(56頁)

■統合とそれに基づく自己統制の考えのいわんとするところは、企業目標と従業員個々人の欲求や目標をはっきりした方法で調整できれば、企業はもっと能率的に目標を達成できるという点にある。(57頁)

■組織と個人の統合原理によれば、自分の将来に影響を及ぼす事柄の決定には、自分から進んで責任をもって参加しなければならない。(120頁)

■現代の会社は、上下・左右はもちろん「対角線」状にも依存し合う巨大な複合体である。事実その相互依存は絶大であるから、チームの協力がないととても会社をうまく動かすことができない。(206頁)

■リーダーの人柄は重要であるが、人柄として何が不可欠かは状況によって大いに異なる。(211頁)

■チームについての真のネライは、そのメンバーの異なった才能を相補うようにさせることである。(212頁)

■本書で論じてきたY理論による経営戦略の変更(目標設定、スキャンロンプラン、参加、スタフの専門職能、「農業的」方法による管理者の育成)は統合と自己統制による経営の第一歩にすぎない。(285頁)

2

変わる春闘 歴史的統括と展望

高梨昌

日本労働研究機構
初版2002年10月10日

 戦後から2002年にいたる春闘の歴史をつづった本。元は英語版だったらしい。

■1955年度の総評定期大会で、春季に一斉に賃金引上げ交渉を集中して実施することが決定され、第一回春闘が1956年春から開始されることとなった。(4頁)

■遅れて春季に賃上げ交渉を行なうようになった同盟系の組合は、「賃闘」と称していた。これが連合に統一されてから「春季賃金総合生活改善闘争」と改称された。(4頁)

■1987年に民間労組の結集体として誕生した「連合」は、1989年には官公庁労組を加えて800万人の一大ナショナルセンターに発展し、総評、同盟は解散して、労働界の指導体制は大きく変化した。(32頁)

■財界の労務部といわれる日経連と経団連の統合話が、2000年春闘後に急浮上した。経団連の今井敬会長が、統合すれば少子高齢化に対応した社会保障政策など財界の主張を強く押し出せることから、両組織の統合に前向きの発言をした。これを受け日経連の奥田碩会長も夏の日経連トップセミナーで統合に積極姿勢を示した。そして、2002年5月の組織統合を目指して、具体的な準備作業に入り、予定通り統合を果たし「日本経団連」(日本経済団体連合会)として発足した。(40頁)

■ベース・アップは、企業にとってほぼ均等の労務費負担増を意味していたから、その他の条件にして変化ない限り、ベース・アップは、企業間の競争条件を不均等にするものではなかったのである。このことが、産業レベルにしろ、ナショナル・レベルにしろ、こうした広がりをもった「春闘相場」の形成を容易にし、促進したといってよい。(48頁)

■「オイルショック」の影響もあり、1974年春闘では、30%台の大幅賃上げが実現した。

■労働争議の形態:ウォーク・アウト・ストライキ(または作業停止争議)、組織的怠業、ボイコット、座り込み、ピケッティング、職場占拠、デモンストレーション、ロック・アウト
とりわけ、日本の場合:ステッカー張り、リボン戦術、一斉休暇、沈黙戦術、安全運転、一斉小口預金や預金引き出しなどあげたらきりがない(85頁)

3

未来企業

ピーター. F. ドラッカー
上田惇生+佐々木実智男+田代正美訳

ダイヤモンド社
初版1992年8月20日

 

MANAGING FOR THE FUTURE by Peter F. Drucker

 ハーバード・ビジネス・レビューやエコノミストに掲載された論文を一冊にまとめたもの。

 1990年前後に書かれた内容には、日本を礼賛するものが多かった。

序章

■ウィーン市場の崩壊後、10年を経ずして、ドイツの宰相オットー・フォン・ビスマルクが、国民健康保険と強制老齢年金保険を発明した。(4頁)

I部 経済

■偉大な世代の最後の生き残りと言うべきミルトン・フリードマンは、さらにケインズの答えを進めて、「それさえしなくてよい。貨幣供給量を確実に増やしさえすればよい」とした。サプライサイド派は、もっと単純だった。減税しさえすればよいとした。これ以上に素晴らしく気持ちよいことがあり得るだろうか。(35頁)

■「日本の成功の原因は何か」が、今日最も議論されている話題である。しかし、日本の資本コストに言及する人は、ほとんどいない。(81頁)

■世界中で、日本人ほど意思決定に優れた人々はいないのである。(94頁)

U部 人

■知識労働者とサービス労働者という、労働力において新たに支配的な存在となった人たちの生産性が、先進国の経営管理者にとって、今後数十年にわたって、その直面する最も大きなかつ最も難しい課題となる。(111頁)

■しかし、知識労働やサービス労働の生産性の向上をはかる場合に、まず問うべきは、「何が課題か。何を達成しようとしているか。なぜそれをするのか」でなければならない。(117頁)

■リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定めて、それを維持する者である。もちろん、妥協することもある。効果的なリーダーは、自分が世界の支配者ではないということを痛いほど知っている。(147頁)

V部 マネジメント

■結局のところ、昇進してゆく上司の部下になることが、成功のための最高の方法である。(199頁)

■上司を低く見るならば、上司はそれを見抜き、根にもつ。あるいは、あなたが上司の頭や知識を問題にしたのと同じように、今度は上司があなたの頭や知識を問題とし、あなたが無知で愚鈍で想像力に欠けると見るようになるに違いない。(203頁)

■アルフレッド・P・スローンは、1920年代から30年代にかけて、彼自身が実際に顧客に接することによって、GMを世界第一位のメーカーに作り上げた。(226頁)

■コスト削減には、仕事そのものをすっかり廃止してしまうことが、抜きん出て有効な方法である。しかもそれは、恒久的なコスト削減を実現してくれる唯一の方法であるかもしれない。(240頁)

■あらゆる仕事、あらゆる活動について、概ね3年ごとに、「本当にこれをする必要はあるか、それともやめるべきか」を問わなければならない。(244頁)

W 組織

■研究開発は、一つの活動からなるものではない。三つの活動からなる。改善、管理的進化、イノベーションである。この三つは相互補完的ではあるが、全く異質である。(347頁)

■「管理的進化」は、新しい製品やプロセス、サービスを利用して、さらに新しい製品やプロセスやサービスを生み出すことである。そのモットーは、「成功した新製品は、次の新製品の踏み台となる」というものである。(347頁)

 

 

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