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情報の文化史
樺山紘一
朝日選書 初版1988年11月20日 |
歴史的視点から情報について述べた本。
著者の樺山さんは西洋史が専門のようだが、中国についての記述に感心させられた。西洋との交易において、北のシルクロードだけでなく、南の海路をとるセラミックロードにも注目すべきだと指摘されている。陶磁の通る道となったセラミックロードの交易量は、シルクロードの10倍にも100倍にものぼったことだろう、と述べておられる。
- 文字の発明ほど感動的な事件はない。とはいっても、発明者の名前も、発明の経緯すらもさだかではない。(6頁)
- チョムスキーは、言語表現における表層と深層の構造を取り出した。表層において、人は個々の言語の文法規則にしたがって発語するが、その表現は精神における思考と認識の基礎構造にもとづいて行われる。基礎構造から音声や記述に転じる際の、生成と変形の様式には、ヒトとしての人類に固有の規則がある。(95頁)
- 通勤通学の電車の中で、実に多くの平均的日本人がペーパーバックの文庫本に読みふけっている風景は、外国人にとって驚異であろう。(117頁)
- 19世紀に、日本人は地動説や進化論ニュートン力学を容易に理解しえた。ヨーロッパで数100年間にわたって知的煩悶を強要したこれらの学説は、当時の日本人にさしたる抵抗感をもよおさなかった。その新学説を拒絶するような強固な宇宙論も宗教も、もちあわせていなかったからである。(144頁)
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