読書録 辻邦生
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西行花伝 辻邦生 新潮文庫 |
平安時代末期から鎌倉時代を生きた歌人西行を描く。 知らざりき 雲居のよそに 見し月の かげを袂に 宿すべしとは 出家した後も、浮世の出来事に関わり、崇徳院とともに歌による政治の実現を目指していた。しかし、保元の乱でその願いは消え去った。後白河天皇方に敗れた崇徳院は、讃岐に配流となり、その地で非業の死をとげた。崇徳院の死後、その御霊を慰めるために西行は讃岐を訪れた。 よしや君 昔の玉の ゆかとても かからん後は 何にかはせん 崇徳院死後の西行の人生は、まさに出家した人を思わせるものに変わった。蓮華乗院勧進、東大寺大仏殿再建の寄進を求める旅など、仏教に生きることが多くなった。また、歌の道に本格的に生きるようにもなった。 にほてるや なぎたるあさに 見わたせば こぎ行跡の 浪だにもなし この歌が西行最後の歌となった。 |
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