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ビジネスEQ 感情コンピテンすを仕事に生かす

ダニエル・ゴールマン著
梅津祐良訳

東洋経済新報社
初版2000年6月8日

Working with Emotional Intelligence by Daniel Goleman

 ダニエル・ゴールマンのEQシリーズの第2弾。今回は、ビジネスに役立つように書いてある。ということで、ビジネス関係の豊富な例が載っていた。

■つまり今日のビジネスの世界では、戦略よりも人事が重視されている。(i頁)

■感情をコントロールできない状況では、頭の良い人たちも急におろかになってしまうのだ。(36頁)

■すべての分野のすべての職務における卓越した業績には、純粋な認知能力と比較して、感情コンピテンスが二倍の重要性を備えていると結論し得る。(53頁)

■人々は、ほかの人と会ったときに、その最初の30秒間に直感的に、この人に対して15分後、あるいは半年後に持つであろう基本的な印象をつかんでしまう。(85頁)

■平均的な人材のほうは、彼等に与えられた、どのようなプロジェクトにも満足してしまうのに対して、卓越した業績を上げる人材は、どのようなプロジェクトが彼らを仕事に駆り立てるのか、どの人のもとで働いたら意欲が高まるのか、さらに自分のアイディアのうちどのアイディアがそのプロジェクトを意味あるものにするのか、といった点について十分に考察する。(93頁)

■自己についての正確な評価(99頁)
 自分の内部のリソース、能力、限界を理解する
 このコンピテンスを備えた人材は、(途中略)他人からの腹蔵のないフィードバック、新しいものの考え方、継続的な学習、自己の開発にオープンに対応する。

■道を踏みはずした経営幹部と、成功を収めた経営幹部を比較すると、両者間の大きな差は、成功に至らなかった経営幹部のほうは自分の失敗や欠点から学ぶことができなかった点である。(103頁)

■卓越した業績達成者は、自ら進んでフィードバックを求める。ほかの人たちが彼らをどう認識しているのかを理解したいと願う。(109頁)

■衝動をマネジし、感情を抑えるという自己統制は、前頭葉に所在する脳の執行センターと並んで存在している感情センターの動きによって生み出される。(134頁)

■コルチゾール…ストレスホルモン(141頁)

■不屈の努力をもってストレスに対応する人たちは、仕事とは努力を要するけれども興奮を呼び起こすものと認識し、変化を敵というよりは開発を進めるべき機会ととらえることを通じて、ストレスから生ずる身体に対する負担をより効果的に処理し、病気にもかかりにくいということが解明された。(146頁)

■オープンに、正直に、一貫性を保って行動するというこの統合性は、あらゆる職務において、卓越した業績達成者とほかの人たちとを峻別している。(149頁)

■きわめて高い誠実性を備えた人たちには、オーラのような雰囲気が感じられる。(156頁)

■コンサルティング心理学のパイオニアであるハリー・レビンソンが言うように、「組織のヘッドは、要するに教師なのだ」(245頁)

■誰でもあまりに忙しく仕事に追いまくられていると、その傾聴能力が著しく低下する。そして自分以上に忙しい人間はいるはずがないと考えて、横柄な態度を示してしまうのだ。(300頁)

■もっともすぐれたリーダーは温かく積極的で、感情を盛んに表明し、かつ民主的で、さらに信頼が厚い。(319頁)

■卓越したチームの業績が「グループIQ」を向上させるのだ。(347頁)   

2

EQリーダーシップ

ダニエル・ゴールマン、リチャード・ボヤツィス、アニー・マッキー、
土屋京子訳

日本経済新聞社
初版2002年6月24日

 Primal Leadershipというのが原著のタイトルだが、日本語版にはEQという枕詞が追加された。

 本書のユニークな点として、リーダーシップ理論と神経学を関連づけて論じていることを、序文で述べてあった。

 共鳴することが大事なんですね。

■リーダーシップスタイル
前向きなリーダーシップ
 (1)ビジョン型
 (2)コーチ型
 (3)関係重視型
 (4)民主型

危険なリーダーシップスタイル
 (5)ペースセッター型
 (6)強制型

  • 今日、世界中の組織がなすべきは、EQリーダーシップの価値を再認識し、こころの共鳴を起こせるリーダーを育て、従業員の力を引き出すことである。(7頁)
  • 笑い声は能率を向上させる。(23頁)
  • 軽度の懸念(たとえば、「締め切りが近づいている」というような意識)は注意力やエネルギー集中じ役立つが、長期にわたる不安はリーダーシップに悪影響を与え、脳の情報処理能力や対応力を阻害し、業績にも悪影響を及ぼす。反対に、快活な笑いや明るい雰囲気は、仕事に必要な神経の動きを活発にする。(26頁)
  • 結局、リーダーとして最も責任ある行動とは、自分の精神状態をコントロールすることだ。(68頁)
  • ナポレオンが言ったよう、「リーダーは希望を売り歩く人」なのだ。(163頁)
  • EQの高いリーダーは、肯定的なフィードバックも否定的なフィードバックも熱心に求める。(172頁)
1

EQ〜心の知能指数

ダニエル・ゴールマン、土屋京子訳

講談社
初版1996年7月24日

 Emotional Intelligenceの日本語版。原著にはEQという言葉は使われてなかったらしい。

 「思いやり」が大事なんですね。

第1部 情動の脳

 大脳にある「扁桃核」という神経核が情動と深い関係があり、この扁桃核と脳の他の部分の連絡が絶たれると、ものごとの情動的な意味が把握できなくなる。
 重症の発作を抑えるために扁桃核を除去する手術を受けたある青年は、他人に対する一切の関心を失い、ひとりで放っておかれることを好むようになった。(36頁)

  • 感情はすべて本質的には行動を起こそうとする情動であり、進化の過程で私たちの脳に刻みつけられた反射的な行動指針だ。(24頁)
  • 人生は、知性によって生きる者には喜劇、感性によって生きる者には悲劇である。(ホラス・ウォルポール 34頁)
  • 不規則な形をした図形をほんの一瞬だけ被験者に見せる。ほんの一瞬なので、被験者の意識にはその図形を見た記憶さえ残らない。にもかかわらず、被験者はその図形に対して選好性を示すようになる。ルドゥーの説明によれば、これは本人も気づかないうちに扁桃核が図形を記憶しているからだ。(43頁)
  • 強烈な情動の記憶は生後2,3年までの幼少時における養育者との関係から生じる場合が多い。(46頁)

第2部 EQ〜こころの知能指数

 怒りを静める方法として、怒りを発散させる(カタルシス)には問題があるというのが、ツィルマンの研究から分かっている、とのこと。怒りを発散させると、いい気持ちにはなるかもしれないが、怒りを解消させることはできない。

  • 心理学の公然の秘密として、学校のテスト、知能検査、SAT(大学進学適性検査)など広く世間で信用されている評価基準は人生における成功度の予言としてはあまり当てにならない、という事実がある。(60頁)
  • こころの知能指数とは、自分自身を動機づけ、挫折してもしぶとく頑張れる能力のことだ。(61頁)
  • ベンジャミン・フランクリン「怒りにはいつも理由がある。ただし、正当な理由はめったにない」(98頁)
  • ツィルマンは怒りをコントロールする方法を二通りあげている。ひとつは、怒りの発端となった理由をもういちど問い直してみる方法。怒りは、最初に衝突があり、それに対する評価から発生し、さらに評価検討がくりかえされて増大していくからだ。(102頁)
    第2の方法は、さらなる怒りを喚起する要因のない環境に身を移して、急増したアドレナリンのほとぼりがさめるのを待つ。(103頁)
  • 怒りを静める方法で効果が期待できそうなのは、怒りが静まるまでひとりきりになるという方法だ。(104頁)
  • 同じ程度の才能に恵まれた者たちのあいだで一流と二流以下を分けるのは、幼いころから何年も続けて困難な訓練に耐えられるかどうかだ。(129頁)
  • 幼いときに誘惑に耐えられる心を持っていた子は、青年になったとき、より高い社会性を身に付けていた。(132頁)
  • 楽観も、希望と同じで、後退や挫折があっても最後はうまくいくだろうという強い気持ちを維持できる能力だ。EQの観点からいうと、楽観とは困難に直面したときに無気力や抑うつに陥らないよう自分を守る態勢を意味する。そして希望と同じように、楽観は人生に恩恵をもたらしてくれる。(142頁)
  • フロー…才能の横溢(146頁)
  • 他人に対する共感的関心の差は、かなりの部分で親のしつけを関係あることが分かった。(159頁)

第3部 EQ応用編

 結婚生活をどうするか、ということが書いてあった。

  • 男と女では会話から期待するものがちがってくる。男は「ものごと」について話をするだけで満足するが、女は情緒的なつながりを求める。(203頁)
  • 心を開いて相手の話を聞く最も効果的な形は、言うまでもなく共感だ。(224頁)
  • 人生のあらゆる場面と同じく、結婚生活においても尊敬と愛情は敵意をやわらげる。(225頁)
  • 花形研究員は、仕事をスムーズにするために、仕事上重要な人々とのあいだに親密なネットワークを維持している。(249頁)

第4部 EQは教育できる

 赤ちゃんのころから教育する必要があるんですね。

  • 研究によれば、親から完全に無視されて育った子供は、親から虐待されて育った子供以上に深刻な打撃を受けるという。(298頁)
  • PTSDの症状は、過剰な覚醒状態になった扁桃核が心に傷手を負った瞬間のあざやかな記憶を意識レベルにむりやり保持しつづけようとしているしるし。(306頁)
  • デニス・チャーニー博士は、「破壊的な心的外傷を受けた犠牲者は、生物学的には二度と元通りにならないおそれがある」という。(310頁)
  • 赤ん坊の機嫌がいいときに抱いてやる時間と泣いているときに抱いてやる時間を比較したところ、過保護の母親は泣いている赤ん坊を抱いている時間のほうがはるかに長かった。(338頁)

第5部 情動の知性

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