日経新聞夕刊に連載され、日本経済新聞社から2001年6月に出版されたものの文庫版。
1581年正月から1582年6月2日の本能寺の変までを描いた小説。
主人公は、関白近衛前久であり、この前久が本能寺の変の黒幕である、という設定となっている。
近衛前久は、1560年から3年間、上杉謙信と行動をともにし、関東に攻め上ったりした人物である。
本書では、足利義昭が画策した信長包囲網も、黒幕は近衛前久としてある。
■左義長(74頁)
左義長は、小正月の火祭り行事だが、その起源は朝廷で行われていた打毬(だきゅう)にある。
■細川藤孝の母は当代最高の学者とたたえられた清原宣賢の娘で、足利義晴の侍女として仕えるうちに藤孝を身ごもった。(113頁)
■暦(467頁)
暦は、いにしえより朝廷が司ってきた。初めは百済や唐の暦法に従って暦を作ったが、文武天皇の御代に中務省の陰陽寮に暦博士を置いて独自の暦を作る体制をととのえた。ところが、朝廷が衰微してくると、伊勢暦や尾張暦、三島暦など、それぞれの地方の実情に合わせた暦が作られ、利用されてきた。