読書録 杉本苑子                        ホーム

 

題名

感想

・印象的な内容(一部要約したものあり)

8

利休 破調の悲劇

杉本苑子

講談社文庫
文庫版初版
1996年11月15日

 短編集

・利休 破調の悲劇
・老いの木の花
・家康と茶屋四郎次郎
・「綺麗さび」への道

7

女性はどう学んできたか

杉本苑子

集英社新書
初版1999年12月6日

 卑弥呼から江戸庶民の女まで、という副題がついている。日本史を過去からたどりながら、女性を中心に、短歌がいたる処処にちりばめられて話が展開されてゆく。

 卑弥呼の時代から飛鳥、奈良、平安までの武士が台頭してくる時代までは、女性の地位、学識は高かった。女帝しかり、また文学をとってみても、宮廷歌人額田王や紫式部、清少納言といった人たちが当たり前のように存在していた。女性が前面にでずに、奥にいるようになったのは、鎌倉以降の800年間である。歴史の表舞台で活躍したのは北条政子以降では、日野富子がいるくらいだ。大奥の中などで、女性同士の争いはいろいろあったが、表立ったものは、すっかりなくなった。
 歴史を楽しむような感じで書かれており、フェミニズムといったものは感じられなかった。

6 天智帝をめぐる七人

杉本苑子

文春文庫

 日本史の教科書では中大兄皇子、天智天皇は英雄扱いなのだが、その時代をもとにした小説では、奸雄と言った方が適切な人物として描かれる。この「天智帝をめぐる七人」と井上靖の「額田王」に登場する天智天皇も、冷酷な人物であるように書かれている。作者の杉本さんは天智天皇のことをあまり好きではないそうなので、結構悪く書いてある。

 中大兄皇子により殺されることとなる有間皇子の詠んだ歌は無情感をことさらに引き立てる。
 家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る
 磐代の 浜松が枝を 引き結び 真幸くあらば また還り見む

5

悲華水滸伝 一

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年5月25日

 杉本苑子氏の水滸伝がこの度文庫化されたので、読んでみた。水滸伝といえば、吉川英治氏の『新水滸伝』がとてつもなく面白いのだが、その水滸伝は、吉川氏逝去のため未完となっている。続きを知りたい、という意味もあって吉川英治氏の弟子杉本苑子氏の水滸伝を読むことにした。

 運命に導かれた108星の無頼漢が梁山泊に集まり悪を駆逐する、というのが大雑把な話のスジなのだが、とにかく面白い。中国では三国志よりも水滸伝の方が人気がある、という話もうなづける。

 短所もあるが類稀な長所を持つ無頼漢たちが力を合わせて・・・ということを現代社会に当てはめると、などということは考えずに楽しく読むことにしよう。

4

悲華水滸伝 二

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年6月25日

 ついつい吉川英治氏の『新水滸伝』と比較してしまうのだが、杉本氏の水滸伝は、割愛されている内容がある。金瓶梅へと続く色話は、カットされている。それだけではないのだが、もっと吉川氏のは面白かったのにな、と思うことは読んでいて多々ある。吉川氏が書かれたとこまでは、さらっと流して、吉川氏が書き残した所を重点的に描くという方針なのだろうか。

3

悲華水滸伝 三

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年7月15日

 三巻では、いよいよ108星が水滸に揃う。

2

悲華水滸伝 四

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年8月25日

 水滸伝は前半の百八星が梁山泊に集まるまでは、楽しい話なのだが、後半は次から次へと無頼漢が死んでゆく悲しい話となる。

1

悲華水滸伝 五

杉本苑子

中公文庫
文庫版初版
2001年9月25日

 杉本苑子著の水滸伝の文庫版での最終巻にあたる。

 杉本氏が水滸伝を書くからには、師匠の吉川英治氏の『新・水滸伝』を意識されていると思っていたが、そうではなかった。自分流の水滸伝を書くことを考えており、話の終盤も原作とはかなり異なった結末となっている。

 水滸伝の終盤は、人が次から次へと死んでいき、悲しい話になるのだが、著者の杉本苑子氏の胸中には、若いころに見た学徒出陣の風景があったとのことです。亡き師吉川英治氏のことには触れてなかった

 

 

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