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ビジネスに活かす ファイナンス理論入門

野口悠紀雄

ダイヤモンド社
初版2004年2月26日

 これは勉強になる一冊であった。

■個人がリスク挑戦的に変身することを求めるのではなく、社会全体としてリスクに対応できるような仕組みを構築することが重要なのである。(11頁)

■バックワーデーション(逆鞘)
 先物価格が現物価格より低い状態
■コンタンゴ(順鞘)
 先物価格のほうが高い状態

■オプション
 オプションの対象となる資産を「原資産」という。原資産を購入する権利のことを「コール・オプション」と呼び、売却する権利のことを「プット・オプション」と呼ぶ。
 オプションを実行することによって得られる収益は「ペイオフ」と呼ばれる。(56〜57頁)

■ブラック=ショールズ式(70頁)
 1970年代に導かれたオプションの価格付けの式。

■効率的市場
 「ある情報に関して市場が効率的」とは「その情報を市場が正しく反映している」ことを意味する。(89頁)

■非効率市場
 ある情報によって市場の平均より高いリターンを得られるかどうかで、市場が効率的かどうかを判断できる。「効率的市場」とは、それが不可能である市場であり、「非効率的市場」とは、それが可能な市場である。(90頁)

■不動産市場は、効率的ではないといわれている。つまり、不動産価格に適切に反映されていない情報があるので、情報を綿密に分析すれば、「掘り出し物」を探し出すことは不可能ではない。(92頁)

■アノーマリ
 例えば、株価が1月に高くなるとか、月曜に低くなるといった現象があるといわれる。(102頁)

■「CEOやCFOはROEやROAを意識すべきだ。IRRやMVAも大事だね。ところで御社のPERはどうですか?」などと言われてポカンとしていては、現代のビジネスマンとして「失格」の烙印を押されてしまうだろう。(169頁)

■資産を「証券化」する(175頁)
 企業が保有する資産をSPC(特別目的会社)に売却する。これにより企業は現金収入を得る(これを資産のオフバランス化という)。SPCは、その資産を担保にして証券を発行して、市場で売却する。証券化すると個々の単位が小さくなるので売却が容易になる。
 証券化の手法で発行される商品が、ABSである。

■EVA(経済付加価値)
 EVA=NOPAT−COC
 スターン・スチュワート社の登録商法(199頁)

ETF(Exchange-Traded Fund)株価指数連動型上場投資信託
MMF(Money Management Fund)
MRF(Money Reserve Fund)
REIT(Real Estate Investment Trust)不動産投資信託
JGB(Japan Government Bond)日本国債
EVA(Economic Value Added)経済付加価値
ROA(Return on Asset)=ROI(Return on Investment)
 投資収益率=利益/純資産価値
      =利益/(資産の取得原価−減価償却費)
ROE(Return on Equity)自己資本収益率(株主資本利益率)
 =利益/自己資本(簿価)
EPS(Earning per Share)
  一株当たり利益=利益/発行済み株式数
PER(Price Earning Ratio)
  株価収益率=株価/EPS=時価総額/利益
PBR(Price to Book Value Ratio)時価・簿価比=時価/簿価
配当益回り=EPS/株価=利益/時価総額=1/PER
配当利回り=配当/株価

DES(Dept Equity Swap)債務の株式化
LBO(Leveraged Buyout)資産担保借入による企業買収
MBO(Management Buyout)経営陣の自社買収
RCC(The Resolution and Collection Corporation)
 整理回収機構
TOB(Take-Over Bid)株式公開買付制度

IPO(Initial Public Offering)株式公開

AMEX(American Stock Exchange)アメリカン証券取引所
BIS(Bank for International Settlement)国際決済銀行
FRB(Federal Reserve Board)米連邦準備制度理事会

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「超」英語法

野口悠紀雄

講談社
初版2004年4月1日

 野口氏は、2004年4月からスタンフォード大学客員教授に赴任する。これをきっかけに、英語の勉強を再開したとのこと。

 英語の勉強には、教科書丸暗記がお勧めとのことです。

■実際の場面で必要なのは「聞くこと」。

■英語上達のためには、まず単語帳を捨てなければならない。(46頁)

■人間は、「人前でカッコイイところを見せられる」機会があると、それが励みになって努力するものだ。(60頁)

■日本では専門用語の多くが輸入語であるため、最初から特殊な言葉になっている。しかし、学問発祥の地では、日常用語が専門用語に転用されたため、言葉そのものでは日常用語と専門用語の区別がないことが多い。(77頁)

■日本人も、昔は耳で聞いたとおりと表記していた。「ワイシャツ」「メリケン通り」「ヘボン式ローマ字」などは、その例である(それぞれ、white shirt, American, Hepburn)。(103頁)

■canとcan'tの発音
 canは弱く「カン」としか発音されないが、can'tは「キィアン」と強く発音される。このように、t音に頼るのではなく、母音に頼って聞き分けるほうがよい。(111頁)

■シャドウイング(174頁)
 聞きながら、話していることをそのまま追いかけて真似してみる。同時通訳の人たちが訓練で行なっている。しゃべって速度は速いから、口に出して追いかけると難しい。だから、口に出さずに繰り返す(これを「サイレント・シャドウイング」という)。(174頁)

■英語教材に良いスラングの少ない映画(196頁)
 代表例は、「ローマの休日」。この映画の主人公は、王女様なので、当然、崩れた英語は出てこない、とのこと。

■TOEICは、故北岡靖男氏と渡辺弥栄司氏がETSに開発を持ちかけて誕生した試験である。(206頁)

■文学書などを丸暗記して外国語を勉強した人は多い。ハインリッヒ・シュリーマンは、英語の勉強のためにゴールドスミスの『ウェイクフィールドの牧師』とスコットの『アイバンホー』を全部暗記した。そしてフランス語の勉強のために『テレコマスの冒険』と『ポールとヴィルジニー』を暗記した(シュリーマン、村田数之訳、『古代への情熱』岩波文庫1954年)。(233頁)

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「超」税金学

野口悠紀雄

新潮社
初版2003年12月20日

 『週刊新潮』2002年10月31日号から2003年6月12日号にわって連載された『「超」納税法』をまとめたもの。2003年1月に刊行された『「超」納税法』の続編にあたる。

■消費税増税(11〜16頁)
 1997年4月に消費税が引き上げられたとき、野口氏は、コラムを連載していた新聞社に、原稿料の支払額を1.9%引き上げて欲しいと頼んだが、すぐには引き上げられなかった。
 新聞社は、読書から預かった消費税を税務署と仕入先に払う。消費税が増税されると仕入先に払う消費税も増えるはずなので、野口氏が受け取る金額も増えなければならない。

■消費税が増税されると益税が増えるので、増税を喜ぶ業者もいる。(23〜28頁)

■「医療が消費税非課税」といっても、薬剤や医療機器は課税されるので、医療費も消費税分だけ高くならざるをえない。(44〜45頁)

■景気調整のための消費税減税は困難(53頁)

■アメリカの間接税は、最終小売段階だけで課される税であるため、税率の上げ下げは比較的簡単。(54頁)

■国境税調整措置がとられる結果、消費税や付加価値税は、貿易には影響を与えないことになる。(57頁)

■消費税の改革は近い将来に迫った重要な政策課題である。一般には税率の引上げに関心が集まっているが、真に重要な課題はインボイスの導入だ。(64頁)

■日本の消費税がモデルとしたのは、ヨーロッパの付加価値税(VAT)である。これは、戦後のフランスで導入された比較的新しい税だ。(65頁)

■フランス3大発明…革命、メートル法、付加価値税(70頁)

■日本の給与所得への源泉徴収は、1940年、ナチス・ドイツの制度にならって、世界に先駆けて導入された。現在では、フランスを除く主要先進国において、給与所得に対する源泉徴収が行なわれている。(87頁)

■これまで人々が持家に固執してきた大きな原因は、それが資産として意味があるからだ。(127頁)

■日本の企業では、経営者がだめでも、優秀な人材が大勢いる場合が多い。(151頁)

■法人税率の高さが空洞化の原因なのかどうかは、大変疑問である。実際には、賃金格差などのほうが遥かに大きな影響をもたらすだろう。(155頁)

■税に対する不満は、しばしば歴史的な大転換を引き起こす。というより「市民革命」といわれるもの多くは、税を契機として勃発したのだ。マグナカルタ、ピューリタン革命、名誉革命、フランス革命、アメリカ独立戦争(159〜164頁)

■消費税や付加価値税は、消費を基準として課される税である。そしてこれらは、税負担者のプライバシーをまったく侵すことなしに課税できる税だ。(176頁)

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「超」文章法 伝えたいことをどう書くか

野口悠紀雄

中公新書
初版2002年10月15日

 毎度のように、野口氏の著書はとても勉強になる。

■本を書くことのメリット(5頁)
 書いている途中で発見があることだ。

■メッセージを見つけるには、「考え抜く」しかない。すると、あるとき啓示がある。後ろを見ると、天使が立って微笑んでいるのだ。「あなたはどうやって万有引力の法則を発見したか?」という問いに対するニュートンの答えは、有名だ。彼は、「ひたすら考え続けることによって」と答えたのである。(31頁)

■人間は、自分が弱い分野や不得意分野について書きたくなるバイアスをもっているようだ。(36頁)

■書けないとき(37頁)
 アシモフは「窓から飛び出したくなる」と言った。

■1920年代のベストセラー作家エドガー・ウオーレスが、発想機械を作って特許をとった。作家が筋の運びで行き詰ったとき、プロット・ウイールというものを回すと、表示板に「不意の来客者」とか「愛の告白」といったヒントがでる。この仕掛けは、飛ぶように売れたそうである。(39頁)

■キャベンディッシュは、重力定数gを最初に測定した科学者として有名だが、彼は、王立協会に結果を発表するとき論文のタイトルを「地球の重さを測る」とした。(106頁)

■All's Well That Ends Well(終わりよければすべてよし) シェイクスピアの喜劇のタイトルだが、文章もまったく同じである。(110頁)

■美人投票(120頁)
 ケインズは株価について「美人投票の順位を予測するゲームと同じだ」と言った。

■数字に強い政治家(131頁)
 田中角栄氏と竹下登氏。

■重い物体ほど早く落ちる…アリストテレスの法則(134頁)

■キツネ文(138頁)
 内容がないのに、引用ばかり多い。「マルクスによれば」「ケインズによれば」「ハイエクによれば」

■GMのアルフレッド・スローンの言葉(206頁)
 「この書類を捨てたとき、震えたり、息切れするほど恐ろしい事態に陥るかと考えてみよ。もしそうでなければ捨てよ」

■サボる―sabotageは「破壊工作」という意味であり、「怠業」という意味はない。(213頁)

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「超」納税法

野口悠紀雄

新潮社
初版2003年1月25日

 『週刊新潮』2002年3月14日号から10月24日号に連載された『「超」納税法』をまとめたもの。

 さすが大蔵省出身の野口氏が書いた税金の本だけあって、教科書として使っても全く問題ない内容になっています。

 「難しい」を「簡単」にするために、「男はつらいよ」の登場人物を例に、税金の説明をしてあるのだが、残念ながら私は、寅さんファンではないので、途中から何が何だがさっぱり分からなくなった。
 朝日印刷のたこ社長が、法人税対策で会社を赤字にするために、自分の報酬を増やす。また、従業員の博が自分で会社作って、朝日印刷と業務委託契約を結び、博の会社の法では、家族を社員にし、所得を分配し、そうすると、納税額が少なくなります、という話です。

 野口悠紀雄氏が『「超」整理法』などでベストセラーを連発していたとき、所得税額と住民税を合わせると2億円くらいになった。しかし、ベストセラーを争った某氏の名は、長者番付には乗らなかった。その某氏は、その後、脱税の疑いで週刊誌を賑わせた。納税の対処を誤ったのではないだろうか、とのことです。
 その某氏とは、大前研一さんのことかいね。大前さんも脱税疑惑がありましたんで、、、

■シャウプ勧告(23頁)
 1949年5月に来日したコロンビア大学教授カール・シャウプを団長とする使節団が8月に提出した「日本税制報告書」のこと。シャウプは翌50年にも来日し、第2次報告書を提出。それまでの苛烈な税徴収から、穏健徴収路線へ転換した。
 しかし、これはシャウプを隠れ蓑にした大蔵省のやらせである、というのが野口さんの主張。他に、ドッジラインも大蔵省が裏で糸を引いたもの。

■加藤紘一氏の場合(48頁)
 氏は2002年3月27日に、「自宅家賃金額が政治活動費」と説明したが、これは個人事業者が自宅の家賃や生活費のすべてが必要経費だと主張するのに似ている。普通の人がこうしたことを税務調査で主張したら、相手にされないだろう。

■日本に赤字法人が多い理由(124頁)
 景気が悪いことでもなく、虚偽申告が多いことでもない。基本的な原因は、税制そのものにある。

■日本型政策対応の典型的パタン(151頁)
 不満が生じたとき、制度全体を見直して公平を目指そうとするのではなく、不満グループにアメを与えて懐柔した。

■野口氏が垣間見た田中角栄の人心収攬術(152頁)
 1964年、野口氏が大蔵省に入省したとき、田中角栄大蔵大臣は、初対面の新入生20名のひとりひとりの名を呼び、握手をし「お!野口君、頑張れよ」という調子で片っ端からやった。

■サラリーマンの経費(158頁)
 「サラリーマンには経費が認められていない」というのは、誤解であり、給与所得控除を経費の概算控除と考えれば、きわめて寛大な経費控除が認められていることになる。

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無人島に持ってゆく本

野口悠紀雄

ダイヤモンド社
初版1997年10月2日

 週刊ダイヤモンドに隔週連載中の超整理日誌の第2弾。1996年4月〜1997年3月連載分。

■野口氏のケインズ経済学評
 「ケインズ経済学が有効であった」というようなことは、なかった。(39頁)

■アインシュタインの名言をドイツ語で(163頁)
 Raffiniert ist der Herrgott,
 aber boshaft ist Er nicht.
 神はたくらみ深いが、しかし、悪意はもたない。この言葉は、プリンストン大学数学部の建物の大理石に刻まれて、残されている。

■電子メール
 私の考えでは、電子メールは、電話を代替するものではなく、紙のメモを代替するものである。(165頁)

9

日本経済 企業からの革命

野口悠紀雄

日本経済新聞社
初版2002年7月9日

 野口悠紀雄氏の著書。副題は『大組織から小組織へ』となっている。

 本書の見所は「第5章 金融緩和で問題は解決できるか」であると思う。

■野口氏は金融緩和に反対
 日本のデフレの原因は、貨幣供給が過小なため生じている現象ではない。変化する国際経済のなかで生じているダイナミックな構造変化である。
 従って、貨幣供給量増加などのマクロな経済政策ではデフレは阻止できない。リアルな改革(企業のビジネスモデルや産業構造の変化)がなければ、問題を最終的に解決できない。
 ポール・クルーグマンのインフレターゲットは念仏のようなもの。
 空売り規制は末期的手段。
 …というようなことが第5章に書いてあった。

■小企業
 小企業であっても、「小さいことのメリット」を活かせないのであれば、意味がない。日本の中小企業の多くは、特定の大企業の下請けとなったり系列に入ることによって、「大きいことに頼ろう」としている。(40頁)

■日本型企業のコーポレートガバナンス(76頁)
 自民党の農林関係議員は、雪印再建のため外資の購入が検討されたとき、日本の酪農家を守れなくなるとクレームを言い、農水省も、雪印は日本企業との提携を検討するように指示したといわれている。
 株主でもない官庁や政治家が経営に口を出す。これは日本型企業の「コーポレートガバナンス」を典型的に表したものであった。

■アジアの工業化
 アジアの工業化という現象は、短期的には「空洞化」である。しかし、長期観点から見れば、日本の労働力現象という事態に適合的なものであることに注意が必要である。(149頁)

8

「超」整理法3 とりあえず捨てる技術

野口悠紀雄

中公新書
1999年6月25日

 野口悠紀雄氏の書いた捨てる技術。

 「とりあえず」という言葉が重要になる。捨ててもいいのだが、もしかしたら必要になるかもしれない書類は、「スミ封筒」に入れて、それを箱に入れて格納する。「スミ封筒」は第1廃棄バッファー、箱は第2廃棄バッファー(バッファー・ボックス)となる。

  • 現代社会における仕事の本質は、「フロー(流れ)の制御」になっている。そこで決定的に重要なのは、「捨てる」プロセスなのだ。それにもかかわらず、多くの人は、「一定量のストック(蓄積)の管理」でことたりると思い込んでいる。(4頁)
  • 「マーフィーの法則」の一つに、「書類は保存している間は必要にならない。しかし、捨てた翌日に必要になる」というものがある。(14頁)
  • 知的活動はマゼラン的(32頁)
  • 「少しずつの改善」(piecemeal improvements)こそ、進歩にとってもっとも重要なことである。(92頁)
7

続「超」整理法・時間編 タイム・マネジメントの新技法

野口悠紀雄

中公新書
初版1995年1月25日

 押出しファイリングによる整理法を提案した『「超」整理法』の第2弾。今回は、時間の管理を提案している。

■スケジュール表は、数週間か数ヶ月をひと目で見えるようにする。
 1ページに記載される期間が短いと、次のページにある大事な予定をすっかり忘れて、新しい予定を入れてしまうことがある。そういうことをなくすためには、できるだけ長い期間の予定がひと目で分かるようにしなければならない。

■口頭で行われていた連絡を、文書にかえる。
 電話を含めて、話しかけるという行為は、他人の時間を奪うことになる。FAXやeメールを活用し、さらに社内では、できるだけメモで連絡をとるようにする。(アメリカ人は隣の席の人にもメモで連絡をとるそうだ)

 優れた考えが出やすい場所「馬上、枕上、厠上」という北宋の欧陽修の言葉は、たびたび、野口氏の著書で登場する。ずいぶん気に入っておられるようだ。

  • 経済学で「シカゴ学派」と呼ばれる一派は、oral tradition(口頭による言い伝え)を重視する。この学派の考えの真髄は、本や論文をいくら読んでも理解できず、実際に講義を聞かないと分からないというのである。いささか、神秘的、排他的な感じがしないでもないが。(148頁)
  • シャーロック・ホームズは、「知りたいことを聞き出すこつは、こちらのいうことに異議を唱えさせれることだ」といっている。(199頁)
  • 人間が一瞬のうちに把握し識別できる対象の数が、最大で7個程度しかないというのは、昔からよく知られていた。これを心理学実験の結果から根拠づけたのが、1956年に『サイコロジカル・レビュー』誌に掲載された、「マジカルナンバー・オブ・セブン」というタイトルのミラーの論文であった。(216頁)
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時間旅行の楽しみ 「超」整理日誌3

野口悠紀雄

ダイヤモンド社
初版1998年10月22日

 週刊ダイヤモンドに連載されている『「超」整理日誌』の1997年4月5日号から1998年4月11日号までの掲載分を一冊にまとめたもの。

 まじめな話も載っているのだが、くだけた内容ばかりが記憶に残ってしまう。

■JALとJΛ
 日本航空のマークは、JALではなくJΛLとなっている。Λはギリシャ文字のラムダである。(ちなみにΛはLに相当します。)

■「停車中は使用しないでください」というのは、列車のトイレに掲示されている言葉だが、野口氏はあるときその下に「使用中は停車しないで下さい」という落書きを見つけたそうだ

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「超」整理日誌

野口悠紀雄

ダイヤモンド社
初版1996年9月12日

 週刊ダイヤモンドに連載されている『「超」整理日誌』の1995年4月から1996年3月までの掲載分を一冊にまとめたもの。
 また、おまけのような感じで、『風の谷のナウシカ』に関する主観的一考察、というのも載っている。ナウシカは第3の指輪物語なのだそうだ。

■万能スピーチ術
 
野口氏が大蔵省時代に教えられた万能スピーチ術は、「世の中は、縦糸と横糸からできています」と始めるものである。結婚式でも卒業式でも入社式でも使えるそうだ。

■How often do you have election?
と、日本で選挙はどのくらい頻繁にあるかをたずねられた大蔵省のマルドメ局長は、「毎朝です」と答えたそうだ。マルドメとは純国内派の人のことを言い、こういう人たちは英語の聞き取りで苦労し、いろいろな失敗談をつくるらしい。

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「超」発想法

野口悠紀雄

講談社
初版2000年3月16日

 「いかにして発想するか?」をテーマに書かれた本。発想の原理原則、発想の障害、発想を引き出す方法などが述べられている。

 発想のためには模倣が大事、というだけあって、過去の偉人の名言などが諸所に織り込まれており、名言集としても十分読める。

発想の5原則
1.発想は、既存のアイディアの組み換えで生じる。模倣なくして創造なし。
2.アイディアの組み換えは、頭の中で行われる。
3.データを頭に詰め込む作業(勉強)がまず必要。
4.環境が発想を左右する。
5.強いモチベーションが必要。

  • 学問で「新理論」といわれるもののほとんどはも、それまでにあった研究の改良だ。(29頁)
  • 「頭脳は、不必要な組み合わせや意味のない組み合わせを自動的に排除する能力をもっている」とポアンカレは言う。(31頁)
  • 「モーツァルトの音楽が発想の役に立つ」といった類のこともよくいわれる。もしそうなら、オーケストラの団員から素晴らしい発明がつぎつぎに出てきそうなものだが、実際にはそういう話も聞かない。(37頁)
  • モーツァルトは、あまりにそっくりに模倣したため、彼の作品とお手本の見分けがつかなくなり、お手本のほうが逆に彼の作品を模倣しているかのようであった。(アンリ・ゲオン『モーツァルトとの散歩』より 44頁)
  • 創造的な人々は自分を創造的だと思っており、創造的ではない人々は自分が創造的ではないと思っている。(M・マルコ『アイデアのおもちゃ箱』より 46頁)
  • 幼児の教育で大切なのは、「誉めること」たといわれる。子供は誉められたときに、その試行が成功だったことを知る。そして、それを記憶に残す。これに対して、成功を認識できなかった子供は、成功の記憶を蓄積することができず、したがって記憶回路を形成することができない。子供を叱るだけでは、失敗の記憶だけが残ることになり、失敗を避けるという消極的な行動しかできない人間が形成されるのである。(59頁)
  • アイディアが生み出されるまでの過程は、没頭期、潜伏期、啓示期に分けられる。(71頁)
  • 発想の敵となる第一の要素は、個人の中にある。その最大のものは、事大主義、権威主義だ。(80頁)
  • 日本が将来に向かって最も憂慮すべきことは、若い世代が「そこそこの生活」に満足して、ハングリー精神を失うことだ。これは、現実に生じつつある危険である。(96頁)
  • スリーエムのポストイットやデュポンのテフロンは、失敗が成功をもたらす稀なケースであり、頻繁にあるとは思えない。(112頁)
  • 「暗い夜道で車のキーをなくしたことに気づいた。どこを探せばよいか?」これに対する物理学者の答えは、「まず近くの街灯の下を探せ」というものだ。(136頁)
  • 問題をある枠組みで考えると、複雑な計算などなしに結論にジャンプできる。物理学ではとくに有用な方法だ。(141頁)
  • コペルニクスの後に現れたティコ・ブラーエの新しい天動説では、惑星が太陽のまわりを回転し、さらに太陽が地球のまわりを回転するとした。このモデルでは、数学的にコペルニクスの地動説と完全に等値であり、区別できない。(143頁)
  • 発想の必要条件は、「考え続けること」だ。(166頁)
  • テレビを見ていると、精神が受動状態になり、能動的活動ができない状態に陥ってしまう。(181頁)
  • ブレイン・ストーミングの成果は、集まった人の質によって決定される。(186頁)
  • アーノ・ペンジャス(1987年のノーベル物理学賞受賞者)は、自分が研究を行ったベル研究所がどのような意味で優れているかについて、「科学者として成功するか、ごく普通か、あるいはだめかということは、すべて問題の選び方にかかっているのです。ここではいろいろの人との間で交流があるので、問題を見つけるのがやさしいのです」と述べている。(199頁)
  • 創造的な人間の多くは、非常に大量の知識を持っていた。(236頁)
3

「超」勉強法

野口悠紀雄

講談社
初版1995年12月11日

 本書は、受験生とビジネスマンを主な対象にして書かれた勉強法。英語、国語、数学の勉強法の他に、受験法なども記されていた。

  • (英語の「超」勉強法)教科書を20回音読して、丸暗記せよ。(49頁)
  • (英語の「超」勉強法)単語帳ほど無意味なものはない。(54頁)
  • (英語の聞き取りの練習には)FEN(Far East Netwaork : 極東アメリカ軍放送)のニュース番組を録音して、通勤時間に聞くのがよい。(88頁)
  • 脳をリラックスさせることは、脳にとって必ずしもよいことではない。(教育学者ジェーン・ハリーの忠告 231頁)
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「鏡の国」の経済学者 「超」整理日誌4

野口悠紀雄

ダイヤモンド社
初版1999年9月17日

 『週刊ダイヤモンド』に連載されている『「超」整理日記』を、1998年4月25日号から1999年3月20日号に掲載されたものをまとめたもの。

■野口悠紀雄氏が昔教わった美人のランク付け
 
佳人、麗人、別嬪、美人、
 
並上、並々、並下、
 ブス、ヘチャムクレ、鬼瓦、夕日の鬼瓦

■公的年金について147頁から156頁にわたってわかり易い説明がしてあった。

 はじめは積立方式で行われていたので、年金制度発足から長期間にわたって、本格的な年金受給者は少数であった。しかし、いつのまにか「世代と世代の助け合い」という賦課方式になってしまった。

 これは、標準報酬の20%をつぎ込まなければ維持できない年金制度が、わずか6.9%の保険料で維持できるとした厚生省の計算間違いによる。

 将来の日本の財政問題は年金につきるとさえ言える。年金は、厚生官僚にまかせるには、あまりに重大な問題だったのだ!

  • 企業や官庁において、椅子は重要なステイタス・シンボルである。昇進するにしたがって、しだいに大げさな肘掛になってゆく。そして(集中した仕事をするためには)しだいに使いにくくなる。組織においては、偉くなるほど仕事をしなくてよいことが、これを見ているとよくわかる。(11頁)
  • サンク・コストは無視せよ
    「過去のいきがかりを捨てて、将来のことのみを考えるべし」ということだ。英語では、このことを、Let bygones be bygones という。(19頁)
  • 国債は将来世代の負担にならない(28頁)

1

「超」整理法

野口悠紀雄

中公新書
初版1993年11月25日

 「押出しファイリング」による整理法を提唱した著書。また聞きでしかその実態を知ってなかったので、原著を読むことにした。

 使ったファイルを常に左端にしまうようにすれば、使わないファイルは右端へ押出される、という単純な整理法。その整理法にたどりつくまでの経緯や、その整理法が最適であるという理論などは、詳しく書いてあった。

 本書で述べてある整理法は、書類の整理にのみ有効であって、部屋全体が片付くようなものではないそうです。

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