読書録 中谷巌

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題名
初版発行日

感想
・印象的な内容

1

eエコノミーの衝撃

中谷巌

東洋経済新報社
初版2000年5月4日

 銀色の表紙が本屋で燦然と輝いていた。よほどの力作に違いないと思わせるものがあった。本を読んでいても、いたるところに中谷さんの写真が載っている。中谷巌とはこんなに目立ちたがり屋だったのかな。

 ソニー社外取締役ということもあってか、プレイステーション2の素晴らしさも強調してあった。ネット関連の機能に限って言えば、同じことはドリームキャストでもできるはずなのだが、それについては何も触れてなかった。

 経済学者までもがインターネットやITについて熱く語るようになった。ということは、大学の講義もこういう内容のことが行われているということなのだろうか。

Eエコノミーなどについてよりも、大学改革について述べてある部分が印象的だった。日本の国立大学、私立大学、アメリカの大学のそれぞれに所属したことのある中谷先生なので、自分の経験から大学について的確な批評をしていた。

  • 情報革命の本質は「個人化」「中抜き」「サービス化」などである。(61頁)
  • 一人ひとりのお客に対応したきめ細かいサービスを提供することが、新しいビジネスの最も基本的な特徴だということだ。(89頁)
  • アナログ時代に生きてきた私のような者には、アナログに対するセンチメンタリズムは残るが、サイバー世界の領域が広がっていく展開になってくると、いつまでもノスタルジアにひたり続けるわけにはいくまい。(122頁)
  • 私は一般的な議論としての大学生の「学力低下論」には与しない。なぜかというと「学力低下論」の多くは年輩の教育者たちの懐古趣味の上に成り立っているからだ。(165頁)

 

2

ITパワー 日本経済・主役の交代

中谷巌、竹中平蔵

PHP研究所
初版2000年3月6日

 ソニー社外取締役中谷巌と慶応大学教授竹中平蔵の共著ということで、早速読んでみた。

 これからの日本はどうあるべきか?ということを中谷さんと竹中さんが議論されている。「日本は製造業」などと言っていてはだめであり、どんどんネットビジネスを手がけるべきである。優秀な人材が旧来の産業・組織の中で今は埋もれているが、必ずIT産業へ人材が流れる日がやってくる。日本は一度方向性が決まれば、後は速い。というようなことが書いてあった。

 今の若者に好意的であり、大きな期待を持っておられることが文面から伺え、非常に嬉しく思った。

  • 日本が今悪いというのは、ポテンシャルを発揮できていないことに対する不安だと思います。人々は大きな不安を抱えていますが、それは将来日本が衰亡するのではないかという不安ではなく、今自分が立ち止まっていることに対する不安だと思うのです。(中谷 18頁)
  • たぶん、団塊の世代から上は食い逃げ世代になるでしょう。それ以下のサラリーマン世代は、回収期間に入った途端にゲームのルールが変わるので辛いものがある。(竹中 28頁)
  • IT革命は、取引コストをゼロに近づける革命。(中谷 40頁)
  • 今の若者についてすごく頼もしいなと思うのは、就職について聞くと「ここで一生働く気はありません」と堂々と言うことです。それが立派だと感じます。(竹中 58頁)
  • 知恵の時代に暗記重視の教育ではいけません。しかも、問題解決ではなく問題発見の能力を持たなければならない。(竹中 78頁)
  • 社長が方針を決めても現場が動かない。戦略的な決定を行っても、それを実行するエンジンがある会社は少ない。(中谷 110頁)
  • (日本でベンチャーが育たなかった理由)ベンチャーへの投資は、言うまでもなくハイリスク・ハイリターン。しかし、土地を持っていれば、ほとんどノーリスク・ハイリターンだった。(竹中 157頁)

 

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