読書録 ヘンリー A. キッシンジャー

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題名
初版発行日

感想
・印象的な内容

1

キッシンジャーからの警告! 2000年日本が再起する条件

ヘンリー・キッシンジャー、日高義樹

青春出版社
初版1999年7月10日

 キッシンジャー博士と日高義樹が処処の問題について語る。日本に関してキッシンジャーは、「日本人はマラソンランナー」と批評している。皮肉を込めて言っている訳ではないようだが、やはり「日本人は鈍い」と言われているような思いになる。
 本の題名には、日本が再起する条件と書いてあり、日本のことのみについて触れてあるように思えるが、実際には、北朝鮮、中国、中東、ロシアについても書かれてある。アメリカの世界戦略を日本に紹介している本、と捉えるのがいいと思う。

2

キッシンジャー博士
日本の21世紀を予言する

ヘンリー・A・キッシンジャー、日高義樹

集英社インターナショナル
初版2000年9月30日

 キッシンジャーと日高義樹の共著という形の本だが、7割方日高義樹が書き、残りはキッシンジャーと日高義樹の対談という構成になっている。金大中の北朝鮮訪問、オリンピックの入場行進など平和ムードのあふれる昨今の東アジアについて、「油断するな」という警鐘を本書は鳴らしている。

 日本経済のことにも触れてあるのだが、そんなことより国際政治についての内容がみどころ。日本、アメリカ、中国、朝鮮半島の関係について、タカ派の意見が述べられている。
 日本は中国と有効な関係を持つことが望ましいが、相手の出方次第で核兵器をもってもよい、というようなことを日高義樹は言っている。

 1945年の原爆投下について初めて聞く話が載っていた。戦争終結を早めるために原爆を投下したのではなく、多額の税金をつぎ込んだ原爆の威力を示すために投下されたとのことだ。1945年5月のドイツ降伏後、このまま戦争が終結すれば原爆が使えなくなるので、日本が降伏する前に原爆を完成させるため、前にも増して開発がスピードアップした、という証言が開発者からなされたらしい。

  • 日本ではIT革命を「知的革命」などといった、わけのわからない言葉に置き換えているために人々の理解が妨げられている。(28頁)
  • 日本円が他の通貨と異なるのは、日本経済が輸出によってなりたっているため、景気が悪くなれば輸出ドライブがかかり必然的に政治問題にまで発展することである。(44頁)
  • 世界中、どこの国でも政治家というのはまったく人気がない。その原因の一つは、政治家があまりに国民に迎合しようとするからで、それで国民は不安になる。(キッシンジャー 51頁)
  • 日本は、中国に対抗するものは何も持っていない。あるのは、費用がかかり、しかも不確実なミサイル防衛システムの「計画」だけ。日本が今なすべきは、中国のDF21に対抗しうるミサイル態勢の整備であり、必要とあらば核をもつことである。(74頁)
  • 技術的に見て、日本には核を持つ能力が十分ある。日本の立場が決定的に脅かされたと感じたら、ただちに核兵器を開発するだろう。この事実が「日本に一定以上干渉してはならない、核能力があるから」という抑止力になっている。(キッシンジャー 97頁)
  • 21世紀日米安保は安定しているだろう。(キッシンジャー 133頁)
  • 中国は、ここ数年大きな問題を抱えている上に、ソビエトにくらべて近隣諸国が強すぎる。日本、ロシア、インド等主要国ばかりで、簡単に脅せる相手ではない。われわれは、中国がアジア諸国を支配しようとすることは絶対に許さない。(キッシンジャー 135頁)
  • 素直に言おう。日本のほうが軍事的には中国より強大だ。あと十年は。(キッシンジャー 140頁)
  • これまで、テロリスト国家が、政治交渉で核ミサイル設備を取り壊したことはない。爆撃かミサイルで攻撃する以外に方法はない。(キッシンジャー 151頁)

 

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