読書録 竹内薫 ホーム

 

No. 題名

感想

1

ペンローズのねじれた四次元

竹内薫

講談社ブルーバックス
初版1999年7月20日

 ペンローズと相対性理論と量子論について書かれた本。

 ロジャー・ペンローズは、「量子力学は不完全だ」というアインシュタインの信念を受け継いでいる、とのこと。
 ということは、ペンローズはアインシュタイン同様に現代物理学から離れている、ということになるのだろうか。

 ペンローズは、2乗すると光になるスピノールを基本に考えた。このスピン・ネットワークを数学的に発展させたのが、ペンローズの「ツイスター」。これは、スピン二つのペアで時空や粒子を記述するもの。

■ペンローズは、ローレンツ収縮が実際には、縮んで見えないことを初めて証明した。(22頁)
 球の場合は、ローレンツ収縮後も球にしか見えない、といことを1959年にThe apparent shape of a relativistically moving sphere, Proc. Camb. Phil. Soc. 55, 137-9で示した。(66頁)

■(特殊)相対論では、もはや、本当と見かけの区別は無意味となる(59頁)

■ブラックホールは、伝説の物理学者、ジョン・ホィーラーが名づけた。彼は、ファインマンの先生。(85頁)

■ペンローズは、ホーキングの博士論文の審査員のひとりだった。(103頁)

2

「場」とはなんだろう

竹内薫

講談社ブルーバックス
初版2000年11月20日

 この本は物理学の話です。昔の復習のつもりで読んでみました。

 マックスウェル、ファラデー、ディラック、ファインマンといった人たちの業績や考え方が紹介してあります。
 経路積分の方法は、本書を読んで始めて理解できたような、、、

 竹内さんの著書は、物理を懐かしむのに、ちょうどよいレベルです。

 それにしても物理学とはなんと魅力的な学問なんだろうか。

 

3

熱とはなんだろう

竹内薫

講談社ブルーバックス
初版2002年11月20日

退屈な熱力学の本かと思いきや、ブラックホールの話まで出てくるではないか。エントロピーについて、つきつめた一冊、と言った方が適切だと思う。

 可逆過程と不可逆過程について、論理回路を利用して説明してあった。物理学の先生でこんな教え方をする人は、他にいないだろう。

■準静的な過程とは
 音速に比べてゆっくりということ。

4

超ひも理論とはなにか 究極の理論が描く物質・重力・宇宙

竹内薫

講談社BLUE BACKS
初版2004年5月20日

物理学を分かりやすく伝える竹内氏の新著。

■超ひも量子論である。「ひも」の量子力学である。通常の量子力学は「点」の量子力学である。(16頁)

■4つの力
 強い力 グルーオン
 電磁力 光子
 弱い力 ウイーク・ボソン
 重力 重力子

■真空は、何もない静かな場所ではなく、常に素粒子が生まれたり消えたりしているダイナミックな場所なのだ。(77頁)

■たとえば、時間は1つだとして、空間が3次元から4次元になると、太陽と地球の運動は、安定した楕円軌道を描くことがなくなってしまう。(140頁)

■第1次超ひも革命の立役者は10次元の超ひもであった。それは、一言で言えば「超ひも理論は矛盾のない量子重力理論だ」という証明がなされたことだった。
 それに対して、第2次超ひも革命の立役者はDブレーンである。そして、その最大の成果は、「Dブレーンからつくったブラックホールはホーキングの計算と寸分違わず一致した」というものだ。それだけでなく、5種類あると思われていた超ひも理論がすべて「つながっている」ことが、判明し、すべては11次元の未知の理論−M理論−の近似に過ぎないことがわかってきた。(146頁)

■超対称性 ボソンとフェルミオンを入れ替えても世界は変わらない。(253頁)

5

世界が変わる現代物理学

竹内薫

ちくま新書
初版2004年9月10日

物理の読本を書かせたら日本一の竹内氏の著書。

 180頁〜181頁のゼノンのパラドックスへの回答には感心した。・・・時空は、連続ではなく、それゆえにアキレスは亀を追い越すことが可能なのだ・・・。著者の卒論は、ゼノンのパラドックスであったとのこと。

●実証論は英語では、positivism、実在論は、realism。(83頁)

6

ホーキング 虚時間の宇宙 宇宙の特異点をめぐって
竹内薫
講談社ブルーバックス
初版2005年7月20日

 竹内氏のブルーバックスの著書。今回はホーキングだ。

 158頁あたりの経路和の話には、ついていけなかった。

●リフシッツ(86頁)
 ランダウ、リフシッツの理論物理学教程のリフシッツ。このリフシッツは、ハラトニコフと共に、ビッグバンの前も時間と空間は存在した、と1963年の論文で主張した。この主張をしたリフシッツを、ホーキングは論文や著書で虚仮にした。

●ホーキングは頭にくると電動車椅子で相手の足を轢く。(127頁)

7

99.9%は仮説
竹内薫

光文社新書
初版2006年2月20日

 物理学の分かりやすい本を何冊も書いておられる竹内薫氏の大衆向けの著書。よく売れているようです。

 飛行機はなぜ飛ぶのか完全に証明されていない、地球温暖化の真の理由も明らかになっていない、という話からはじまる。
 筆者の言いたいことは、世の中はすべて仮説で科学は万能ではない、ということになるだろう。それが別に悪いわけではない。

●ロボトミー手術(100頁〜)
 前頭葉を切除する手術。loboとは「葉(よう)」のこと、tomyとは切断や切除という意味。1930年代40年代の大戦中、鬱の人が増え、その治療でロボトミー手術が行われた。前頭葉が切除された人は、人格を失ってしまった。

●10番目の惑星(111頁〜)
 2005年夏、NASAが10番目の惑星を見つけたと発表した。冥王星よりも大きいのだが、この星を惑星としてしまうと、同じ軌道でもっと大きな星が見つかると、小惑星に格下げしなくてはならなくなる。

8 頭がよみがえる算数練習帳
竹内薫
ちくま新書
初版2006年9月10日
 つるかめ算の解き方など、復習というか勉強になりました。しかし、読んでしばらくすると、もう忘れてる。頭が一瞬よみがえっても、長続きしませんな。
9 戦う物理学者! 天才たちの華麗なる喧嘩
竹内薫
日本実業出版社
初版2007年8月1日

すっかりテレビ慣れされた竹内薫氏の著書。

●ファインマンとゲルマンは、共同論文まで発表しているが、実はたいへん仲が悪いことでも有名であった。(12頁)

●ファインマンは文章があまり上手ではなかったので、本を執筆する際に、”書く”のではなく”喋った”のである。(14頁)

■ボームは晩年、クリシュナムルティというインドの哲学者と懇意になり、量子力学と東洋思想との類似に驚く。(101頁)

■「物理学者には勤勉さと鋭さが必要である」という持論から、ランダウは世界中の物理学者を、「鋭くて勤勉な物理学者」「鋭いが怠惰な物理学者」「勤勉だが石頭な物理学者」「怠惰な石頭の物理学者」の4段階に分類していた。(128頁)

●1938年、ランダウはメーデーに反ソビエトのビラを配ろうとして逮捕された。しかし、1939年、物理学者カピーツァの力添えにより釈放された。(135〜139頁)

●ランダウは、釈放の数ヵ月後、カピーツァの発見した「超流動現象」をフォノンとロトンを使ってうまく説明した。(141頁)

●1962年、ランダウは自動車事故に遭って頭部に障害を負った。事故後のランダウの精神状態がどのようなものであったかは、はっきり分からない。事故から6年後の1968年にランダウは亡くなった。(145頁)

●1911年、マリー・キュリーは、亡き夫・ピエールの教え子ランジュバンと恋に落ちた。ランジュバンには、妻と4人の子どもがいた。(155頁)

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