読書録 永井隆 ホーム

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感想

1 ビール15年戦争

永井隆

日経ビジネス人文庫
文庫版初版
2002年8月1日

  「すべてはドライから始まった」というのが副題。ドライ、発泡酒、そしてこれからの中国展開について書かれた本。

 キリンに挑戦するアサヒ、という構図で話は進められていく。サントリーとサッポロについての記述は少なかった。

 アサヒビールといえば、樋口廣太郎氏の功績が前面に出るのだが、本書は樋口氏の功の他に罪についても言及してある。
 住友銀行から金を借りまくったおかげで、樋口社長勇退の1992年、有利子負債1兆4110億を超えていた。アサヒビールの連結売り上げは9490億円。樋口氏がずっとアサヒビールの社長をしていれば、その後ダイエーと同じ道を進んだかもしれない、とのこと。
 樋口氏の後を継いだ瀬戸氏は、2001年末の段階で、連結売り上げを1兆4334億に伸ばし、有利子負債を4171億まで減らした。借金を9年間で1兆円減らした。

 ビール製造設備は、石川島、日立造船、三菱重工といったところに発注するんですね。

 ビール会社の営業には相当なつわものがそろっているようです。歓楽街を営業活動でまわったりと、大変です。

■サントリーには稟議書がない。(157頁)

■アサヒビールと旭化成
 旭化成はアサヒビールを買収しようとしていた、とのこと。しかし、スーパードライで息を吹き返したアサヒは逆に旭化成のアルコール飲料の部門を買収した。

2

リストラに克った さらば「会社人間」

永井隆

日経ビジネス人文庫
文庫版初版
2000年11月7日

 東京タイムズの記者だった永井隆氏の著書。『ビール15年戦争』と同じように興味深く読むことができた。

 今までもらいすぎていた人のリストラについては、しょうがないな、などと思いながら読んでいた。年収1400万円でリストラされて困った、などといわれても、今までもらいすぎてたんだから仕方ないよね、、、
 本書は、そういう勘違い人間を糾弾することが目的ではないのだが、読者はきっと上記のように思うのだろう。

 押さえつけられていた低所得者が、新天地を求めて活動する姿に共感を覚えた。
 ただこき使われていた、低所得者が新天地へ一歩踏み出すことにより、彼等からピンはねしていた高給取りがリストラされる。封建制度が崩壊して、競争社会になってきました。

■1992年12月25日(12頁)
 この日、パイオニアが35人の50代の管理職に何の前触れもなく退職勧奨を行った。この出来事は、当時、大ニュースとして取り上げられたが、今ではよほどの優良企業でない限り、ニュースにならないだろう。

■バブルのころの長銀(26頁)
 お金を貸してくれという会社がなくなったので、数人でやっている街の不動産業者などにも融資せざるを得なくなった。

■バブル期のダイエー(116頁)
 納入業者から販促費の名目で金を集めることが当たり前のようになっていた。

■元浦和レッズで浦和市議に当選した田口禎則の言葉(196頁)
 人生に無駄なんて、本当はない。出会いがあったり、経験があったり、戒めがあったり、そして新しい挑戦があります。リストラなどの挫折は、もっと大きなものを得る、チャンスなんですよ。まず、プラスに考えることが、リバイバルへの一歩です。

3

ドキュメント 敗れざるサラリーマンたち

永井隆

講談社文庫
初版2005年2月15日

 著者は、元東京タイムズ記者の永井隆氏。一介のサラリーマンを主人公として、ここまで熱のこもった文章を書ける人は他にいないだろう。

 登場する人たちは、困難があれば堂々と立ち向かってゆく人たちばかりである。親会社破綻、大企業病、技術の壁などとことん挑戦する人たちである。

 スルガ銀行マンの章で、サブプライム層をいかに取り組むかが銀行の生きる道だ、という話が出てきた。このサブプライム層とは、年収500万円以下の人たちを言う。この層の人たちは、住宅ローンをはじめ、貸し出しの対象になっていなかったのだそうだ。・・・銀行とはそういうところだったのか、と思い知らされた。

4

ビール最終戦争
永井隆
日経ビジネス人文庫
初版2006年7月1日

 情熱的な文章を書く永井氏の作品。『ビール15年戦争』の続編。各企業の競争の主役は、発泡酒、第3のビール、そして、チューハイとなっていた。そしてまた、プレミアムビールの存在もあなどれない。

 さらに「ビールをおいしく注ぐための研修会」を顧客相手に開催するなど、営業方法も提案型としなければ生き残れない時代となっていた。

 『ビール15年戦争』のときは、体を張った営業が勝ち抜いていったが、2006年出版の『ビール最終戦争』では頭を使った営業でなければ勝てない時代に変わっていた。

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